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登場人物まとめ

本編のネタバレと、本編では書ききれなかった設定を含みます。

前作の登場人物(ヒロインを除く)は省いてあります。ご了承ください。

〜登場人物紹介〜


◆ステファナ・ウイン=ツェロルバーク (旧姓:ステファナ・グレン・カルム)

柔らかな木蓮色の髪。青い瞳は父親譲り。背の高いゼナスと並ぶと余計に小柄に見えてしまう。性格は天真爛漫、明朗快活、なんでも前向きに捉える。弱い立場の者にも分け隔てなく優しい。ちょっと天然な一面があり、相手を脱力させる事もある。

花は見るのも育てるのも大好き。母から教わった園芸の技と知識があり、医学についても詳しい。といっても兄や天才の弟に比べれば凡庸である。芸術面でも秀でたものは無いが、実はギャンブルに驚くほど強い。頭脳戦は兄達に劣っても、運の要素が強いゲームなら負け無し。ただステファナ本人は賭け事を好まないため、驚異的なギャンブル運が発揮される事はほとんど無い。

兄がカルム王国の統治を初めて間も無く、仇国に嫁ぐことを決めていたので、婚約の申し込みは山のようにあったものの頷かなかった。彼女が頷かない限り、父と伯父も承諾しなかったため、19歳になるまで縁談が纏まらなかった。

ゼナスのことは最初から好ましく思っていた。理由は伯父に似通う部分があったから。そしてゼナス本来の優しさを垣間見るたび、どんどん惹かれていく。窮地を何度も颯爽と救ってもらった事に、年頃の乙女らしくときめいていた。和平交渉を最優先に考えて、自分の幸せは二の次だった分、愛し愛される関係になれた事はステファナにとって嬉しすぎる誤算でもあった。ゼナスが作ってくれた花壇を言葉通り大切にしており、手入れを欠かさない。祖国とは風土が違うものの、試行錯誤するのも楽しんでいる。

後年、三人の子宝に恵まれるものの、三人とも女の子であったために継承者を巡って一悶着起きる。心無い言葉を浴びせられることにゼナスが激怒して、皇太子が帝位を継承するという法を強引に変える事態にまで発展。反論は全て権力で捩じ伏せた。ゼナスが即位後はじめて、力技に出た出来事だった。それ以降は単なる長子継承となり、ステファナの長女が次期皇帝に決まる。娘が生まれてから、伯父の来訪がさらに増え、回数を重ねるごとに手土産も増えていく。

愛馬はブランカ。子供の頃から一緒で、嫁ぐ時も一緒。伯父から贈られた白馬であり、賢くて優しい。だがゼナスに対してのみ噛み付く。


◆ゼナス・ウイン=ツェロルバーク

皇帝の証である黄金の髪と瞳を持つ。体格も男らしく、剣の腕前も一級品。ステファナより一つ年上。寡黙で少々不器用、喋ってもぶっきらぼうだが、ステファナを相手にする際は緩和される模様。小動物のような可愛いものを好む傾向にあるが、似合わない自覚があるので誰にも明かした事は無かった。

父の怒鳴り声が耳障りなので、聞かずに済むよう振る舞っており、情熱の感じられない青年だった。亡き母の言葉を忘れずにいるが、矛盾も感じているため、人知れず長いこと葛藤していた。結婚に関してはあまり興味もなく、朝廷で和平派が優勢になった為、承諾しただけ。ステファナに対しては無関心でいようとしたが、本来の性根から助けずにはいられなかった。本当は国の行く末を案じ、弱い者が力で捩じ伏せられる事を心底嫌っている。

ステファナに心惹かれる自分に気付いてからは、想いを素直に受け入れ、彼女を大切に守ることを第一とし、父と対立するのも厭わなくなる。自作の花壇が大層喜ばれ、とても嬉しい。一緒に園芸する日もある。ステファナに膝枕してもらうのを気に入り、二人きりの時にだけこそっと頼んでいる。戴冠式の一件により民衆から"花冠の皇帝"と呼ばれる。小馬鹿にしているのではなく、親しみを込めて民は口にしている。ゼナス本人もその呼ばれ方は満更でもない。

姉のことは頼りにもしているが、振り回されてちょっと困っている。口では絶対に勝てない。しょっちゅうステファナの取り合いになり、苦戦させられる。

彼女との間に生まれた三人の娘のうち、長女と三女は中身が姉ルイーズにそっくりに育つ。特に第一継承権を持つ長女は、成長すると「母上と妹達は私が守るゆえ、父上は心置きなく隠居なさって結構ですよ」なんて堂々と言ってくる。真ん中の次女だけがステファナに似て、おっとりした王女になった。娘達を巡り、姉とマティアスとゼナスとで争奪戦が起きる。しかし姉が手強いため、マティアスとゼナスが共同戦線を張ることもある。

