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最強のマルチスタイル~とある学園の劣等生~  作者: オリオン
ジュエル国編、第2章、次なる作戦
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パーティーの主役になろう

俺達は中央制圧のパーティーに呼ばれ、今はジュエル国の城内にいる。

このパーティーの主役がラフな格好なのは示しが付かないと言うことで

ジュエル国の姉妹姫に案内され、ドレスや紳士服を貸してもらい、パーティー会場にいる。

1国の大規模なパーティーと言うこともあり、かなり賑やかだ。


「うぅ・・・は、恥ずかしい」


俺の後ろに隠れている恋が恥ずかしそうにそう呟いた。

こいつは普段は男物の服ばかり着ているからドレスを着るのは今日が初めてだ。


「恋ちゃん、法助の後ろに隠れてないで出てきたら?」


俺の隣にいた咲が恋の説得を始めた。

しかし、恋は全く俺から離れようとしなかった。


「嫌だね!こんな格好、見られたくないし」

「良いから!出てきなって!」


咲は恋を引っ張り、無理矢理引き離そうとしているが、恋も激しく抵抗している。

恋は結構人見知りするタイプだが、ここまで嫌がったのは初めてだ。

まぁ、人見知りと言っても初めての相手にはトゲのある言動をするだけだがな。


「お前ら、俺の後ろで取っ組み合うなよ」

「じゃあ、法助も恋ちゃんを説得するの手伝ってよ」

「ふん!兄貴に言われようと離れないぞ!」


そんな2人を見ていた先生達は呆れた表情をしていた。


「あなたも大変ね」


少し離れた場所にいた燐が近付いてきてそう言った。

その表情には少しだけ同情したような表情が見えた。


「まぁな、特にこの2人はよく喧嘩するし」


俺達がそんな会話をしていると、奥の方から姫様達がやってきた。

最初に話しかけてきたのはエメラルド姫だった。


「何を喧嘩しているのです?」


エメラルド姫は不思議そうな表情でそう話しかけてきた。

まぁ、はたから見たらそうだよな。

俺は2人の喧嘩の理由を簡単に説明した。


「ドレスが恥ずかしいのですか」

「そうだよ!こんな服装で人前に出られるか!」


恋は顔を赤くしてエメラルド姫にそう言い放った。

そして、自分がお姫様に対して乱暴な事を言ったと気付き、少し後悔している様子だ。

普段から乱暴な口振りの恋もそういう所は一応しっかりしている様だ。

しかし、エメラルド姫は怒らずに恋に近付き。


「そのドレス、とても似合ってますよ?大丈夫です、自信を持ってください」


恋の頭をゆっくり撫でながらそう言った。

恋は少しビックリしながら後ずさりをした。


「あ、頭を撫でくれ・・・です」


恋は撫でられた場所を抑えながらそう言った。

こいつは知らない人に頭を撫でられるのは苦手らしい。


「もしかして嫌われました?」


エメラルド姫は少し寂しそうな表情をしながらそう言った。


「いや、こいつは知らない人に頭を撫でられるのが嫌いなんです」

「そうなんですか、じゃあ、嫌われた訳じゃないのですね」


さっきの寂しそうな表情は消え、少し嬉しそうな表情に変化した。

多分、このお姫様は恋ともう少し仲良くしたいのだろう。

しかし、お姫様に少しだけでも気に入られるとはな、我が妹ながら恐ろしいもんだ。


「お姉様はあの子を気に入ったようね」

「アメジスト姫」


エメラルド姫の後ろにいたアメジスト姫は俺に近寄り、そう言った。

前は少しトゲがあるようだったが、今は少しだけ丸い。


「アストで良いわ、アメジスト姫なんて長ったるいし」


アメジスト姫はそっぽを向いてそう言った。

俺はそんな軽い感じで良いのか?と思ったが本人が言うんだし問題ないと結論付けた。


「じゃあ、アスト姫、これでいいですか?」

「えぇ、それで大丈夫よ、三崎 法助さん」

「法助で構いませんよ」


アスト姫は少しだけにやりとして、エメラルド姫の方に向かった。


「お姉様、そろそろ行きましょう」

「はい、あ、でもその前にあなた達に言っておきたいことがあります」

「?」


エメラルド姫はこちらを向き、頭を下げた。


「え?」

「我らジュエル国に加勢していただき、感謝いたします、あなた方のお陰でジュエル国は

 全滅を回避できそうです、ここらから礼を言わせていただきます」


エメラルド姫は深々と頭を下げ、静かな口調でそう言った。

俺達はどうすれば良いのか少しだけ困惑してしまった。

とりあえず気にしないで欲しいと言おうと思ったときにはエメラルド姫は頭を上げた。


「正式なお礼は今宵のパーティーのメインで行います、準備にもうしばらく掛かりますので

その間、このパーティーを存分に楽しんでください」


エメラルド姫は満面の笑みを見せながらそう言った。

そして、後ろを向き、歩き始めた。


「それじゃ、存分に楽しんでね」


アスト姫は軽く笑いながらそう言った。

