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アルヴァマー序曲 3題

作者: xoo

 暇つぶしにYouTubeを観ていたら、懐かしのアルヴァマー序曲が盛り上がっていた。ポケモン新作の予告編(3rd Trailer)に使われた、との事。




◇汐澤快速


 アルヴァマー序曲は1981年に初演・出版された吹奏楽曲(作曲者はジェイムズ・バーンズ)で、元々は中学校選抜バンドのために作曲された8分30秒の曲である。日本では、汐澤安彦指揮、東京佼成ウインドオーケストラによる1982年のレコードでは6分20秒台で演奏され、日本中の吹奏楽団がそのテンポをスタンダードとして屍の山を築き、作曲者バーンズが「日本の演奏はどれもこれも速すぎる」と激怒した、と伝えられている曰く付きの曲である。

 何せ指定テンポ132のところを1.2倍の160でぶっ飛ばすわけだから、指が絡まる絡まる。縦の線が合わず、ぐちゃぐちゃになる。それでも縦の線がピシッと揃うと煌びやかになり、原典とはまた違ったドライブ感いっぱいの曲となる。フィネル指揮の7分10秒台がスタンダードになっていたが、最近では大阪桐蔭高校による甲子園の応援もあって爆速に挑戦して爆散する演奏も多い。


 汐澤の指揮はどの曲も早めとはいえ、これが当時のスタンダードと信じられたのは吹奏楽コンクールの存在が大きかったのではないだろうか。C編成(25人以下)だと自由曲7分以内、実際には6分30秒くらいにまとめないとタイムオーバーで失格となる(音が足りなくて選択しないだろうけど)。A編成(中高45人以下)だと課題曲と自由曲で12分あるが、技巧に走るバンドが選びがちな課題曲Bだと例年4分30秒くらい必要になり(前年81年の「東北民謡の民謡によるコラージュ」など)、自由曲に7分弱しかかけることが出来ない(ミッチェルの「海の歌」だと7分30秒なのでかなり厳しいし、スウェアリンジェンの「ノヴェナ」だと6分で終わってしまう)ので、汐澤快速が受け入れられたのだろうか。




◇スネアドラムのレギュラーグリップ


 アルヴァマー序曲は全パートきつい。汐澤快速だと指が回らないし、バーンズ準拠だと金管は息が続かない。曲の構成は比較的単純なのに、美味しいパートが回って来たと思ったら他のパートのオブリガートにいいところを持っていかれる。

 その中でパーカッションは比較的平和(つーか、いつも通り)かな。ただ、スネアドラムは美味しい。目立つ。提示部(allegro vivo)と再現部(tempo primo)は出ずっぱりだけど、極めてスネアドラムらしい。


 ただ、いろいろな演奏をYouTubeで観ていると、ほとんどの演奏はレギュラーグリップ(トラディショナルグリップ;左右の持ち方が違う)ではなくマッチドグリップ(左右の持ち方が同じ)なのに驚いた。レギュラーグリップはマーチング由来の左手のひらを上に向ける持ち方で、マッチドグリップに対して習得するのが難しいし、パワーに欠ける。スネアドラム以外の打楽器は(ティンパニーなど)マッチドグリップだからね。もしかして今、中学校高校の吹奏楽ではマッチドグリップだけなのかなあ、スネアドラムを水平にセットしているし(レギュラーグリップなら、右に傾けてセットする)。自衛隊(海自横須賀音楽隊)でさえマッチドグリップでアルヴァマーやってた。

 唯一?のレギュラーグリップでのアルヴァマーは、山形 PRO WIND 023 の2014年の演奏だった。このスネアドラムの人、本当にうまい。粒がはっきりした音で惚れ惚れする。スネアドラムに関してはベストオブベストの演奏だと思う。




◇タンバリン


 かくいう私が現役の時は、タンバリンをやった。このタンバリンも出ずっぱりで目立つし、指ロールを要求される。これはタンバリンを振るのではなく、皮の縁を指で擦って連続した音を鳴らすもの。私は右手親指でしか出来なかったけど(松ヤニは使わなかった)、多くの方は中指でやっているようだ。参考演奏は「宮川夕季陸士長」で検索。




 現役のパーカッションの時は何でもやったなあ。ティンパニーやドラムからラテンパーカッション(コンガやボンゴやクラベス、他)からホイッスルや紙やすりまで。凸凹のあるコーヒー缶を擦ってギロがわりにしたり。


 カホン、買おうかな。

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