愛馬はセリオン。青毛の駿馬であり、定期的に走らせないと拗ねてしまうが、主人に忠実。他人にあまり甘えない性格のはずだが、ステファナにはすぐ懐いた。


◆ルイーズ

ゼナスより六歳年上の姉。顔立ちは姉弟で似ている。勇ましい性格だが、争いは好きではない。体を動かすのが好きで鍛錬しているうちに滅法強くなっただけ。思考が反逆的という理由で、十一歳の時に宮殿から出されている。口調が男勝りなのは、母と弟を守れるくらい強くありたい、という無意識の願いから。

唯一自分を愛してくれた母を守りたかったが、幼さゆえに無力で何もできなかった。母は父が殺したようなものと考え、虎視眈々と復讐の機会を探っていた。間者を幾人も雇っており、誰よりも内情に詳しい上、内廷にいる女が誰も孕まぬよう画策していた。

弟であるゼナスのことは、離れていても気に掛けていた。母の遺言もあるが、初めて赤ん坊の弟を抱っこした時に姉心が芽生えたためでもある。父への復讐は、弟だけは守るという決意もあった。再会してからは、弟を揶揄って反応を楽しみつつも、何だかんだ応援している。

義妹とも良好な関係を築く。ダリアという偽名を使い、ステファナに接触した際に義妹をいたく気に入る。弟のことを褒めてくれて嬉しかった。名前も贈られぬまま亡くなった妹の分もステファナを可愛がっている。

後に誕生した姪達のことももちろん可愛がる。姪達はルイーズに尊敬の眼差しを向け、長女と三女は剣の修行をつけてほしいと自ら頼み込むほど。

ダリアとは愛馬の名前。ルイーズを庇って殉職した侍女が、ダリアの花を好んでいたため。


◆オダリス

ゼナスとルイーズの父であり、ウイン帝国の皇帝。相手には絶対服従を求め、全てが自分の思い通りにならないと許せない。仇であるカルム王国への敵対心が異常なまでに強い。カルム王国征服を野望に持っているが、近年の飢饉により親政までも立ち行かなくなり、やむなく停戦に合意。納得のいかないまま和平を飲んだため、ステファナのことが心底気に食わなかった。

皇妃を亡くして以降、一人も世継ぎが生まれないので、片っ端から側女を罰したりもした。子に恵まれない原因が、自分にあるとは毛ほども考えていない。

我が子であるルイーズの計略により、凄惨な末路を迎える。戦争を好むだけあって戦いの才はあったものの、頭に血が上りやすい性格が致命的。


◆ゼナスの母

名をローズマリーといった。娘が十一歳、息子が五歳の時、第三子を死産して亡くなる。帝国民にしては珍しく、穏やかで愛情深い女性だった。皇帝から暴力、暴言を受け続け、常に怯えながら暮らしていた。ぼろぼろに傷付けられても、必死に子供達へ生き方を説いた。その姿と言葉はゼナスとルイーズの心に刻み込まれている。


◆アニタ

ステファナの侍女に据えられた、無表情で淡々とした女性。元軍人の父を持ったので、武術はひと通り嗜んでいる。姉と弟がおり、姉は結婚して家を出ている。

没落した貴族の令嬢であり、ルイーズから送り込まれた間者という裏の顔があった。本名はアニタ・ラント。ルイーズに雇われていたが、後に自らの意志でステファナに仕えると決める。忠誠を誓ってからのアニタは主人一筋。ステファナを害す敵は自ら葬ってやる、くらいの気持ちでいる。

家の為、金の為に利用されるしかない境遇に、感情が死にかけていた。しかし本来のアニタはとても強気でハキハキした女性。婚約者だったイバンには辛辣にあたるが、本気で怒ったことはない。昔はもう少しだけ優しかった。突き放すような態度をとるのは、没落した女なんかよりもっと良い相手はいると考えているから。自分と婚約したために迷惑をかけてしまったと思っているだけで、イバンに全く好意が無い訳ではない。買ってもらった髪留めは一応受け取ったが、仕舞われていた。しかしイバンがつけてくれと五月蝿いのでつける羽目になった。

イバンの求婚があまりにしつこいため、どうしてそこまで結婚にこだわるか尋ねたところ「アニタの一番だっていう確かな保証がほしいから」だった。


◆イバン

ステファナの侍従。自らを下っ端使用人と自虐する。お調子者で、軍籍を持つものの、軍人としてのし上がる野望は欠片も持っていない。自称やる時はやる男で剣より弓が得意。理由は「自分は動かず敵を倒せるほうが楽」という思考から。

