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確信犯

作者: ゆずゆ


「海?」

「そう!来週の土曜!」


デートのお誘い、メールのやりとり、会話の切り出し、どれも彼からで正直任せてて申し訳ないし文句もない。


そんだけ任せておいて、さらにサプライズは嫌いで、あまりアウトドアではないという性格も考慮してくれるので、デートは基本彼からの質問に対しイエス・ノーで答えて決めていく。


だから突然日時も場所も決定事項で告げられたのは初めてで少し不満に思った。


だって水着となれば体を絞って、水着を買って、日焼け止めやアウトドアグッズも用意しなければいけない。


「どーしても来週の土曜?」

「どーしても!」


聞くとアウトドアグッズは海でまかなえるらしい。

水着はまぁ、流行り廃りのない形を去年買っているしいいとして、一週間で痩せなきゃね?

















「あきら!あきらも来てたのか!」


ビーチパラソルを設置して飲み物も買って、とりあえず寛ごうとした時、水際にいた男女数名のグループがこちら…彼氏のあきらに声をかけた。


どうやら会社の同僚とその友達たちらしい。

合コンか?


あきらは私のことを紹介しながら上に着ていたパーカーを脱ぎだした。


ちょっと待て。


その 背中の 引っかき傷…


同僚たちも冷やかしなのかその傷に触れてくる。


同僚の女性たちの何人かが顔色を失ったり、私を睨んできたりする。


ここで私は決定事項のデートの意味と昨夜のしつこさを理解した。

おおよそ、海に誘われていたか海に行く話を耳にしたのだろう。

自分に向けられる色目を一掃させるための計画的犯行だったのだ…。








「あからさまに付けてたなー(笑)」

「水着着るってわかっててってことだろ、確信犯だな」

「いーなー、あんなに思われて!」

「彼女サン、背中のやつきづいてないんじゃねー?」

「お互いの背中についてるってことは、もちろん一回で済んでねーんだろな」

「………」




後日あきらの会社では、『あきらを狙うと見せつけられる』という噂ではなくまごう事なき事実が振りまかれたのである。






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