なんて運が悪い日だ
うーん、攻撃の攻撃が激しい、でも救護班の帰路を確保しないと恋ちゃんが危ない。
ここで戦力を分けるのは厳しいかな・・・あ、1つ方法があるじゃん。
こっちの指揮の方は人手が足りてるし、私が行けば大丈夫なんじゃないかな?
とりあえず、聞いてみようか、黙って出てったら怒られそうだし。
「あの、ここの人手は足りてますし、私は恋ちゃんを助けに行って良いですか?」
「ふむ、そういえば彼女は君の知り合いだったな、まぁ、良いだろう、救護班の帰路は確保したいしな」
「はい、では、後はお願いします」
何とかなった、うん、物わかりがいい人でよかったよ。
今以上に恋ちゃんが酷い目に遭ったら大変だからね。
あ、そうだ、一応恋ちゃんに連絡しておこうかな。
「恋ちゃん、私もそっちに行くね」
{さ・・や・・こな・}
「へ? 何? 聞えないよ」
{あう!}
最後に恋ちゃんの小さな叫び声が聞えて無線が切れた、まさか何かあったんじゃ!
急がないと恋ちゃんが・・・
「そこ! 急いでこれだして!」
「しかし、これは緊急用のミームでして」
「今が緊急! 早く出して!」
「は、はい!」
救護班が足止めを食らっている場所は確か戦闘が苛烈な中間地点。
丁度私達の同盟国とオーブ国の本体がぶつかっている地点。
救護班も多少は戦えるけど、そこまで高い戦闘能力は無い。
それに、さっきの無線では、大きな物音も、叫び声も聞えなかったし、的の数は少ない。
だから敵部隊に襲撃された可能性は低い、だとすると、魔物の可能性もある。
でも、いくらそこまで戦えないとは言え、魔物に負けるほど救護班は柔じゃない。
「もしかして、少数部隊?」
その可能性がかなり濃厚になって来ている、とにかく急いで確認しないと。
速く、急げ、最悪の場合を回避する為にも・・・
何だかその間がかなり長く感じた、そして、ようやく推測場所にたどり着けた。
「ここだ、ありがとう! じゃあ!」
「は、はい・・・」
確かここら辺だったはず、救護班が足止めを食らっていたのは、でも、戦闘の痕跡は無いし・・・
そして、私が周囲を見渡していると、大きな音が聞えてきた。
「こっち!」
私は出来るだけ音を出さずに、ゆっくりとその音が聞えた場所に進んだ。
すると、そこにはボロボロになった救護班の人達と、女の人に左手を押えられて
殺されそうな恋ちゃんがいた。
「ぐぅ・・・」
「自慢の盾も腕を封じられたら無意味ね」
「こんな、の・・・」
「死ね、エルドナード様にたてつくカスめ」
「てりゃぁ!」
「ぐ!」
私は何とかその女の人に接近して、槍で刺した。
あと少し遅れてたら恋ちゃんが死んでた、危ないところだったよ・・・
「恋ちゃん、もう大丈夫だよ」
「うぅ・・・咲? あぁ、まさかお前にも助けてもらうなんて・・・」
「じゃあ、早く帰ろう、救護班の人達も連れて」
「・・・帰れると思ってるの? あたいにこんな真似をしてさ」
後ろから声が聞えて、振り向いてみると、さっきの女の人が立っていた。
確かに刺したのに、なんで? いや、考えてる暇はない、戦わないと。
「さっき刺したのに・・・」
「あの程度で死ぬ物か」
そう言うと、女の人は鞭のような武器を取り出した。
「鞭?」
「珍しいでしょ? あたいの武器は鞭だ」
「気をつけろ、あ、あいつ、は、鞭の他に、ナイフ、持ってる」
「ナイフ?」
「そうだ」
そして、女の人はナイフを3本くらい私に見せた。
「鞭で人を殺すのはしんどいんだ、だからいつも携帯してるのさ!」
