三
車がコンビニに突っ込んできたその瞬間俺は死を覚悟した
そして車は俺の体にぶつかった
と言っても何故か俺の目の前で車のブレーキが間に合ったようだ
「お前めっちゃ平然としてるな」
と死神さんが笑いながら言う
「まあ、いつもの事だし友が死んだときの方が衝撃がでかすぎたからな」
と俺は答えると死神さんが黙る
だけど数分後あるいているときにその沈黙を破って死神さんが言う
「なあ、お前さんの友ってどんな奴だったんだ?」
あまりにも突然すぎて俺は驚いた
「言いたくないならいいんだ」
と俺の動揺を感じ取ったかのように言う
「名前は三、あいつは良いやつで俺の作曲に興味を持っていた。本当にただの親友だった。」
と俺はゆっくりと言葉を絞る
そして地面が濡れた
雨かと思って空を仰ぐと視界が歪んだ
なんだ、もう死ぬのかと思っていると死神さんが黙ってハンカチを差し出す
そうか
俺は泣いているようだ
やはり三が居なくなったのは辛いな
そしてそれからゆっくりと家へ歩いて行って飯を作って寝た
にしても三が最近だけじゃなくてずっと見守っている気がするのは何故だろう
一人じゃなくなったのが関係あるのだろうか
死神さん、それはただの死神ではなく俺に少し安心を与えてくれる存在なのかもしれないと思った