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 イスラムの伝統を元に、ある経済学者が新たな銀行システムを構築。バブルがはじけないと評判になり、経済規模は拡大した。といっても既存システムの数百分の一に過ぎない、些細なものだ。

 既存の資本主義やグローバリズムがなくなったわけではない。ただ接ぎ木されたように、従来のバブル経済から影響を受けにくい、別のシステム系ができただけのことだ。

 だが景気というものは、今まさに成長しているものについてくるもの。不信感の強くなったユダヤ系銀行システムは押されつつあった。


 海の航路を支配するため、かつて国々は海賊を公認。他国を侵略する手段として、利用していた。だが大航海時代も終わりの時期になると、海賊が排除されるようになる。

 航路が開拓されてしまうと、武力による独占に旨味がなくなってしまったのだ。代わりに安全確実な輸送手段が求められるようになった。そんな時代に海賊は邪魔だったのだ。


 今までは一部の資本家のみが生産手段を独占していたため、労働者は賃金を買い叩かれた。労働者の賃金を買い叩かないと、値下げ競争の激しいグローバル市場の中では生き残れないからだ。

 だがローカリズムにより、生産手段と知とは分散して、経済文化の中心が消失してしまった。となると富の占有は難しくなる。むしろ流動化に任せてしまった方が全体としては豊かになれる。独占より分配の方が儲かることに、人々が気づきだした。


 もちろん大量生産がなくなるわけではない。世界的な流通が途絶えたわけでもない。だが特権的ではなくなる。労働者を搾取して、消費物の安売り競争では勝てない。ならば、どうするか。

 グローバル市場の中で製品を買い叩かれ、飢えるか。地産地消で腹一杯食うか。人々が自由に選べるようになった。


 グローバリズムの本質とは大航海時代。ひいては海賊にこそある。だが航路は整ってしまった。となると平和な海に、海賊は邪魔でしかない。

 大航海時代から現代まで続いた、帝国主義と植民地主義。そしてその延長線上であるグローバリズムは、緩やかに役割を終わろうとしていた。

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