女の人が私に向かって1本ナイフを投げてきた。
「うわ!」
焦ったけど、何とかそのナイフを弾くことが出来た、こんな時、盾とかだったら楽なのかな。
「そら!」
「あ、くぅ・・・」
そして、今度は鞭を私の槍に括り付け、動けないようにしてきた。
「そして、これよ、死になさいな」
更にその状態で私にナイフを投げてきた、このままだと駄目だ。
こ、こうなったら、痛いだろうけど、死ぬよりはマシだよ。
私はそのナイフを右手で防いだ。
「う、痛い・・・」
「そんな手を、毒でも塗ってたらよかったわ」
「あはは、後悔してよね」
そして、私は右手で槍を持ち、右手に刺さったナイフを抜き、女の人の鞭を斬った。
「あっと、中々やるのね」
「これでも傭兵部だよ? 戦いには慣れてるんだよ」
と言っても、本当はそこまで戦ってないんだけどね。
法助達が戦ってるのを見るのはよくあるけど。
「そう、じゃあ、これは?」
女の人は今度は直接私に鞭で攻撃を仕掛けてきた、それを回避するとナイフが飛んできた。
「それ」
私はそのナイフを槍で叩き落とした、こういうテクニックは頑張ったからね。
「落とされたか、やはり少しは出来るようだな」
この人の攻撃範囲が広い、下手に近寄ったら鞭で殴られちゃう。
でも、近寄らないと攻撃出来ない・・・じゃあ、勝負に出よう。
私はさっき叩き落としたナイフを拾った。
「今度はこっちの番だ」
「ナイフを拾ってどうするの? あたいに返してくれるの?」
「うん、返してあげるよ、ちゃんとキャッチしてよね!」
私はナイフを同時に2本女の人の方に投げた、それと同時に槍を前に構えて突撃した。
「正面からね、無駄よ」
そして、女の人は私を迎撃するために鞭を振って攻撃してきた。
その時に左のナイフをはじき飛ばし、右のナイフを回避するために左に移動。
頭が良い、でも、それは想定していた事。
「えへへ、ナイフはもう1本あるよ」
私はもう1本拾っておいたナイフを取り出し、左の方に出した。
そして、そのナイフに女の人の鞭は当たり、ナイフはその鞭を斬った。
「な!」
「さぁ! 今度こそ!」
私は女の人に接近し、槍で思いっきりお腹を突いた。
今度こそ、今度こそ絶対に倒した。
「ガフ・・・」
「はぁ、はぁ、どう? 今度こそ倒したよ?」
「あ、まく、見てた・・・だが、切り札は最後に使う物だ」
そう言い、女の人は何かを引き抜いた。
「貴様も道連れだ、月原 咲!」
「まさか、爆だ」
「この!」
目の前が真っ白になった、強力な爆発、死んだ、そう思った。
だけど、私は生きてた、何でか知らないけど生きてた。
「けふ・・・借りは、返せたな」
「恋ちゃん!」
恋ちゃんが私を庇ってくれたみたいだった。
あの爆発を自分の盾で、その盾はかなりボロボロになっていた。
「恋ちゃん! しっかりして! ねぇ! 死なないでよ!」
「けふ・・・まだ、死なないって・・・ただ、腕がすごく痛いだけで・・・」
「とにかく、急いで基地に行かないと!」
「あぁ・・・そうしてくれ・・・でも、今日の、私は、すごく、運が悪いし、どう、かな?」
「本当に運が悪かったらもう死んでるよ!」
私は急いで救護班の人達を起こし、緊急用のミームがあった場所に戻った。
「大丈夫ですか!?」
「急いで基地に戻って! 速く!」
「分かりました!」
私達は急いで基地に戻った。
そして、何とか恋ちゃんを救急室に送ることが出来た。
恋ちゃん・・・どうか、無事でいてね。




