表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Lv2から始めるビルディング生活  作者: ジョージ
3/14

3:ビルディング

「起きて。風邪ひいちゃうよ?アレク君?」


エマの声で目を覚ました。目覚めは最高だ。


「あっわり。ちょっと実験をしてて」


「実験?あー。ビルディングスキルのね?んで、なんの実験をしてたの?」


「楽してレベルアップ。コヨーテちゃん使って自動レベルアップしようかと企んでた」


「えっ。そんな事できるの?」


「うん。出来そうなんだけど、HPが足りなくなって倒されちゃうんだ。このリンゴを食べさせれればいいんだけど」


エマにキンキンに冷えたりんごを作って渡す。


「あっありがとう。りんごねー」


りんごを齧りながらエマは、かんがえる。


「回復スキル持ってるモンスターがいればいいんだけど、エマ知らない?」


「回復スキルかー。回復スキルはねー、中級ダンジョンにいかないといないらしいよー。私もみたことないんだよねー」


「中級って何レベくらいだっけ?」


「たしか、30Lvくらいだった気が」


コヨーテを使った戦法だといくら時間がかかるかわからない。


「中級に行くのはさすがに無理だな」


「りんごを食べさせたいならー。ゴブリンとかはどうかな?ゴブリンなら、初級ダンジョンにいるし」


「ゴブリンかー。それいいかもな」


「それじゃあ、冒険者登録しないとね」


ダンジョンに入る為には、役所で冒険者登録する必要がある。基本的に志願すれば冒険者登録することができる。


「冒険者登録かー。登録したら親にばれるっけ?」


「あー。どうだろう。お姉ちゃんが登録した時は、家に郵便が来たな。バラン君は、もうダンジョンに出入りしてるんでしょ?バラン君の時はどうだったんだー」


「郵便物は、見たことない」


「あはは。そうだったんだー。毎日バラン君にこき使われてたもんねー」


エマは苦笑いすると、コヨーテと戯れ始めた。


「いつ冒険者登録するの?」


「今日」


「ええっ!!」


エマが悲鳴のような声を上げた。


「今日って、急すぎない?私、全然準備してないよー。それにアレク君だって、まだ親に言ってないでしょ?」


家族には冒険者になった事は出来ればバレたくはない。馬鹿にされるのは目に見えてるからだ。


「バランにばれるとめんどくさいから、こっそりしたいかや?」


「そっかー。あっ。そうだ!そいえば、お母さんがアレク君に会いたいって言ってたんだ。冒険に出たら会えなくなるから、今日会ってくれない?」


「いいよ」


エマの家でご飯を食べる事になった。









「あらアレク君。久しぶり」


エマの家に着くと、エマの母親が笑顔で出迎えてくれた。いつ見ても美人だ。おそらくエマの美貌は母親譲りだろう。そして唯一俺を馬鹿にしない大人だ。


「すみません。連絡もせず急に来てしまって」


「アレク君。私が誘ったんだからそんな事言わないで。お母さん。大丈夫だよね?」


「ええ。大丈夫よー。いつもエマと二人きりの食事で寂しかったところなのよー」


エマの家系は、村でも有名な冒険者家系だ。父親と姉は有名なギルドに入ってるらしいし、母親も昔はバリバリダンジョン攻略をしていたはしい。


二人きりの食事。その言葉がひっかかった。エマが冒険に出たら一人きりになってしまう。


「それじゃー。エマー。晩御飯まで時間かかるから、リビングでゆっくりしててー」


「はーい。アレク君。おもしろい本があるの。一緒に見よー?」


エマは机の上に置いてある本を取り出すと、得意げにページを開いた。


「ここにある特集なんだけどさ、ここにあるモンスター。アレク君は作れないかな?」


見たことのないモンスターばかりがいる。牛みたいな見た目に、下半身は人間のやつもいれば、ネバネバした液体のやつもいる。


「このネバネバしたやつはなんだ?」


「これはスライムって言うんだよ?まー。コヨーテより少し強いくらいかな?初めて冒険する人がよく倒すみたい」


「これならみたことあるから作れるかも」


「えっ?本当に?いま、作れる?」


「多分できるけど、エマはスライム倒せる?」


「えっ。どうだろう。魔法を使えば倒せるかな?でも家だし」


「最悪眠り草を生成して眠らせるわ」


「おお。さすが」


俺はスライムの写真を眺めると同時に、手に意識を集中させる。

じっくりと初めてスライムに会った時の事を思い出す。


「よしっ。いくぞ」


煙とともに出現したスライムは、なにがなんだがわからず右往左往している。


刹那。スライムの脳天に何かが刺さる。急所をつかれたスライムは、可愛い悲鳴を出しながら消滅した。

包丁が音を立てて、床に落ちる。


「ごめんねー。怪我はない?」


ニコニコとした表情で母親がこちらにやってきた。

あれ?もしかして、これお母様がやったんですか?


「ママ!あぶないよー。もーう、モンスターが出てきたら殺すくせやめなよー」


「うふふごめんなさいね。つい昔の癖で」


可愛い笑顔を探す母親ににやつきながらも、俺はエマの行く末を心配した。もし仮にエマと結婚したら間違いなく鬼嫁になりそうだ。


「ところで、なんでこんな所にスライムが?」


「あのー。それはー‥‥」


エマの方を見ると、俺と同じく表情がひきつっている。

軽率すぎた。


「あっ。アレク君のりんごに釣られてきたのね」


母親は、一人で納得すると鼻歌を歌いながら台所に向かった。


「おいおい。お前の母ちゃんが、あんなにモンスターに敏感なんだって知らなかったぞ」


小声でエマを問い詰める。


「まさかあんなにとは思わなかったわよ。いつもは、ゴキブリを見たら包丁で殺すぐらいで」


「とりあえず、スライムは作れたみたいだな」


「そうだね。モンスター作りは、今日はやめよう」


ひそひそ話を終えた後、俺はモンスターを覚えるべく雑誌を眺め、エマは風呂に入りに行った。

しばらくするとエマの母が大皿を持ってやってきた。


「あれ?エマは?」


「エマならお風呂に入りました」


「えっ。そうなのー。もうすぐでご飯が出来そうなのに。あっそうだ。アレク君。エマを呼んで来てくれない?」



「えっ。でも、年頃だし‥‥いくら俺でも」


「大丈夫大丈夫。エマは、アレク君の事が好きだから」


「へっ?」


閲覧ありがとうございました。

よろしければ、ブックマーク・感想よろしくお願い申し上げます。


毎日 12:00に更新します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