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異国のまぶしい陽光が降り注ぐ。ボクは旅路の途中にあった。ポケットから手紙を取り出して、歩きながら読む。自分がいうのもナニだが、今どきペーパーメディアの手紙とはまた古風な。
手紙の送り主は、むかし地元で物語の書き方教室をやっていた時の教え子だ。彼らは次々とデビューしていた。今回もデビューしたという感謝の手紙だ。
いま日本では天才レベルの創作家が大勢、連続して出現していた。不思議なことに、彼らの出身地は全員同じ。そう、全てがボクの教え子だ。
もしかして、あの《小咄菊造くん》を作った男は、また何かやらかしたらしい。ボクの元にはインタビューのオファーが殺到していた。全て断っているが。
非国民扱いが一転、英雄だ。苦笑いするしかない。ああ、海外に逃げてて良かった。
ボクは重い荷物を背負い直す。さて探すとするか。いまだ産声を上げぬ物語を。




