エルドナード近衛7柱、アイスとの戦い
おとり作戦のおとりを行った俺達、雑魚の進行はたいした脅威にはならなかったが。
俺達は今、オーブ国、エルドナード近衛7柱の1人、アイスと衝突した。
「お前の力は知らない、だが、負ける訳にはいかないんだ」
「ふ、自らの未熟さと無力さを思い知りながら地に伏せるが言い」
「法助、こいつはヤバいよ」
「分かってる」
こいつの武器は大剣、明らかに攻撃型だ。接近せずに銃火器での攻撃が無難だが
相手の大剣の幅も広く、はじき返される危険もある。しかし、下手に近付くのも危険だ。
ここは銃火器が無難なところか、俺は武器を銃火器に変化させた。
「燐、一緒に行くぜ」
「えぇ!」
「ふ、銃か」
「「食らえ!」」
俺と燐は同時に銃をぶっ放した、すると同時にアイスは大剣を前に出し、前進した。
予想通り大剣を盾にしたな。だが、予想通りだ、俺は左方向に移動し、大剣の横から攻撃を仕掛けた。
「これでどうだ!」
「フン!」
「な!」
アイスは俺が撃った弾丸を左手でキャッチした、人間業じゃない!
「ふ、返すぞ」
アイスは掴んだ弾丸をこっちに弾いてきた、普通の銃で撃つのと同じくらいの速さだ。
「く!」
俺はかろうじて回避できたが、これでハッキリ分かった、こいつは化け物だと。
「まさか弾丸を掴むとはな」
「ふん、造作ないことだ所詮直線だからな」
「この、化け物が!」
「褒め言葉として受け取っておこう」
こいつに弾丸は効果が薄い、接近戦を挑むのも無謀、あぁ、恋の予感が当たったな。
この状況、ハッキリ言って八方塞がりだ。
「今度はこっちから行かせてもらおう」
アイスはとんでもない速さで俺の方に近付いてきた、俺は急いで武器を剣に変えた。
「く!」
こいつの力に真っ向から挑むのは無謀だと判断した俺はアイスの攻撃を流して
回避した。あまり力がなくとも扱える技だが、こいつの攻撃力のせいで腕がしびれる。
「ほう、少しは出来るようだな」
アイスは叩き付けた剣を素早くこちらに向け、横に大きく振り回した。
俺は素早く地面を蹴り後方に退いき、かろうじて回避できたが、あんなの食らったら真っ二つだろう。
「あ、危ねぇ」
「あの体勢から後方に退くとはな、くく、やるじゃないか」
アイスは不敵な笑みを浮かべている。しかし、こいつは今、燐に背を向けている状況、チャンスだ!
燐もこの好機を逃すまいと武器を構えた。しかし、それを咲が止めた。
「何をするの!?これはチャンスよ!」
「冷静に判断して、この状況、確かにチャンスのように見えるけど、あの敵がこんな大きな隙を
作るとは思えない、きっと何かを企んでる」
言われてみて気が付いたが、こんな相手が隙を作るのはおかしい、しかもこんな露骨な隙を
咲のその声に気が付いたのかアイスはにやりと笑った。
「ふ、賢い嬢ちゃんだ、そのまま撃っていたらこのガキを仕留められていたのによ」
「あ!まさか!」
冷静になって燐と俺の立ち位置を見てみると直線上に俺が居る、もし燐がぶっ放して
アイスがそれを回避したらその弾丸は俺の方に来る。しかもそれを回避したとしても
アイスがその隙に一気に間合いを詰めてきたら回避は難しいかもしれない。
「気が付いたな、そうだこの状況でぶっ放せばお前に飛んでいくのさ」
恐ろしい奴だ、常に周囲を観察していやがる、まさに戦いの天才だ。
こうなったら俺も本気で動かないといけない、俺の能力全てを使って。
「・・・仕方ない、俺も本気で行く」
「今まで本気じゃなかったと?」
「あぁ、こっからが本番だ、見せてやるぞ、俺の力、全てを!」バ!
「真っ向から突撃とはな!」ダ!
俺は武器を短刀に変化させ、投げた、相手は武器を投げるという行為は想定できない筈だ。
なんたって武器を投げれば死ぬからな。
「な!武器を!」ザシュ!
