決戦、恋VSテット
今日はなんて運が悪い日だろう、折角兄貴の役に立てるチャンスだったのに
それなのに攻撃を受けて、相性が悪い相手と戦うなんて。
「さぁ、礼儀を教えよう」
「要らないっていってるだろ!」
「そうか、あの世の閻魔様に会ったときの話し方を教えようとしてやろうとしているのにな」
「何? ここで私が死ぬと? 甘く見ないで欲しいね」
「そのザマでよく言えるな」
男はそう言うと大剣を下に降ろして一気に走ってきた。
あんな大きな物を持ってるのに、どんな筋肉してるんだよ。
でも、対策はある、あの持ち方なら私に接近したときの攻撃は多分一択だ
「おら!」
男は私に接近すると、一気に切り上げで攻撃を仕掛けてきた、予想通りだ。
私はジャンプして、盾を下に向けて、防いだ。
「無駄だ!」
「おわ!」
私は真上に吹き飛ばされた、でも、これでいい、時間は稼げる。
「これで死ね」
そう言うと男は私の落下地点の真下に立ち、剣を上に突き上げている。
これは落ちてきたところを刺そうと言う作戦だろう、でも、空中でも多少は動ける。
「馬鹿が! そういうのは、刺せる範囲に入ってから突き上げるもんだ!」
「な!」
私はその大剣を少しだけ体を動かして回避した。
「食らえ!」
「がは!」
私は落ちる勢いを上手く利用して男の頭を盾で思いっきり殴った。
1度だけ兄貴に教わった事がある方法だ、昔テレビで吹き飛ばされて刺されるアニメがあった
その時に私は兄貴に兄貴だったらこう言うときどうする? と聞いたら回避して殴ると返ってきた。
まさかあんな些細な会話でこの状況を打開する手を考えれるとは思わなかった。
「痛たぁ」
でも、流石に殴った後に体勢を立て直して着地、なんてことは出来ず、私は地面に背中から落ちた。
かなり痛い、まぁ、大剣で串刺しにされるよりは何倍も良いけど。
「はぁ、結構あっけなかったな」
これでこいつとの戦いは終わったと思った、しかし。
「き、貴様ぁ! よくも、よくもこの俺に!」
「マジで!? 普通に気絶してくれよ!」
男はゆっくりと立ち上がった、落ちるスピードをもろに使って殴ったのに!
何で? あぁ、腕もさっき殴った衝撃で痛いし、もう! 最悪だ!
「貴様ぁ! 絶対に殺す! 絶対にだ!」
「こ、子ども相手にムキになるなよ!」
「ぬおぉ!!」
男は鬼のような形相で私の方に走ってきた、間違いなくさっきより攻撃力が上がってそうだ。
こんな奴の攻撃を盾で防いだら、私の腕が大変なことになる気がする!
「ふん!」
「うわ!」
私は何とかその剣を回避することが出来た、そして、その大剣は私の後ろにあった太い木を一撃で
切り倒した、こんなの防げない! ここは回避を優先しないと!
「うらぁ!」
「わぁ! ちょ! あぅ!」
何度も連続で飛んでくる攻撃、今はまだ回避が出来ているけど、こんなのずっと回避できない!
こ、こういうとき、兄貴ならどうする? 逃げる? 攻撃する? どうやって?
あぁ、もう! 分からない! 難しすぎるって!
「ぬん!」
考え事をしていると、男が一気に間合いを詰めて攻撃してきた!
この攻撃は避けられない!
「しま、きゃーー!!」
私は何とか盾で防いだけど、その衝撃で腕が動かなくなって、近くの壁まで飛ばされた。
すごく痛い、周りが若干かすんで見える・・・うぅ、そんな中でも男の姿は見えた。
「今度こそ、今度こそだ、殺してやるぞ」
ゆっくりとそんな言葉を呟きながら近寄ってくる、最悪だよ、お兄ちゃん、助けて・・・
私はこの状況でお兄ちゃんの事を思い出していた、走馬燈みたいに。
その中で前お兄ちゃんが言っていたような言葉を思い出した。
【もしもとんでもない力の奴が居たらどうするか?】
【そういうとき、どうする?】
【そうだな、そいつが脳筋ならその力を逆に利用するかな】
この一言だ、そいつが脳筋ならその力を逆に利用する、まさに今がそのチャンスだ。
相手は頭に血が上ってる、そして、後ろには大きな壁。
「ぐ、ぐぅ・・・」
「まだ動けるか、まぁいい、そんな状態では動けないだろう、死ね」
男は私に向かって真っ直ぐ縦に攻撃をしてきた。
私は決死の覚悟で足を動かし、ギリギリで回避することが出来た。
「やった!」
「何!」
男の大剣は私には当らず、私の後ろの壁に当った、その結果、その刃は折れ。
「ガフ・・・」
男の腹部に刺さった、私は背が低いし、もしも縦に振った刀が壁に当り、折れたらそうなるのは当然。
「ぐ、こ、殺し、てやる、ぞ」
男はそんな状況でもゆっくりとゆっくりとこっちに近寄ってきた。
「うぅ、も、もう動けないのに・・・」
しかし、男は私にたどり着くことも無く、口から血を出して倒れた。
私は何とか生き残ることが出来たんだ・・・
「はぁ、はぁ、よ、よかった、うぅ・・・痛い・・・あ、そうだ先生を助けにいかないと」
だけど、そう思ってすぐ、先生が上の崖から降りてきた、かなりボロボロだけど。
「恋ちゃん、大丈夫、では無さそうですね」
「せ、せん、せい、こそ、かなりボロボロで」
先生は何カ所に弾丸を受けているようだった。
「まぁ、大丈夫ですよ」
先生は携帯していた医療道具で私を治療してくれた。
「さぁ、これで大丈夫でしょう・・・さて、早く法助君達の援護にいきたいのですけど
この状態では無理ですね、仕方ありません、咲さんに連絡しますか」
先生は咲連絡しようと試みた、すると咲の声が聞えてきた。
{よかった! 通じた!}
「咲さん、どうかしたんですか?」
{どうも何も、今まで連絡してたのに応答が無いから何があったのかと}
「・・・法助君達には繋がらないのですか?」
{はい、全く、一切返答が無くて、もしかして中で何かあったとかじゃぁ・・・}
「・・・そうですか、では、私もいきましょう、でも、その前に救護班をお願いします」
{やっぱり怪我を? 分かりました、手配しますね}
「では」
そして、先生は救護班が来るまでずっと私のそばに居てくれた。
かなり焦っている様な表情だったけど、それでも私を優先してくれた。
嬉しいんだけど、兄貴達が大変なことになってるかもって状況で何も出来ないのは悔しい。
何度も私は良いからって言っても、先生は私から離れようとしなかった、そして、救護班が来て
私を預けると、先生はすごい勢いで敵の基地の方に走っていった。
もう、私に出来るのは兄貴達の無事を祈ることだけだ・・・クソ、やっぱり今日は運が悪い!




