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COUNTERATTACK 異世界戦記  作者: 兄ほわ
3/12

漂着

遅くなってすいません

謎の雷に打たれてから2時間後 「みょうこう」の艦長室にて


龍雅は雷で起きた問題を解決するために艦内のあちこちを回っていたため、疲れていたが今、寝るわけにはいかないのでこの間に龍雅は出航前に本部から渡されていた赤いファイルを見ていた。


「見たこともないカテゴリーもいるんだな」


そのファイルには龍雅が見ていないカテゴリーが山ほどいた。それもそのはずである。このファイルは朝鮮半島に”生息”しているカテゴリーの種類、生息範囲、攻撃方法など、ありとあらゆる情報が揃っていた。しかしその中に興味深い資料を見つけた。それは龍雅達にも因縁があるものだった。


『クラーケンの死亡報告書』


それを見た時に一瞬、背筋が凍るような感触がしたが意を決して読もうとページを開こうとした時に艦長室によほど慌てたのか、艦長室の外まで聞こえるような開閉音を響かせながら、中森三尉が入ってきた。


「たいへんです!「おおすみ」が・・・・」


その内容は龍雅に更なる苦労と驚愕をさせるには十分だった。



「おおすみ」艦内


「まったくお前は・・・」


「いや~~つい出来心で・・・」


「分かった。分かったよ。許してやる」


「ホントですか!」


「ただし。向こうに着いたら、きっちりトレーニングさせるから覚悟しろよな」


「ありがとうございます。では失礼しました」


笑顔全開で帰って行く永田を見ながら、苦笑しながら見送っていると声を掛けられた。


「やぁ。ミカベ二尉。どうしたんだ?」


「あなたは確か・・・」


「キムだ。階級は中尉」


「失礼しました。キム中尉」


彼は朝鮮人民軍の第3軍団、第38空挺軽歩兵旅団の所属であり、今回の中隊の指揮を任されている人物である。


「しかしなぜここに?」


「いや。長い航行で肩が疲れてね。少し艦内を見ていたんだ。中々いいね。この艦は」


「そう言ってもらうと嬉しいです」


「それで君は?」


「それはですね。お恥ずかしながら、部下のおし・・・」


三壁の言葉は最後まで続かなかった。ドォと音が響くと「おおすみ」が傾き始めた。



そしてさっきの話に戻るのである。


「どうしてそれほどになるまで気ずかなかった?」


「それがあの雷の後に全員の安全確認をするためにどうやら全員が集合してみたいで戻ってみるとあの有様で」


「・・・それで被害は?」


「右舷から浸水していますが「おおすみ」の第四格納庫にはまだ浸水はしていないようです」


「沈没の可能性と対処は?」


「「おおすみ」が沈没してしまうリスクも十分に考えられます。あとはダメコン(ダメージコントロール)ですが・・・」


「どうした?」


「何とも申し上げにくいのですがどうやらあの雷のあとに多くの隊員が負傷、あるいは体調不良を訴えており、手が足りていません」


どうゆうことだと龍雅は不思議に思った。レーダーの故障、「おおすみ」の右舷浸水、隊員の負傷や体調不良などの異常事態が雷の後に連続して起きている。まるで自分達を試しているかのように


「分かった。他の艦や自艦に手が空いている者を「おおすみ」に向かわせろ。「おおすみ」を沈ませるな。それと・・・「おおすみ」の隊員達には必要な人材以外は兵器、人員全てに退艦命令を出すように言ってくれ」


「全てですか・・・」


「そう全てだ」


「わ、分かりました。」


急いで中森三尉が艦長室を出て行った後に龍雅は目頭を揉んだ。



浸水発覚から15分後 「おおすみ」にて


「急げ!急げ!運びだせるものは全て運び出すんだ」


「三尉。海自の武器は?」


「許可を取れているなら、許可しよう」


やがて第一陣を乗せたLCACが発進していく。それの前に偵察に行かせたUH-60JAから通信が入った。


「三尉、「おおすみ」から東に400メートルくらいの砂浜を確認したが今、LCACが向かっている砂浜より上陸しやすそうだ」


「了解した。LCACに連絡を入れるんだ」


この「おおすみ」には元々戦闘車両ではない、施設科車両や輸送車両が大半を占めているが朝鮮人民軍の戦車や装甲車、更に自衛隊の90式戦車、装甲車も搭載していた。


「どのくらいで終わりそうだ?」


三壁は隣にいた海自隊員に話を聞いた。


「何せ。北の部隊と陸自の車両を合わせてなのでLCACとヘリを使ってもしばらくかかります。あと三尉。お電話です」


「俺にか?」


「そうです。あなたです」


隊員が出してきた電話を受け取り、もしもしと話すと三壁を驚愕させた。


「坂井一佐!」


「三壁三尉。君に命令を出す」


「な、何でしょう?」


彼が今回、所属している隊の最高責任者と電話で話しているのでどんな命令が出るのかが不安であった。


「君が選んだ隊員で10名くらいの小隊を作って偵察を行ってくれ」


「はぁ?でも何で偵察が必要になるんですか?」


「一応の為だ。万が一の事態でカテゴリーと戦うことになるかも知れないからな」


「わ、分かりました」


こうして三壁は偵察任務を行うことになったのである。



偵察を行うことになって1時間後 揚陸地点にて


「えーもう知っているとは思うが今回、我々はこの地域の偵察を行うことになったのだが今回の偵察部隊の隊長を務める事になった三壁だ。よろしく頼む」


「あの~~どうゆう場所を偵察するんですか?」


そう質問を投げかけてきたのは永田だ。


「それには俺も分からない。とりあえず周りを見てくればいいだろう」


三壁は全員の顔を見て言った。


「質問は以上だな。では全員乗車!」


隊がパジェロ、高機動車、軽装甲機動車に乗り込み、出発した。

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