俺が投げた武器は狙い通りアイスの足に刺さった。
流石にいたいのか倒れ、ひるんだ隙に俺は武器を引き戻した。
「な!?」
「ふ、細い糸ってのは見えにくいだろ?」
俺は短剣に糸を引っ付けて投げていた、ガトリングを同時に出せたのだから2つの武器を
同時に出すことも出来ると思い、この作戦を考えた。
流石に武器を投げるなんて危険な行為をなんの保険もなく出来ないからな。
「そら!」
「うぐ!」
俺はアイスの背中に短剣を突き刺した。正面に刺すと捕まれる危険があったからな。
「どうだ!」
「く、くく、まさか俺がここまで苦戦するとはな」
アイスは静かに立ち上がった。背に刺したとは言え結構な致命傷の筈なのに。
「まだ立てるのかよ」
「なんの問題もない、俺を見くびらないで欲しいね」ガチャン
アイスは静かに剣を構えた。さっきまでとは明らかに集中力が違う。
こいつもこれから本気って事だろう。
「ゆくぞ、奇策は2度も通じない!」
「分かってらぁ!」
俺武器を槍に変化させた、理由は簡単で剣での真っ向勝負は分が悪いと判断したからだ。
あいつの剣術は俺よりも優れている、その為剣での勝負は不利!
「・・・」
「・・・」
「法助・・・」
「法助なら大丈夫だよ」
「そうね、あいつを信じるしかないわね」
{接近完了だ!}
「なんだと!?」
無線の声にアイスは驚き、一瞬大きな隙が出来た、俺はその隙を突き、一気に接近した。
「く!舐めるな!」
俺の動きに気付き、アイスは俺に攻撃を仕掛けたが、一瞬集中が切れたせいでその攻撃はぶれた。
「運が、悪かったな!」
「がは・・・」
俺の突きはアイスに直撃した。この攻撃は致命傷だろう、もうこいつは動けない。
しかし、アイスはそんな体でも剣を動かし、腹の部分で俺を思いっきり殴打した。
「ぐは!」
「法助!」
「くく、ま、まさか、俺がこんな傷を受けるとはな」
「ま・・・まだ、動けるのか・・・よ」
アイスは重傷を受けた体でゆっくりと立ち上がった。
「ふ、ふふ、もう俺は助からないだろう、ならせめて!貴様らの1人でも道連れにしてやる!」
「仕方ない!」
燐は銃撃を開始した。その弾は全弾しっかりとアイスに当ったがアイスはひるまずに
突撃をしてきた、これが死ぬ気になった人間の底力か。
「うおおおお!!!」
「どうなってんのよ!?」
「・・・たいした根性だ、なら、せめて俺がお前を仕留める!」
俺は痛む体を動かし、一気にアイスに接近した。
「死ね!俺の人生最後の強敵よ!」
「俺はお前を越えてやる!友を!家族を守るためにな!」
「法助!」
ドスと言う鈍い音がした。その音の正体は俺の剣がアイスの胴体を貫いた音だった。
「く、くく、そうか、俺の負けか・・・たかが中坊のガキに殺されるとはな・・・」
「はぁ、はぁ」
「だが、楽しかった・・・ぞ」
アイスは今度こそ動かなくなった、しかし、その顔には苦痛の表情はなく
笑っているようにも見えた、初めて戦ったぜ、こんな奴とはな・・・。
「法助!大丈夫!?」
「あ、あぁ、大丈夫だ」
{どうしたんだ?何かあったのか!?}
「えぇ、ちょっと敵の幹部と戦ってね」
{幹部!?大丈夫なのか!?}
「法助が怪我をしたの」
{兄貴が!?}
「俺は大丈夫だ、それよりもさっさと作戦を始めようぜ」
「うん、でも無理はしないでね?」
「あぁ」
その後、咲が本隊に連絡を行い、一斉に攻勢作戦がスタートした。
戦いはかなり一方的な物で、俺達は無事に中央拠点を制圧できた。
きっとこの場所を統括していたのがアイスだったんだろう、そのアイスが倒れ
統括が上手くいかずに兵が弱体化って所か。
因みに俺の怪我はあばらが何本か折れていた程度だった、内臓破裂とかにならなくて良かった。




