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異世界の常識破壊者【オーバーブレイカー】  作者: しまらぎ
三章 〜王都とクエストギルド〜
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『服選びは難しい』

 王都へ来て三日目、今日こそはと街に買い物に出かけたのだった。昨日のように武器屋に行く事もないから普通に買い物が出来そうだ。


「まずはどこから行こっか?」

「わたしは服が見たいのです! 動きやすくて可愛い服を探します」

「私も服を見たいかなぁ」


 と言う事で最初は服屋さんに行く事になった。僕も地球の服のままで、割とこの世界では目立ってるからな。そろそろ新しくてこの世界らしい服を探してみようかと思ってたところだ。


 そう言えばリッタとゆぅの服装なんて考えた事もなかったな。リッタは全体的にピンクって感じで、ゆぅが全体的に真っ白だ。ゆぅのはワンピースかな。僕にはそういう知識がないから正直二人の着ている服のことは分からない。

 ただ、二人とも綺麗というよりは可愛いとか清楚な雰囲気を醸し出していた。

 それに引き換え僕なんてな……変な英語のあしらわれた白のポロシャツに動きやすい紺っぽい色のズボンだ。美的センスのかけらもないこの服装も、二人になんとかしてもらいたいな。


 僕が自分の服と二人の服を交互に見ていると、右手を繋いでいるゆぅが聞いてくる。


「コノハのその服はあまり見ないのです。故郷の服なのですか?」

「うん。僕の故郷のただのポロシャツだよ」

「ポロシャツですか?」

「ポロシャツってなあに?」

「この服のことだよ。僕のいた国だと、こういう服はポロシャツって言うんだ」


 いざ故郷の事を聞かれると焦ってしまう。こんな暑いのにもかかわらず、首筋に冷やっとした何かを感じる。

 あまりこの話を長引かせると自滅しそうだ。ほかの話に切り替えなくちゃ。


 そんな事を考えていたが、話しをしている間にお店に着いてしまった。


 でっかく『フレア』と書かれたそのお店は、一見お花屋さんのようだったが、店の中に入ると如何にも女の子の店って感じで女子用の服がズラーッと並んでいた。


「うっわあー、こんなにたくさん服があるよ!」

「初めて服屋に来たのです!」

「うーん、なんだか僕はいづらいかなぁ……。二人が終わるまで僕は外で待ってる事にするよ」


 そう言って店を出ようとした時だった。リッタに腕を掴まれ、ゆぅが目の前で通せんぼのポーズをしている。

 うん、つかまったね!


「ちょいちょい、二人共何をしているので?」

「心葉が一緒に見てくれないとダメ! 私の服は心葉が選ぶの!」

「そうなのです! コノハはわたしたちの服を選ばなければならないのです!」

「……マジで?」

「マジ? 多分マジなのです!」


 キリッとした顔でゆぅが言った。まさかこんな羽目になるとは……少し思っていたけど、自分の服のセンスのなさには自信があるんだよな。


「僕には無理だよ。服なんて自分で選んだ事もないし」

「わたしもないのです!」

「あはは、実は私もないんだ」


 ダメだ。僕の計画がおじゃんになった。ここには一人として服を選べる人がいない。

 さあ、この状況をどう乗り切ろうか?

 僕はついに服を選ぶ為の作戦を考え始めるのだった。

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