アスト姫は姉の後ろに付いていき、パーティー会場の人だかりの中に消えた。

まぁ、色んな人に話しかけられ、何処にいるかは明白だがな。


「流石はお姫様ね、立ち振る舞いが完璧ね」


燐が感心したような口振りでそう呟いた。

アスト姫は別として、あのエメラルド姫は口調、態度、立ち振る舞い、客人への対応も完璧だ。

流石は王家の娘、俺は心の中でそう思った。


「まぁ、良いじゃん!さぁ!皆でご飯を食べに行こう!」


咲が無駄に大きな声でそう言った。

それを聞いた皆は少しにやつき、空気が賑やかになった。

あの空気から一気に空気を変えられるんだ、結構な才能だな。


「そうですね、折角のパーティーです!美味しい物、いっぱい食べましょう!」

「おー!」


俺達はパーティーで出されている食事を食おうと人だかりの中に進んだ。

しかし、俺達はどうやらこのパーティーの主役のようで、色んな人に話しかけられた。


「あなた方は我らジュエル国の英雄です!」

「皆さんのご協力があったお陰ですよ」


燐は人々の話を聞き、冷静に返している、流石は重役の娘だ。


「あなた方のお陰です」

「あ、えっと、その、ほ、褒めても何も出ませんよ?」


恵美はぎこちない、きっとこういう場にはなれていないのだろう。


「あなたの知識は聞き及んでおります」

「そうですか?あなたも博識ですね」


咲は軽く冗談を織り交ぜながら対応している。

咲がこういう口調で話すときは大体さっさとどっか行けと言う意味がある。

前に1度しつこい男子にそんな口調で話していた事がある。

その時に聞いた話だ。


「いつか、剣術の指南をお願いしたいのですが」

「そうですね、機会があったらお教えします」


俺はこういう事を言われるのは少しなれている。

これでも戦闘能力だけなら学生の中では1位だからな、まぁ、勉強はあれだけど。


「そちらの子は妹さんですか?」

「はい、妹の恋です」

「ど、どうも」


恋は普通に返したが、俺を掴んでいる手は少しだけぷるぷる震えている。

予想通りと言えばそうだがな。


そういえば先生が居なくなっている、さっきまで一緒に居たはずだが・・・

俺が先生を探していると、ジュエル女王の声が聞こえた。

どうやら演壇の方から声が聞こえているようだ。


「皆さん、準備が出来ました、今宵のメインイベントです」


パーティーのメインイベントとなると、エメラルド姫が言ってたお礼か。

と言う事は俺達が前に出ないといけないんだろうな。


「メインイベント?兄貴、分かるか?」


恋は不思議そうな表情でそう言った。

どうやらエメラルド姫が言っていた事を聞いていなかったのだろう。

もしくは焦りすぎて忘れたか。


「エメラルド姫が言ってただろ?お礼だよ、俺達に対するな」

「ふーん・・・ん?お礼!?と言うことは、まさか私達・・・人前に出ないといけないのか!!??」


恋は驚愕しながらそう言った。


「まぁ、そうなるな」

「い、嫌だ!兄貴、帰ろう、もう帰ろうって!」


恋は俺の袖をグイグイ引っ張った。

相当焦っている様だ、動揺がもろに伝わってくる。


「駄目だ、服借りてるし」

「服は良いじゃないか!返せば!」

「無理だな、ほら、鍵掛かってるし」


奥の部屋に行くための扉は鍵が掛かっている、南京錠だからわかりやすい。


「だ、だったら、あれだ!事情を説明して!」

「無理だろ、警備の人も居ないし」

「ど、どうしよう・・・」


恋はすごくそわそわしながら周りをキョロキョロ見ている。


「緊張してるのか?」

「当たり前だろ!こんな服装で!あんなに沢山の人達の前に立つんだぞ!?」

「そうか、なら俺の方を見てれば良い」

「え?」

「俺をジッと見てろ、それだけで少しは緊張しないかもしれないぞ?」

「う、うぅ・・・」


恋はうつむいてしまった。

しかし、少しして恋は顔を上げ、俺の方を向いた。


「分かった、兄貴を見てるよ」

「よし」


恋が覚悟を決めて少ししたとき、俺達にお呼びが掛かった。

周囲の人達は道を開け、拍手を始めた。

先生は一足先に演壇の上に居た、多分姫様達に呼ばれたんだろう。


「むー、もうちょっと色々と食べたかったんだけどなぁ」

「咲、食事は後でしょ?」

「ちぇ、分かったよ」


俺達は食事を止め、演壇の上に立った。

その上で見た人々の数はまさに圧巻だ。


「それでは、我が国からのお礼の意味も込め、こちらを贈呈します」


ジュエル女王は俺達に刀の形をした勲章を授けてくれた。


「こちらの勲章は我が国の為に尽力していただいた方に渡す勲章です

 この勲章があればいつでも城内に入ることを許可できます」


俺達はその勲章をもらった後、長い礼の言葉を聞かされた。

そして、その後はパーティーに戻り、皆で色んな物を食べ歩いた。

先生が途中で消えた理由は予想通り姫様達に呼ばれたからだそうだ。

その後、長いパーティーは終わり、俺達は部屋に戻った。

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