エピローグ
「お前は三なんだろ?」
俺は動揺する死神さんに追い打ちをかける
「さて、生前の記憶は無いからなんとも言えないな」
死神さんは俺に背を向けながら答える
「でも、もう戻ったんじゃないのか?」
俺は死神さんに尋ねる
「鋭いな。この墓を見た瞬間これが俺の墓だって気づいたんだよ。そしてお前の発言で全て戻った」
死神さんは落ち着いた声で言う
「そっか。じゃあ帰ろうぜ!」
俺がそう言って死神さんに手を伸ばす
死神さんは俺の手を取った
そして俺らは歩みだした
その刹那、車が突っ込んできた
俺は轢かれた
あばら骨が痛む
大量の出血もある
俺を轢いた車の運転手が救急車を呼んだのか俺は病院に居た
「良かった・・・」
死神さんが俺の目の前でそう言う
「情が沸いてんじゃねえか」
俺が言うと死神さんは笑った
病室の窓からは美しい満月が見える
「あんたと会ってもう一か月か...」
俺は窓から見える満月を眺めながらその死神に言う
「だな...色々な思い出があったな...悪いがもうそろそろ...」
死神さんが何か言おうとするのを俺が止める
「じゃあな」
俺はそう言って死んだ
~数年後~
ジン・エムクレイが死んでから数年が経った
そこそこ有名な作曲家だったので死んだことはニュースになって沢山の人間が悲しんだ
一曲、彼の死に捧げるレクイエムがあるユーチューブチャンネルに投稿された
その曲は瞬く間に再生数を伸ばした
哀愁の漂ういい曲だった
沢山のコメントがその動画に寄せられた
その中にはジンの死を嘆くコメントもあった
曲名は「死神さんとレクイエム」
作者は「SHINIGAMI」
死神にも情はあってレクイエムを奏でるのだ
「おい三。何してんだよ」
「別になんでもいいだろ。ジンはそっち行け。俺はこっちに行く」
「そっちが死界なのか?」
「ああ。お前は天国に行くのが正しい。こっちには来れないようになっている」
「そっか。じゃあな!三!」
「じゃあな!ジン!」
皆さんこんにちは
タコスマンです
今回の作品は二作目の作品となります
ですが実は作った時系列としてはこっちの方が先と言うなかなか奇妙な状態です
「思い出の電車」を見てからこの作品を見た方は面白くないと感じるかもしれませんね
では、またどこかで!