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  作者: たね
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 春だろうか。

 優しい日差しが降り注いでいる。

 じっとしているのがもったいないような、上天気のもとでわたしは佇んでいた。

 このくらいの季節がわたしにはちょうどいい。

 うだるような暑さではないし、凍て返るような寒さでもない。

 天気が悪いときはしっかりと室内に避難させてくれる。

 わたしはこの恵まれた環境に置いてくれている家の人にとても感謝をしている。

 わたしにはなにもできないし、言葉を発することもできない。だから、せめて、この家の人の心を豊かにできるように、癒せるように、静かに咲く。目立つことは得意ではないから、わたしは気づかれないように、でも、ふとわたしの存在を思い出してくれたときのために、静かに咲く。

 本当は急に咲かすこともできるけれど、できるだけ長くこの家の人と一緒の時間を過ごせるようにあんまり生き急ぐことはしない。人間が考えていることはわたしには分からない。

 わたしはここで咲いていたいと思っているけれど、家の人はどう思っているのかわからない。だから、一緒の時間をできるだけ増やしたいというのはわたしの勝手な気持ちなんだけれど、心からの気持ち。

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