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異世界の常識破壊者【オーバーブレイカー】  作者: しまらぎ
二章 〜襲来を超えて〜
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『そして彼はまた眠りにつく』

 

 あたり一面が光に包まれる。

 途轍もない光でなにも見えない。閃光玉を喰らったかのようなそれぐらい大きく強い光。そして、その光が弾けるようにして消える。


 何も……起きていない? と思ったその時、 パリンッ という音と共に剣にかかっていた魔力と、あの巨大な闇の塊が消し飛んだ。


「なッ!」


 これは魔族たちも想定外だったらしい。驚いて固まってしまっている。


 急に頭に浮かんだ単語『パニッシュ』、その意は罪を罰すること。僕には分かる。今目覚めたこの魔力のことが事細かに頭に流れ込んでくる。

『パニッシュ』を発動すると、対象の魔力を分解、消滅させることが出来る。

 その能力によって、魔族の持つ剣から魔力がかき消されたっぽいな。魔法が戦闘の大半を占めるこの世界では、案外最強の能力なんじゃないかな、この魔力!


「クソッ、なんだこれは⁉︎」

「魔力が破壊された……だと? クッ、貴様ァ、一体何をした⁉︎」


 っとそうだったーーーー‼︎

 戦況なんも変わってないじゃん! 目覚めた魔力はすごいよ? でも攻撃系じゃないって……。僕の意思は一体なんだったんだよ!

 うぅ、やっぱり魔法で対抗するしかないのか。魔族は闇の種族、聖属性の攻撃が有効だ! ルナに教えてもらっ上級魔法、一か八か、成功するかは分からない。でも成功させてやる! 今の僕になら出来る!ぶっ放してやる!


「聖なる光よ、魔を滅する光よ、この魔に染まりし者共を浄化せよ!『ミラクリア』」


 シャーーーーーン!! と音を立てて聖なる光が彼等を飲み込む。リッタはさっき叫んだ時にカリゼに睨まれてまた少し遠くに逃げてたため範囲外だ。


「「グ、グアァアァ」」


 悪魔の呻き声が聞こえる。

 だがこんな攻撃で倒れるほど甘くないことぐらいわかっている。逃げるのなら今のうちしかない。いくら悪魔でも1分は動けないだろ。

 まずい、もう光が消えかけてる。早く逃げないと。

 僕は彼女たちの元へ走りだす。が、そのときだった。


 ヒューーーーー、、、、ズザッ……。


「うっ⁉︎ …………あぁ……」


 ドサッ……。


「心葉あぁぁぁ!!」



 ぬかったな、僕。リッタの叫び声が聞こえる。

 消えかけた光の中から刀が飛んで来たのだ。その刀が僕のお腹の中心を貫通している。前が暗くて何も見えない。

 この世界に来てから、いや来る前から数えて何回目だろう? 目の前が真っ暗になって何もみえなくなるのは……。

 もう……終わりだ。死ぬ……ん……だな………。


 僕の意識はそのままどこかへと消えていってしまった。


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