少し、緩めの体育科目
俺達は先生が指導する体育の授業を始めた、先生が指導する体育の授業はかなり鬼畜で
多分、ルーン国でも3本の指に入るくらいの厳しい物だ。
それをジュエル国で初めて行うことになった。
俺達に最初に課せられた課題はグラウンド10周という温い物だった。
「ふぅ、少し汗かいたぜ」
「そうね、ま、他はまだやってるみたいだけど」
俺と燐はもう他のメンバーに5周位差をつけて、10周した。
因みに咲は後2周、恋は後1周、その他大勢は後5周、リリーと恵美は後6周って所だ。
「それにしても、随分腑抜けてるわね、まだ5周なのにバテるなんて」
「だな、いやぁ、しかし、グラウンド50周は良い思い出だ」
「そうよね、でも、私はその後の重たい武器を1,000回振った方が印象にあるわ
あの時が初めてよ、武器を思いっきり振ったの」
武器の素振り1,000回は普通の真剣よりも2倍ほどの武器を振ったんだっけ。
それも男女同じで、その生徒の武器が何であろうが同じだ。
遠距離系や軽い武器とかの奴は苦労しただろうな。
まぁ、その段階に行けたのは確か10人位だったか、後はグラウンド50周でぶっ倒れてたし。
「それにしても、あなたは何でも無い顔で1,000回振ったわね」
「俺は色んな武器を扱えるんだぞ?クソ重い大剣でも扱える」
「本当思うけど、あなたって化け物よね」
「この力を手に入れたときの特典じゃね?」
「とんでも能力に更に特典とか冗談じゃないわ」
「はぁ、はぁ、疲れた」
俺達が会話をしている最中に恋が10周を終えて戻ってきた。
結構疲れている様だが、まだ余裕があるみたいだ。
「こんなの、普通準備運動でするか?完全に持久走じゃないか」
「?たった10周で何言ってんの?」
「あぁ、忘れてたよ、兄貴達は化け物だったな」
「じゃあ、あなたもその部類じゃないの?もう息が整ってきてるし」
「それなりにスタミナ回復スピードには自信があるからな」
まぁ、恋は小学生離れした能力だからな。
中学でも高校生でも俺以外に恋の守りは破れない。
先生は知らないけど、まぁ、あの人なら、すんなり突破しそうだな。
「これでも最強の盾って言われてるんだ、柔な奴と一緒にしないで欲しいね」
「そういえば弾丸も結構跳ね返してたな、何発か足に受けてたけど」
「流石にあの数は卑怯だ、まぁ、自由に動けたら防げただろうけど」
「結構制限されてたからな」
あんな状況だと、壁に隠れたりして回避するのが普通だが、状況が状況だ。
完全に不意打ち、更に俺と咲が居る状況であの弾幕は無理だろうな。
「ひぃ、ひぃ、し、しんどいよぉ」
「あぁ、咲も終わったのね」
少しすると咲がひぃひぃ良いながらこっちに来た。
汗の量はかなりの物で、足が少しガクついてる。
「うぅ・・・50周に比べれば10周なんて楽だとおっ持ったけど、そうでもないね」
「いや、実際50周よりは楽だろ、何十倍も」
事実、50周を走り切れたのは、10人だけだしな。
全校生徒全部を合わせて、たった10人、かなり少ないのが分かる。
「皆さん、ギブアップをありにしまよ!」
「本当ですか!じゃ、ギブで!」
先生がギブアップを解禁した、するとほぼ同時に沢山の生徒がギブアップを宣言した。
ただ、そんな中でも、恵美とリリーは走っていた。
「にしても、あの先生がギブアップありだなんて、かなり優しいわね」
「そうだよね、あの時はギブアップ無しだったし、ぶっ倒れるまで走りなさい!
て言われたときはビックリしたよ」
大半の奴がギブアップを宣言し、殆どが休んでいる。
記録は5周程度か、もう少し頑張れば良いのに。
「それにしても、あの2人はかなりバテバテなのに頑張ってるわね」
「根性あるね、流石は傭兵部の部員!」
「リリーは違うだろ」
俺達は少しだけ2人に近付いてみた。
ただ、2人は走るのに必死で気付いてないみたいだけどな。
「はぁ、はぁ!ぜ、絶対、10周、はしるん、だから!」
「こ、こんなんじゃ、せ、先輩達の、足を、引っ張っちゃう!」
2人は一切ギブアップをするなんて気持ちは無いようだ。
たいした根性だな、ふむ、流石だぜ。
「・・・頑張ってるわね」
「うん、恵美ちゃんは分かってたけど、リリーちゃんがここまで頑張るのは意外だったよ」
2人が完走するまで、結構な時間は掛かったが、それでも2人は必死に走り
無事にグラウンド10周を走りきった。
「ひぃ、ひぃ、お、お水、飲みたいです・・・」
「はい、お水よ」
「「あ、ありがとうございます!」」ゴク!ゴク!ゴク!
「2人とも、よく頑張ったわね、すんなりギブアップしたヘタレな子達にも見習って欲しいわ」
悪意も無く、すんなりとギブアップを宣言した子達に鋭い刃を突き刺す先生。
もしかして、ギブアップを解禁した理由は、生徒達の根性を計るためなのかもな。
もしそうなら、必死に頑張った奴らは合格って事か。
となると、合格したのは俺達を除いて、たった5人か。
「それでは、次です、次は簡単ですよ、素振りを1,000回です」
「1,000回!!」
周りの生徒達は思いっきり驚いた、まぁ、1,000回ってあと1時間で出来るのか?
「はい、これが素振り用ですよ」
先生はそう言うと俺達全員に素振り用の武器を渡してきた。
それは真剣よりもやや軽めの武器だった。
「あれ?結構軽いですね、これなら1,000回くらいすぐじゃ無いですか?」
「前のあれは少しやりすぎましたからね、流石に真剣の2倍はやり過ぎました」
先生のその言葉に周囲の生徒達はやっぱり驚愕している。
まぁ、真剣の2倍は、実際の負担は何倍にもなるからな。
重さが少しだけ変わるだけで相当なのに、それを真剣、なおかつそれの2倍じゃあね。
「よし、やるか」
「だな、ちゃっちゃと終わらせよう」
俺と恋は結構な勢いで剣を振った。
俺はこれでも結構素振りはしている、まぁ、誰もいないところでだが。
だから、素振りを1,000回程度はなんてことも無い。
「うし、1,000回終わり」
「やっぱり、速いわね」
「素振りは日課なんだ」
それから、少しして、今度は恋が素振りを1,000回し終えた。
普段重たい盾を使ってるだけあって、素振りも楽そうだ。
「グラウンド10周の方が間違いなくしんどいな」
「だよな」
それから少しして、燐が、更に少しして咲が、それからしばらくして
他の生徒達がヘトヘトになりながら1,000回の素振りを終えた。
「はぁ、はぁ、素振りって、しんどいです!」
「絶対に1,000回やって見せます!はぁ、はぁ」
あの2人はそこまで速くは無かったが、無事にやり終えた。
2人とも根性は本物だ、意外と将来が楽しみだな。
こうして、俺達のジュエル国での最初の授業は終わった。
そして、何故か俺は他の生徒に憧れの視線を受けることになった。
俺、何か特別な事したっけ?まぁ、悪い気はしないけどな。




