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異世界の常識破壊者【オーバーブレイカー】  作者: しまらぎ
二章 〜襲来を超えて〜
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『精霊の村に目覚め』

 

 神さまに別れを告げ、僕はいつもと同じように夢から目覚めたのだった。


「ハッ‼︎ ……ここは……?」


 目が覚めると、そこはまったく知らない場所だった。だけど知ってる顔が2つ、涙まみれになって僕を覗き込んでいた。

 リッタと少女だ。

 いったいあれからどれほどの時間が経ったのだろう? 僕はどこかに運ばれたようだ。


「心葉……心葉ぁ……良かっだぁ、もう目覚めないがど思っだよぉー!」

「良かった! 本当に目が覚めないのかと思いました」

「ははは、心配しすぎだよ。あっ、そうだ‼︎ あの魔族たちは? 確か僕は刀でお腹を……ってあれ? 治ってる。えぇ⁉︎」


 いやいやいやいやおかしいって。全部夢だったの?

 でもあの時の少女がいるし……さっきの神さまは夢じゃないだろうしなぁ……。

 もう何が何やらさっぱりだ。


「もう、心葉慌てすぎだよ。順を追って説明するね。まずね……」


 涙を拭いながらリッタが経緯を説明する。

 リッタの話しによると、僕の『ミラクリア』によってあの魔族たちは動けない状態にまでなったらしく、片方の悪魔、おそらくカリゼが僕に刀を投げつけたと言う。

 そして僕が気絶してからすぐに王国騎士団が駆けつけて来て、魔族を捕らえて行ったそうだ。レーブンの時の噂が王都の方にも届いていたらしい。結構な人数で来ていたとか。

 僕はというと、あの少女に連れられて彼女の村であるここに運ばれて、応急手当てを受けていたらしく、もう傷は完治している。と言うことだった。

 ちなみに、あの時リッタが戻って来たのは、僕の『ライトボルグ』が闇に呑まれてるのが遠くに見えたから心配になったかららしい。

 本当に心配をかけたな……。


「心配かけてごめんね……」

「ううん、生きててくれたからそれでいいの」


 僕のその一言に、リッタは笑顔でそう言ってくれた。ほんとにごめんね、リッタ。

 彼女の説明が終わると、少女が僕に話しかけてきた。


「本当にありがとうございます! コノハさんが来なければわたしは殺されていました。それに大きな怪我までさせてしまって……なんてお詫びすれば……」

「いやいや、そんなに気にしなくていいよ。結局完治してるんだし。リッタと君が無事でよかったよ! それに、君がここに連れて来てくれなかったら、僕は死んでただろうし」


 いやー、ほんとに良かった! 僕も大怪我したけど結果的には死ななかったし、2人には全く怪我がないし、一番良い結果になった。


「でももうあんな無茶しちゃダメ‼︎ 相手は悪魔だったんだよ? 今回はしょうがないけど、もうダメだからね? わかった?」

「うん……気をつけるよ……」


 覇気を纏って迫るリッタに僕はそう返した。

 リッタを守ることを第一に考えてたけど、それじゃあいけないのかもな。僕が死んでリッタだけが生き残ってもなにも変わらない。リッタを守り抜くと言うよりも、リッタを一人にしないのほうが合ってる気がする。とにかくこれからはもっと気をつけないとな。

 またあんなに泣かせる訳にはいかないし……。


 それにしても、分からないことが多すぎる。

 大きく分けて3つだ。

 1つは、発現した魔力のこと。ルナの言う通り僕の気持ち、意思で発現はした。魔力自体について僕はほとんどわかっていない。魔を滅するって頭に流れ込んできたのは覚えてても、それであの魔族を倒せるとは思えない。


 2つ目はその悪魔についてだ。

 騎士団の最小隊でやっとのはずの悪魔を2人も倒せるはずがない。僕のうった聖魔法は足止めぐらいにしかならないはずなのに……。僕が気絶してからすぐに彼等も倒れたらしいのだ。騎士団が来ることはまだ分かるけども、悪魔が倒れた理由が分からなかった。


 3つ目は僕自身だ。たしかにあの時僕は即死級の傷を負ったはずだった。なのに生きている。丸2日昏睡状態だったことはリッタから聞かされていたけど、何故生きているのかが不思議でしょうがない。

 正直これが一番の疑問だ。

 もしかして、神さまが何かしてくれたのかな? そんなことはないか……。

 こればかりは僕が考えていても分かるものじゃない。魔法と魔族に詳しい人に聞くしかないな。まぁ身近にはルナしかいないんだけどね。彼女も次いつ来るのか……来た時に聞けばいいや。


 という事で寝ていた宿? いや民家だな……をでて、村を探検してみようと思う。もちろんリッタと少女も一緒にだ。

 そういえば大事なことを聞いていなかったな。少女の名前とこの村のことだ。先に聞いておこう。と僕が見つめていたことで、彼女も気がついたようだった。


「まだ名前を言っていませんでした。わたしは、ユシア・シナ・リトレイナ。精霊族です。ここはわたしたち精霊の村で、特殊な結界によって外界から切り離れているので、とても安全なのです!」

「そっか、ユシアって言うのか。それじゃ僕も改めて。僕は心葉。三波心葉。心葉って呼んで。お互い緩くいこう」

「そうですね。じゃあコノハ、と。私のことはゆぅと呼んでください。親しい人にはそう呼ばれるので」

「私もそう呼んでいい?」

「もちろんなのです!」

「良かった! 改めてよろしくね、ゆぅ!」

「よろしく、ゆぅ」

「よろしくお願いします、コノハ、リッタ!」


 これでやっと自己紹介が済んだ。ユシア、、ゆぅは精霊族だったんだな。なんだかとても珍しい感じがする。今までに見たことないからかな?

 だけどここも精霊の村と言われるとピンとくるよ。窓から見える大木がとても暖かく優しい光を放っている。それがとても精霊の村という感じがする。空気も清々しくて、すごく過ごしやすい。ゆぅに感謝しよう。


「それでは行きましょう!」

「おー! レッツゴー‼︎」

「おー!」


 おいおい2番目の人……リッタだけど……テンション高い! ま、僕も大概かな……。

 という事で、3人で村探検だ。実際にはゆぅに案内してもらうだけなんだけどね。精霊の村というからには、なにか面白いもやがあるだろう。とってもワクワクする。

 さぁ、出発だ!

お読み下さりありがとうございます!

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