アニタと婚約していたが、彼女の家が没落したので話は流れた。軽薄な素ぶりに反して、アニタの事は今でも好き。勝ち気だった彼女の雰囲気がガラリと変わってしまった事を心配しており、同じ職場を選んだくらい一途。アニタに親切なステファナの好感度はとても高め。

長い付き合いゆえ、アニタがつれない理由も薄々勘付いている。めげることなくアニタに求婚し続け、77回目でようやく頷いてもらえた。後になって「貴方がどこまで本気か試していた」と明かされる。アニタの実家の再興が目処に立った後、晴れて結婚する。

子供ができたら侍女として存分に働けない、と悩むアニタの思いを汲み、愛する妻が居れば不足は何も無い!と豪語。二人でステファナの娘達を我が子のように思って可愛がる。


◆ミリアム

ゼナスの従者であり腹心。乳兄弟として共に育った。物腰は穏やかだが、痛い所を的確に突いてくる一面もある。武術に関してはそこら辺の軍人より遥かに強い。

ゼナスからの信頼も厚く、良き理解者でもある。それだけゼナスがステファナに対し、内心で葛藤を抱えている事も察していた。わざと無関心なふりを続ける主人を案じていたが、次第にゼナスらしさを取り戻していくのを見て安堵する。

基本的にゼナスの味方。姉に押し負けるゼナスを助けてくれるのはミリアムしかいない。だが、ステファナが熱を出すまで抱き潰した事は、流石に擁護できなかった。

ステファナ似の次女にとても懐かれるようになる。嬉しい反面、ゼナスの激しい嫉妬がちょっと鬱陶しい。


◆クロエ

宮殿で働く侍女長。ステファナとアニタを虐める主犯格。昔に皇族へ嫁いだ人間がいる名門貴族の出身であることを誇っている。皇帝に気に入られ、若くして侍女長になった。だがリーダー性は無く、ろくに仕事もしない上に弱いもの虐めばかりしていた。

殺されなかったのはゼナスが「ステファナが自分を責めてしまうといけない」と考えたのが一つ。もう一つはクロエを支持する勢力があったので、いま殺してしまうと面倒事が増えるから。しかしクロエが命令を破ったので、心置きなく流刑にできた。


◆ジル&ティム

料理人の兄弟。ジルが兄でティムが弟。まだ下働きで、料理長からこき使われていた。自分も苦しい境遇の中にあったのに、二人を庇ってくれたステファナに深い敬意と恩義を感じている。

ゼナスが皇帝になった後は、ステファナの推薦により立場が上がっている。彼女を幾度となく助けたのでゼナスからも信頼されており、内廷まで食事を運ぶことを許されている。いずれは皇族の食事を全て任せてもらえるような料理人になれるよう、日々修行中。


◆エレナ

ステファナが出会ったシェケツ村の少女。緊張しやすいものの、普段は元気いっぱい。

反発の強い村の中で、最初にステファナの味方になってくれた。また、妹を思い出すという理由も相まってステファナから可愛がられる。ステファナと過ごすうちに、医学に携わって人を救いたいという目標を持つようになった。村に移動してきたブノワの元で修行を始める。読み書きから始めなければならなかったので、思うように進まない事は多いが、めげることなく頑張っている。


◆リュシー&ノエル

エレナの友達。リュシーは裁縫、ノエルは料理が好き。三人は幼馴染で、何をするにもいつも一緒。

シェケツ村の城は避暑地としてステファナ達が訪れるようになるので、村の皆で管理している。中でもこの三人が先頭に立って城の維持に勤しむ。

リュシーの目標は「いつか自分の作った服をステファナ様に着てもらう」事。

ノエルの目標は「いつか自分が新たに開発した料理をステファナ様にご馳走する」事。


◆ブノワ先生

ルイーズ付きの侍医。しかしよる年波には勝てず、活動的な皇女についていけなくなり辞任する。ルイーズからの指示によりシェケツ村へ向かい、そのまま居着くことになった。無償で貧しい民の診察をおこなっている。

これぞザ・ヒロインみたいな女主人公が書きたかったPart2です。始まりは短編だったのにここまで長いお話になるとは…自分でも驚きです。私の好きな王道展開をこれでもかと、ぶち込んだつもりです(笑)今作のお気に入りキャラは、ルイーズお姉様です。

完結まで書ききることができたのは、読んでくださる皆様のおかげです。心からお礼申し上げます。誤字報告にも助けられております。それに加えて感想までいただけるのは本当に嬉しいことです。返信が遅くなる時もあって申し訳なく思いますが、全て目は通しております。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 完結、お疲れ様です! すごく読み応えがあって、丁寧に作られた話だと感じました。 延々続く所謂ドアマットな展開も、ステファナというキャラクターの前向きで懸命な姿が凄く印象的で、魅力的。ぜナスを…
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