『王都リトラス』
ーー翌朝ーーー
僕らは当初の予定通りとはいかなかったけど、王都を目指して出発することになった。
ゆぅと僕がパートナーになったこと、それ故にゆぅも一緒に旅に出ること。それらを村長さんに話しに行ったら、昨日の夕方にゆぅからもう聞いていると言われた。
ゆぅの方に目をやるとなんだか気まずそうに目を逸らされる。
うーむ……ゆぅは全部こうなることを見越して……ま、結果良ければ、だね! 伝える手間も省けたし。
とりあえずお礼を言って、村長の家から出てきた。
さぁ、出発だ!
多くの村人が見送りに来てくれる中、僕らは村の門をくぐり、王都へと向かった。
僕らが精霊の村を出てから1日がたった。
あれから歩きに歩いてついに王都に辿り着いたのだ。今僕らがいるのは、王都の入り口。この国は検問もないため、すぐに入ることができた。
大きな門をくぐると、目の前には大通りがあり、その突き当たりのところに、大きく煌びやかな城がある。全体的に白く、見るからにお城といった見た目だ。どこだかの国の世界遺産かな? なんとか教会だったか……いつか見たクイズ番組を思い出す。
だけど、テレビで見る城よりはるかにでかい。いったいどんな人が住んでいるのか……まぁ王様なんだろうけど。
お城を眺める僕の横で、2人が声を上げる。
「うっわぁ大っきいです〜!」
「お城だけでうちの村数個分はありそうだよ! それにこの人の数、さすが王都だよ!」
「まさかここまですごいとは思いもしなかったなぁ……」
王都『リトラス』円状の城壁に囲まれ、その中央には大きな城がそびえ立つ。城を中心に城下町が広がり、いろんな種族でいつも賑わっている。3つある門からはどこも大通りが城へと伸びていて、大通りと大通りの間が住宅地となっているようだ。
そのうちの1つの大通りを、表に出ている屋台を見ながら歩く。初めてリッタに会った時もこんな感じだったな。ここよりは少し小さな大通りにたくさんの店が出ていた。そんなに昔の話ではなく、むしろ最近の話だけど、何故だか懐かしく感じる。
一応最初の目的は宿を探すことなんだけど。横の2人は目の前の珍しいものに興味津々だ。目がキラキラしてる。2人とも自分の町や村から出た事ないと言っていたし、当然と言えば当然か。
僕も異世界の城下町と考えたらなんだかワクワクしてきた。今日はもう少しだけこの都を見て回ろうかな。
そうして僕らは城下町の大通りを歩き続けた。




