あなたが武器を取った理由は?
特別授業が始まって、1つ目の問題を解くことが出来た。
次の問題はこのような内容だった。
この世界における、初めての家、その家は今も残っている、それはこの場所でも同じです。
さぁ、その家の中で、人類の最初の友の場所を探せ、そこに次の問題を置いております。
「・・・初めての家?なんだそれ」
「ふーむ、まぁ、最初の家がなんなのかは何となく分かるわ」
「なんなんだ?」
「家は住む場所よ、と言うことは」
「あぁ!そうか!恐竜の巣だな!」
「そんなのが残ってるわけ無いでしょ!」ペシ
燐に軽く叩かれちまった、うーん、何がおかしいんだ?
普通に考えて最初の家なんて恐竜の巣だろうに。
「何も叩く必要は無いだろうに」
「あなたがふざけた事を言うからでしょ?」
「いや、ふざけてないぞ?あぁ、そうか、海だな!」
「それも違うわ」
あぁ、そういえば海って全ての生物の母だっけ。
そう考えると、海は違うよな、それに、海なんてこの地図には書いてないし。
「じゃあ、なんなんだ?俺には分からないぞ?」
「あのね、家って言うのは雨風が凌げる場所よ?恐竜の巣は雨風凌げないでしょ?
まぁ、何体かはこの問題の答えの場所に住んでたかもしれないけど」
「ん?」
俺はよく分からなかった。
あまり昔の事は知らないし。
「法助、あの問題には人類って書いてあったでしょ?」
「あぁ、そうだったな」
「と言うことはよ、人類にとって最初の家って事よ?」
「ふむ、ふむ」
雨風が凌げて、人類にとって最初の家か・・・
「うーん、もしかして洞窟とかか?」
「その通りよ!人類の最初、つまり猿人の時代でしょう」
「猿じゃ無いのか?」
「あの時は、まだ猿でしょ?人間では無いわ」
「ふーん」
「まぁ、目的地は決まったわね、さっさと洞窟に行きましょうか」
「だな」
ここにある洞窟は1カ所だけだ。
俺達はその場所に進むことにした。
そうして、俺達はその地図の洞窟に着いた。
そこには沢山の兵士達が待っていた。
「・・・これは?」
「さぁ、分かりません、ですが、紀美さんに言われた以上、戦わせてもらいます」
「俺達は2人だけだぞ?」
「あなた方なら2対20でも行けますよね?」
「いや、行けるだろうけど」
「それと、これが武器です」
俺は兵士が渡してきた木刀、燐はゴム弾の銃火器だった。
これで20人も相手しないと行けないのか。
「それと、あの、痛いのは嫌なので、手加減はお願いします」
「兵士が痛いのを怖がるなよ」
「私は女の子ですよ?痛いのは怖いに決まってますよ」
「なら、兵士になるなよ」
「それは・・・まぁ、良いじゃないですか、さぁ!勝負!」
「・・・何?これが体育の授業なわけ?先生、強引すぎるんじゃあ・・・」
「先生だからな、仕方ないだろう」ス
「そうね」チャ
俺達は戦闘態勢を取った、しかし、この武器で同時に20か。
はぁ、しんどそうだ、手加減できるか?
「てりゃーー!!」ダダダ!
「はぁ、さて、一気にいくかな、燐、援護よろしく」ダ!
「あなた1人で行けるでしょ?」
「1人はしんどい」カン
「まぁ、そうね」チャ、バン!
俺達は2人で20人同時に戦う事になった訳だが。
体育の授業でまさか20人組み手をすることになるとは・・・
これ、間違いなく中学の体育じゃ無いな、なんたって相手は兵士だぜ?
1人でも普通はあり得ない、たかが授業で兵士が動くわけ無いし。
「全く、普通は授業で兵士と戦う訳は無いのによ!」ドン!
「あの先生だからね、普通の基準が違うんでしょう」バン!
「いや、その、兵士20人を同時に相手にして押しているあなた達の方が異常でしょうに」
「まぁ、これでも戦場経験者だし」
俺等は学生のくせに、もうすでに戦場に3回も赴いている。
・・・ん?4回だっけ?いや、あれは先生が暴れていただけだったな。
魔物のあれは混ぜるのか?混ぜるんだったら5回かな。
「いや、経験者でも20人普通は20人同時は不可能でしょう・・・」
「そうなの?ルーン国の兵士はオーブ国の兵士20人同時でも余裕だったようだけど?」
「ルーン国怖すぎでしょう・・・」
「まぁ、学園で戦闘ランクが上位10人しかなれないからね」
「ルーン国の兵士は限られた人しかなれないんですね」
「あぁ、ほれ」ブン!
「あわわ!」カン!
