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異世界の常識破壊者【オーバーブレイカー】  作者: しまらぎ
三章 〜王都とクエストギルド〜
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『新技披露』

 僕の凄いかそうでないか全く分からない魔力や特性はこの際置いといて、魔法調べに移ろうかな。


 まずはこの数千ページにわたる分厚い本を読みきるとするか。僕の予想が正しければ『瞬間施策』の力で記憶力もそれなりに上がっているだろう。この力を使えば魔法の百個や二百個すぐに覚えられる。

 希望の1ページ目!


『フレイル』

 火の玉を発生させる。


 おいいいぃぃ!!

 知っとるわんなことぉ!

 柄にもなく心の中で叫んでしまったけど、ここは図書館だ。声を出す訳にはいかない。だけど悲しいよな……うん、悲しい……。何千何万とある魔法の中で一番最初に出てくるのがこれとは……。

 意味なく悲しくなるのはしょうがないのかな? なんてそれこそ意味のない疑問が頭に浮かぶ。

 知ってる魔法も多いだろうし、気長にいこうかな。



 そんなこんなで4時間ほど図書館で本を読み続けて、使えるかどうかは置いといて覚えた魔法はざっと100個ぐらいだ。予定よりだいぶ少ないし、正直使える奴なんてかなり少ないよな。

 その中でも特に役に立ちそうな魔法はとりあえずメモしておいた。これで忘れちゃっても何とかなるだろう。

 明日の任務で上手く実験出来るといいな。


 僕はリッタとゆぅを起こして図書館を出る。

 眠そうに目をこする2人と共に宿に帰るのだった。



 次の日、王都近くの森にて。


「リッタ、そっちに行ったぞ!」

「任せて!」

「援護はわたしが!」


 僕らは今任務の真っ最中だ。なんでも近くの森にオオカミの群れが住みついたらしい。レッドウルフとは違って、水系統のオオカミだった。ランクがEだと言うからそこまでの強さじゃないけども……数が多いんだよな。

 王都の近くは商人や旅人が沢山通るから討伐する必要があるのだとか。それぐらいなら大丈夫なんじゃないかな? とか思うんだけど……実際に戦ってみるとそうも言えない感じだった。特に数がね……。



「心葉! また来るよ!」


 リッタの声にハッとすると、もう目の前に大きな水の塊が向かってきていた。アクアルだ。このオオカミたちはレッドウルフと違って、いろんな水属性の魔法を使って攻撃してくる。そのほとんどが初球のボール系のものだけど、商人なんかがくらったらひとたまりもないだろう。

 ただ燃えないだけマシかな。前回のレッドウルフじゃ軽く火傷したし。ここで狩っておくのが一番だな。


 そろそろ戦いに集中しないとまずそうだ。

 僕は目の前の水の塊を右手のラナリオンで切って爆ぜさせる。所詮は魔法の塊だ。僕のパニッシュにかかればなんてことはない。数が多いのはちょっと問題だな。

 さぁ、一掃するとするか!


「リッタ、ゆぅ、あれを試す! 2人とも少しだけ時間を稼いでくれ!」

「分かった! なるべく早くね」

「わたしの弓の力を見せる時が来たのです!」


 そう言ってゆぅが弓を大きく空に向けて弾き始める。なんだか先を越されたかなぁ……。

 ゆぅの魔力がかなり高まり、彼女の弓にチャージされていく。どんどん輝きを増す水色の光は、彼女の声と共に空へと放たれる。


「大地よ凍てつけ! 『マザーアイス』!」


 放たれた矢が空中で分裂し、いくつもの矢となりオオカミたちに降り注ぐ。その矢は地面に触れた瞬間に大きな氷を作りオオカミたちをそのまま氷漬けにしてしまった。現れた氷に貫かれた奴もいたみたいだ。躱した数匹以外のアクアウルフ達はみな片付いたようだった。


「ざっとこんなものなのです!」

「凄いよ、ゆぅ!」

「えっへん!」


 小さな胸を張ってリッタに頭を撫でられている。いや、小さいって言うのは胸がないって事じゃなくて、身体が……はぁ、誰に言い訳してんだろ、僕。


 せっかくゆぅが作ってくれた時間だ。無駄にする訳にはいかない! 僕が昨日の夜にずっと1人で考えていた魔法をここでお見舞いしてやる!


「雨よ降り注げ、『スコール』!」


 右手の魔法陣からでてくるのはごくごく普通の……とまではいかないけど、水の中級魔法だ。『スコール』は術者を中心とするおよそ30メートルの範囲に大雨を降らせる。

 僕が試すのはこんなことじゃない。もっと激しく、もっと面白いものだ! きっとこの世界の人たちじゃ考えつかないような。


「『エンチャント・エクスプロージョン』! 続けて『シールド』!」


 左手の魔法陣が光り輝き、同時にスコールの雨が輝きだす。そして次の瞬間だった。

 ドゴゴゴゴゴ…………!

 スコールの雨が地面に触れるたびに大爆発が起こるのだ。それはまるでエクスプロージョンのような。いや、それはまさしくエクスプロージョンの爆発だ。


 シールドに守られている僕らの周辺以外の大地そのものが爆発で吹き飛んでしまった。シールドの中でも開いた口が塞がらない2人がただ呆然と立ち尽くす。


 若干の恐怖と爆発の中の静けさが漂う中、僕は両手に3つの魔法陣を展開させたままオオカミが全滅するのを待ち続けるのだった。

お読みいただきありがとうございます!


この前に書かせていただいた、9月からの更新の件ですが、不定期更新とさせて頂くことにしました。

自分は趣味でこの話を書いているため、休みの少ない時はどうしても書ける時間が少なくなります。それに加えて、話のストックもほとんどないような状態が常日頃なので、毎日更新も無理だと思います。

目標は2日に一度以上、最低限一週間に一度以上です。多く更新出来る時もあれば、本当に一週間に一度になる事もあるかと思います。

今までよりも遥かに少ない更新となりますが、どうかこれからもよろしくお願いします!


ご意見ご感想もよろしくお願いします!


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