第5話「ミアの過去」
ドラクエ最新作楽しんでた筆者です。
なかなか納得出来るものが書けなくて四苦八苦してました。
書き直すかもしれません。
城下町から城に帰った俺とイリス。帰るとすぐに食事に呼ばれた。その時にミアにも腕輪を渡そうとしたが残念ながら居なかった。なんでも溜まっている聖女の仕事を片付けている最中らしい。俺とイリスとリントで食べた。食事を終え自分の部屋に戻ろうとすると、
「ノルイ君とイリス君は教皇様の所へ行ってもらえるかな?なんでも大切な話があるとか。」
リントが教皇からの呼び出しを告げる。何の話だろうか、教皇には会いたくないのだが。
「はぁ…嫌なんだよな、偉い人に会うのは。仕方ないイリス行くぞ。」
「同感だ。偉い人に会うのは嫌だ。」
二人揃って愚痴をいいながら城内にある大聖堂へと歩いていく。大聖堂に入り、入口のシスターに声をかけると教皇の部屋へと案内された。
「ノルイ=ピットとイリス=スラスター参上しました。」
「ノルイ君とイリス君か。入りたまえ。」
俺とイリスは部屋の中に入る。部屋の中は質素なものだった。必要最低限の物以外がない。
「そこのソファーに掛けてくれ。」
教皇に促されソファーに座る。
「教皇様、何のご要件でしょうか。」
イリスが教皇に尋ねる。
「私も急がしい身でね。単刀直入に言わせてもらう。聖女、ミアの事だよ。」
「結婚の事ですか。なにか不都合な事が起こりました?私自身唐突すぎるような気もしますし…」
「違うんだ。結婚については私も賛成だ。世の中にはお見合いや政略結婚もある。私は結婚するのに時間なんて関係ないと思うがね。しかも『無名の冒険者』が相手なんだからな。」
「どこでそれを?」
あまり過去の事を喋られるのは好きじゃない。確かに昔旅をしていた時に『無名の冒険者』と噂された事はあるが。
「……っ!申し訳ない、あの時に礼も言えずに去っただろう。礼の一つでも言いたいと思い探していたんだ。あの時はありがとう。」
横を見てみるとイリスがジト目でこちらを見ている。これは「後でどういう事か説明してもらおう」という目線だ。
「今はその話じゃないでしょう?ミアの話ですよね。」
俺は教皇の方へ向き直し、話を進めようとする。昔話をしていい話は出てこないからな。
「あぁ…ミアの生い立ちの話なんだ。ミアは元々伯爵家の妾の子でな。しかもよくある話なのだが貴族の権力を悪用して無理やり妾にしたらしいのだ。そして、子供が出来ると直ぐに少しのお金を持たせて追い出した。そして産まれたのが…」
「ミアだったと?」
教皇は無言で頷く。
「私が司教だった時だ。私が掃除しようと外に出ると、教会の前に衰弱しきった母親が産まれたばかりのミアを抱いて立っていてね。『この子をお願いします。』と。」
「母親は?」
「その後懸命に治療はしたんだが…手遅れだった。」
俺とイリスは思いもしなかった事実に出てくる言葉が無かった。俺達の様子を見て教皇は話を続ける。
「私と妻でミアを私たちの子として育てる事にしたんだ。するとミアが15歳の時だったかな?ミアに聖女の才能が開花してな。私と妻も大喜びしたものだ。しかし、なぜかこの事が伯爵家に伝わって『私の娘が世話になった金は払うから返してくれ』と言ってきてな。恩賞の儀の時に出てきたレポス伯爵がその人だ。君を暗殺しよう画策しててもおかしくない。その事を伝えたくてね。」
俺もイリスもまだ言葉が出てこない。あれだけ気丈に振舞っているミアにこんな過去があったなんて。恩賞の儀の時に厳しい言葉と目線を伯爵に投げかけていたのはこんな理由があったからなのか。
「あぁ、それともう一つ。君たちの結婚指輪なんだが、特殊でね。日常生活が不便にならない程度に異性との触れ合いを禁じられる事になる。聖職者との結婚はそういう縛りがある。すまないがそこは留意しておいてくれ。」
俺としては他の『新しい』女に手を出すつもりはないから良いのだが一つだけ不都合な事がある。
「すみませんが、それは…」
「大丈夫だ、君の言おうとしてる事は分かっている。ちゃんと考えているから問題ない。」
「そうですか。ならいいです。」
おそらく、調べられた時に知ったのだろう。俺がなぜ旅をしているのか、その理由を。
「時間を取らせてすまなかった。ミアの事よろしく頼む。」
教皇が頭を下げる。イリスがどうしたらいいのかとオロオロしている。
「任せてください。」
そう言って、俺は部屋を後にする。イリスも慌ててついてきた。
「なぁ?」
しばらく無言のまま歩いているとイリスが喋りかけてきた。
「なんだ?」
「ノルイが『無名の冒険者』ってどういう事だ。自分だって名乗り出れば一生遊んで暮らせるような恩賞だって出るだろ?今回の恩賞以上がいくつも。なのになぜ黙っている。」
「今、その話はしたくない。また時期が来れば話す。」
「どういう事だよ。話してくれよ。」
「出会って5ヶ月なんだ。まだ信用しきってるわけじゃない。正直、結婚だって信じられないんだよ。」
「そ、それは…」
イリスが悲しそうに俯く。出会って5ヶ月なのに本当にいいのだろうか?いささか、結婚とは早すぎるんじゃないか。こんなに美人な2人と結婚するのは俺としては嬉しい。でも疑問が残る。
「心配するな。また話すよ。」
「や、約束だからな!」
その後しつこく何回もイリスが言ってきたので自分が言ったことを後悔した。よくよく聞いてみると、今回の結婚についてイリスとミアは自分たちの都合を押し付けており俺の気持ちを蔑ろにしていると深く悩んだらしい。しかし、新しく旅に出るであろう俺に付いていく事は出来ない。苦渋の決断だったらしい。
「ノルイの気持ちを知りたい。断るなら断ってくれても構わん。ワガママ言ってるのは良くわかっている。」
「あぁ。また2人が揃った時に話そう。」
この空気から早く逃げ出したかった俺はミアに会いに行くと言って別れた。
「はぁ…どうしたらいいんだろうなぁ…」
窓の外の綺麗な夜空を見上げながらそう考えるのだった。