兵士達は意外と粘った、まぁ、俺は本気じゃ無いんだけどな。
「ぜぇ、ぜぇ、に、20人がかりでも一発も当てられないなんて」
「結構腑抜けてるわね」
「もう少し踏ん張って欲しかったな」
20人も同時に攻めてきて、攻撃が間違って仲間に当ったり、攻め方が下手だったし
これがこの国の正規の兵士だと思うと、この国は大丈夫なのか?と思っちまうな。
「もう少し頑張らないと、この国滅ぶんじゃ無いかしら?」
「そ、そこは皆さんに頼みます」
「あのな、俺等は客人だ、いつまでもここに居られるわけじゃない」
「はい・・・」
「この国を本当の意味で守れるのはお前らだけだ、お前らは国民の為に兵士になったんだろ?」
「はい」
「じゃあ、客人に頼りすぎるな、上を目指せ、常に国民にとっての最大の盾になるように努力しろ」
「・・・」
「まぁ、中学のガキに言われたくは無いだろうがな」
「いえ、その、ありがとうございます、頑張ってみますね」
「そうか」
何で特別授業で協力してくれた兵士に説教垂れてるんだろうな。
まぁ、この兵士の為にもなったかもしれないし、良いかな・・・
「ふーん、あなたはただ強いだけじゃ無いのね」
「ん?まぁ、それなりの気持ちは持ってないと、もしも危機的状況に陥ったときに絶望するからな」
「そう・・・まぁ、そうね、私も少しはそんな気持ちを持った方が良いのかしら」
「そうだな、強くなりたいなら持ってた方が良いと思うぞ、そう言う気持ちが無いと
いざという時に動けなかったり、判断を間違ったりするからな」」
「そうね、私も自分の気持ちを探してみるわ」
「あぁ、探すのが大切だ」
「それもそうね」
燐は少しだけ笑っていた、自然な笑顔って奴だな。
まぁ、珍しいな、さて、さっさと問題を回収しようか。
「で、だ、次だ、問題の答えを探さないとな」
「そうね、人類の最初の友の場所を探さないとね」
しかし、人類の最初の友ってなんだ?
ただ・・・露骨に怪しいオブジェが置いてある。
「・・・露骨に怪しいオブジェがあるんだけど?」
「まるで焚き火の後だな、ここだろ」
「ていうかここ以外に怪しそうな物が無いんだけど?」
「あぁ、ここしか無いな」
俺はその焚き火の後の様な場所を探ってみた、そこには袋に入った問題があった。
問題の内容はこうだった。
これが最後の問題です。
あなたが武器を手に取った理由を考えてみましょう。
一体何の理由があるのですか?
その理由を考え、纏まったなら最初の場所でその理由を話してください。
まぁ、答えは無いかもしれませんけどね。
「・・・ふむ、最後の問題は道徳だな」
「そうね、丁度良いわ、ちょっと真剣に考えましょうか」
「そうだな、まぁ、俺はもう決まってるが」
「まぁ、あんな風に兵士に説教してたくらいだし、当然よね」
「ふ、そうだな、ま、俺は待っとくよ」
「分かったわ、私も出来るだけ速く考えるわ」
燐は目を瞑り、結構集中して考えていた。
そんなに自分の気持ちを探すのは難しいんだろうな。
しばらくして、燐は目を開けた。
「よし、分かったわ、それじゃ、戻りましょうか」
「だな」
俺達は問題の通りに最初の場所に戻った。
そこには先生が椅子に座って待っていた。
「あぁ、来たようですね、流石の速さです」
「それでは最後の問題を答えますね」
「いえ、それはまだ少しだけ待っててください、咲さん達が戻ってくるまで」
もしかして、咲達の方も、最後の問題は同じような物なの?
まぁ、多分そうだろう、あんな内容を俺達だけにってのもあれだしな。
しばらくして咲達が戻ってきた。
「おぉ、もう2人とも戻ってたんだ」
「ぜぇ、ぜぇ、疲れました」
「結構食らってたからな」
帰ってきた3人は少しボロボロだった、まぁ、恵美は少しどころかすごくだが。
きっと、向こうも戦闘があったんだろう、でも、恋は無傷だった、流石は俺の妹だな。
「皆さん、戻ってきましたね、では、最後の問題の答えを聞きます、まずは、咲さんから」
「私が武器を取った理由は、ほ・・・いや、皆のためです」
さっきほっていったが、なんだ?もしかして、さっきまで話したから間違って俺の名前が
出ていたのかもな。
「わかりました、では恵美さんはどうですか?」
「わ、ぜぇ、私が武器を取った理由は誰かを守りたかったからです。
誰かに守られるんじゃ無くって、誰かを守る、そんな人になりたかったからです!」
恵美は力強くそう言った、多分、こいつの武器がすごい勢いで進化している理由は
こいつにこんな気持ちがあったからだろうな。
「良い決心ですね、では、次は恋ちゃん、どうですか?」
「理由は無い、私は偶然この武器になっただけだし・・・でも、強いて言えば
恩人を守るためにこの武器を使っていきたい」
恋があの武器を得た理由は完全に偶然だったな。
まぁ、嫌な偶然だけどな。
「そうですか、あなたに守ってもらえる人は安心ですね、では次は燐さん、お願いします」
「私は家を守るためにこの武器を取りました、重役の娘として恥じない様に頑張ります」
そういえば燐の父は重役なんだったな、俺には理解できないが
多分、こいつにとっては重要な事なんだろうな。
「そうですか、頑張ってください、では、最後に法助君はどうですか?」
「俺は力がある人間だ、だから、その力をフルに使って国を守りたいから武器を取った」
「そうですか、頑張ってくださいね、あなたならもっと強くなれるでしょう」
俺の気持ちは結構単純かもしれない、でも、その気持ちは重要だと俺は思う。
誰かの為に、戦える、力が無駄にあるが、それをフルに使ってみたい。
俺は自分の可能性を試してみたいと思っている。




