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異世界の常識破壊者【オーバーブレイカー】  作者: しまらぎ
四章 〜聖龍と最後で最初の日々〜
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『大魔術師の二撃』

 ルナの魔力を捉えて魔法を使ったから、『ワープ』のラグの最中に彼女が移動していなければ、すぐ近くに居るはずだけど……どこをどう見ても彼女の姿がない。

 ここから見えるのは、こっちに向かってくる黒い影とボロボロに砕けて燃えている建物だけだ。

 黒い影は僕の魔力に気づいた悪魔だろう。まずはそれをなんとかしないとまずそうかな。


「心葉、私達は避難出来てない人を助けてくる!」

「わたしも行ってくるのです」

「だ、ダメだ! 今魔族がこっちに向かって……」


 ピキーンと何かを背中に感じた。咄嗟に振り返って剣を構え、猛スピードで飛んでくる火炎の球を斬り裂く。

 顔を上げると、もうすぐそこまで魔族が来ていた。その後ろにも一体二体と、沢山の魔族が迫っている。再度ラナリオンを握り直し、僕も戦闘態勢に入った。と、その時だった。


「キャーーーー!!」


 真後ろからリッタの悲鳴だ。すぐにその方を向くと、リッタとゆぅが進もうとしていた方角の空にも魔族が迫っていた。


 なんとかリッタたちとの距離を詰めようとしたが、また後ろから魔力を感じる。今度はさっきの魔力よりも遥かに多い。まさかとは思ったが、振り返ってみると大量の魔族が一斉に魔法を使ったようだった。多くの魔法陣が空に展開され、既に放たれた様々な色の魔法の球。やれることはやるが、この数の魔族を僕一人で何とか出来るものじゃない。

 だが、そんな事を考えている間にも敵とその魔法は僕に、いや、リッタやゆぅにも向かってくる。

 兎に角まずは魔法を何とかしないと!


「魔法よ散れ! 『パニッシュ』!」


 持てる魔力を出せるだけ使い、僕は超広範囲に『パニッシュ』を放つ。前方も後方も、全ての魔力と魔法が消滅し、まだほんの少し薄暗い空は、花火が上がったかのように鮮やかに輝いていた。

 そして、その花火の中から、いくつもの影が落下していくのが見える。魔法が消滅するときのキラキラでよく見えなかったが、次々と魔族が落下していたのだ。


「コノハ、みんな落ちていくのです!」


 どうやらゆぅたちの方の魔族もみんな落下しているようだ。何故かはだいたい想像がつく。魔法で飛行していたのだろう。


 今度こそ二人と距離を詰めると、また遥か上方に何かの魔力を感じた。どこかで感じた事のある魔力。まさかと思い上をバッと見上げると、小さくてほとんど見えたものじゃないが、よーく目を凝らすと、一人の女の子がいた。

 ルナが巨大な魔法陣を展開していたのだ。


「おいおいおいおい、何するつもりだ⁉︎」


 巨大な魔法陣は光輝いて、中心に魔力を集める。集まった魔力がだんだんと肥大化していき、魔法陣全体に広がった時だった。

 それは一瞬だった。キュピーンと大きな音を立てて、巨大なレーザーが落下している魔族たちを飲み込んだのだ。

 街をまるごと飲み込むレーザーは、確実に呑まれた魔族達を消し去った。その数ざっと三十体。街ごとやるってあの人の頭どうなってんだよ……。


 そして再度魔法陣が展開される。同じように魔力が集まり、再びレーザーが発射、後方に飛んでいた……落下していた魔族達が呑み込まれて消滅した。

 相変わらず街をまるごと破壊しながらレーザーは遥か遠くの地面までをも抉りながら進んでいくのだった。



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