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異世界の常識破壊者【オーバーブレイカー】  作者: しまらぎ
三章 〜王都とクエストギルド〜
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『ギルド登録とパニック』

 流れからすると次は僕の番だよな。

 やっぱり2人とも僕の能力が気になるようで、2人して質問してくる。


「ところで心葉のはどうだったの?」

「そうです! コノハの結果が知りたいのです! きっとコノハならダブルAです‼︎ なんて言ったって、あの魔族を倒したのですから!」

「ちょっ、ゆぅ!……おい」


 ゆぅが大きな声で話すもんだから、ギルドの中がざわついている。魔族を倒した、なんて人前で言うもんじゃない。そんなの信じる奴がいるかってんだ。

「あいつ、魔族を倒しただってよ」

「ハハ、駆け出しがイキってんぜ?」

「なめたこと言いやがるな、あのガキ」

 ほうらみろ、みんな愚痴り始めたよ!

 それぞれに愚痴を吐いて、そのうちみんなで笑い出している。

 あぁ! イライラする!


「もー! ゆぅもそんなこと人前で言うなって」

「うぅ……すみません」

「まぁまぁ、心葉。ゆぅも悪気があったんじゃないんだからさ。ね? そんなことより結果はどうだったの?」

「……あまりよくはないと思うんだけどな……。まぁいいや、結果ね結果、ええと……え?」


 なんだこりゃ? なんか僕の評価がおかしなことになってるぞ! なぜか武力と魔力の欄のところには計測不可と書いてある。


「どうしたのですか、コノハ?」

「いやあの、これバグってるんだけど……」

「バグってる……?」

「おかしくなってるってことだよ」

「おかしいってなにがおかしいの?」

「これ、ほらこれ見てよ」

「計測不可?」


 その4文字を見て、2人とも首をかしげる。

 そして、こう口にする。


「魔力での測定にミスなどあり得るのでしょうか?」

「うーん、ミスじゃなくて心葉が強すぎて本当に測定できないとか?」

「リッタのは置いとくとして、ミスなのかどうなのか聞いてみるか」


 僕は紙を持ってもう一度受付に戻ってお姉さんに聞いてみた……のだが、ミスではないとのこと。

 えっと……じゃあそれってもしかして、ほんとに僕が強すぎてってことなのかな? 僕の時代来ちゃった? 来ちゃったの⁉︎ たしかに異世界転移の話だと主人公がこういうときに最高評価だったり、強すぎて測定範囲に収まらないってのが多いけど……。まさか僕もアニメ展開来た? ついに僕にもそんな夢のような出来事が?

 夢のようなってなれば異世界に来れただけでも充分なんだけど、いや~まさか僕最強説誕生とはね。正直ニヤニヤが止まらない。

 ただなぁ、もう十分アニメ展開は来てるんだよな……。これ以上来られると魔王を倒す展開まで進みそうだ。あくまでも僕はゆる~くほのぼのとした生活を送っていきたいからな。でもちょっと頬が緩んじゃう……。


 しばらくニヤニヤとしてしまっていたが、少し大事な事を思い出した。

 そう言えば、僕の魔力って……魔力とか魔法とかを打ち消す効果だったよな? もしかしてそのせいで魔方陣の効果が打ち消されてしまった……とか? これは充分にありえるぞ! いやまてよ? 僕は魔力を発動させてないはずだぞ? 勝手に発動することはないだろうし、そもそも魔力・固有特性欄には『霧散』・『順応』・『瞬間思索』と書いてある。おそらく『霧散』と言うのが『パニッシュ』を日本語にした時の…………ってなんで日本語表記なんだ⁉︎

 この世界にはこの世界の文字があるし……なんで急に日本語が出てくるんだよ! 問題の上に問題を重ねるなよ……。

 でもこれの答えは意外にもすぐに見つかった。『順応』と言う固有特性だ。順応と言うからには、何かに素早く順応出来るって事だろう。きっとこの魔力に関わっているに違いない。だけど今はこれ以上考えるのはやめとこうかな。

 今は先に考えるべき問題があるからな。



 さて、話を戻そう。

 『パニッシュ』らしき魔力が検出されてるからには魔力が打ち消された可能性はかなり低い。

 シンクロされた衝撃かなにかで発動してしまったとかか? それで最初に魔力だけ分かったとか……これもあり得そうだ。

 いやいやまてまて、シンクロされたって事は自分の魔力と同じものになったってことだ。自分の魔力を打ち消すのは流石におかしいだろ。ああ! 結局なんもわかんない!

 もういいや……2人のところに戻ろう。


 そうして僕はリッタとゆぅのいるテーブルに戻り椅子に腰かける。原理の分からないものをいくら考えたところで無意味だからな。はぁ……。


「心葉、どうだったの?」

「ミスではないらしいんだけど……理由がわからないんだよ」

「じゃあやっぱりコノハがとても強かったってことなのです!」

「そんなことないと思うんだけど……そんなに気にするほどのことじゃないよ」

「いいえ! 気にします! なんて言ったってコノハは……」

「もうそれはいいよ……」


 また言おうとしたな? まだ僕らのことを、主に僕をチラチラ見てる人が数人いるんだからやめてくれ。また笑われるよ……。

 もうこの話はやめだ! あとでルナにでも聞いてみるとしよう。こういうのは専門家に聞くのが1番だ!


「そんなことより、登録も済んだんだ。1つくらい任務を受けてみようよ!」

「そうだね、そうしよ! 最初は簡単なのにしよっか」

「弱い魔獣とかかな?」

「それがいいよ!」

「なんだか緊張します」



 と言うことで、僕らの記念すべき1回目の任務は狼の魔獣討伐ということになった。『レッドウルフ』とかいう名前で、その名の通り赤く、火属性の攻撃をしてくるらしい。

 その依頼を受けに受付に行く。


「任務登録、完了しました! これより1日の間で、レッドウルフ3頭を討伐して下さい。それではお気をつけて」


 レッドウルフ3頭か……初めての相手だから難しいのかどうかもよくわからない。レベル1だし大丈夫かな。

 ちなみに倒したレッドウルフにバッジを近づけるとバッジにかかっている空間魔法に魔獣が取り込まれるというシステムになっている。空間魔法の中では時が止まっているため、腐食が進むことはない。だから素材集めに使えるのだと。

 そのあとに、クエストギルドの精算受付の方で任務完了の手続きをして、素材と報酬を受け取り全て終了だ。素材の内の少しをギルドの取り分として、残った素材を売却すればその分のお金を、あとは報酬と言う名の手間賃が僕らの取り分となる。もちろん素材は売らなくても大丈夫だ。



 任務についての見直しは終わったし、そろそろ出発だ!


 そうして、僕らは任務にある場所の草原に向かうのだった。


お読みくださりありがとうございます!

今後(8月より後)の掲載予定について、活動報告の方にあげさせて頂きます。お気づきかもしれませんが、休みの間は多めの投稿となっています。

これからの時間や投稿回数などについての話なので、興味のある方は是非活動報告をお読み下さい。

これからもよろしくお願いします。

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