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異世界の常識破壊者【オーバーブレイカー】  作者: しまらぎ
三章 〜王都とクエストギルド〜
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『決壊寸前』

 

 翌朝、まぁもう当たり前のことだが、2人は僕の両隣に忍び込んでいっしょに寝ている。


「いったい何回言わせるつもりだよ!」


 正直なところ僕はそこまで怒っているわけじゃない。だって可愛い女の子に挟まれながら寝てるんだから。そんなの男の夢じゃないか。でも、この2人には恥ずかしいと思う心がなさすぎる。そこが問題なのだ。


 僕だって高校生の男子なんだよ? この状況で何も感じないはずがない。目がさめると両隣に女の子が寝ているのを毎日見るのはどこか辛いものがあるのだ。それを少しは理解して欲しいよ……きっとそんな日は訪れないのだろうけどね……。

 それでも僕は信じてる! 本当に信じてるから!

 だからせめてもう少しだけでも恥じらいを持って生活して欲しい。どうか僕の理性が崩壊する前に。

 果たしてこの心の叫びがどれだけ2人に伝わったのか……。


「う〜ん……やっぱりねー、昨日の夜はベッドで寝てて、それでね、寒くなってきたからちょーっと心葉の布団に移動させてもらったんだよー」

「とても寒かったのです」

「アホか! だいたい今の季節って夏に近いだろ! 寒いってなんだ寒いって!」


 何も伝わっていなかった……。

 いいんだ、分かりきってたことじゃないか。

 はぁ……明日の朝からも頑張って理性を保つか……。しんどいなぁ……。



 そんな毎朝のくだりは置いといて、今日の予定だ。今日からあと4日間、このクラウス王国を満喫することになっている。王国生活2日目だ。

 さて、何をしようか?

 久しぶりに3択を出してみようかな。

 そんな感じで考えて出てきたのがこの3つだった。


 ①ギルドで任務

 ②王都探検

 ③武術特訓


 どれもこれも似たようなのばかりだ。

 どれがいいかな? 僕としては②がいい。

 王都に来てからあまり遊んでないからな。ブレイズウルフのお陰でたくさんお金が貰えたし、2人の装備とか服とか買い物なんてのもいいかと思う。

 多分それで異論はないだろうけど、一応聞いておくとしよう。


「リッタ、ゆぅ、今日はどこか行きたいところとかある? 僕は昨日の報酬のお金で買い物なんてどうかなって思ってるんだけど。2人ともどう?」

「お買い物! 私も何か武器が欲しいな!」

「わたしは弓とかやってみたいのです!」

「とりあえずは決まりだね」


 よし! 思った通り2人とも食いついてきた。


「それじゃあ準備ができたらすぐに行こう」

「うん、分かった!」

「分かりました。すぐに済ませます!」


 なんだかゆぅがリッタよりも乗り気だ。今まで村から出ることが少なかったから、こんな風に誰かとお買い物なんてのはしたことなかったんだね、きっと。めちゃくちゃ張り切ってるよ。と思って見てたらもう準備が終わったようだ。僕も早くしなければ。


「コノハもリッタも遅いです!」

「待って待って、早いって」


 ありゃりゃ、ついに言われてしまった。これ以上待たせるのもかわいそうだな。急いで支度を整えよっと。どうやらリッタもペースを上げたみたいだ。

 もう少し待ってくれ、ゆぅ。



 そうして、支度を終えた僕らは初めて通った大通りへと出かけるのであった。


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