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 だがアメリカには反米主義を叩き潰す秘策があった。

 ローカリズムによる平和の本質とは、物語の共有による、対話にあった。もはやプロパガンダによる環状の扇動では、戦争は起こせない。だがプロパガンダ戦争とは、近代に入ってから始まった話だ。

 ならば以前、古来より続く戦争の本質とはどこにあるか。


 戦争の根元とは、例えば畑の水争いだ。つまりは限られた資源の奪い合いにある。ならば生に必要な資源が減れば、自然と世界には戦争が増えることになる。

 つまり飢えさせれば良いのだ。食料生産が減少し、世界に飢えが広がれば、戦い奪うしかない。貧しければ物語を楽しもうなどという余裕はなくなる。戦争以外の選択肢を消せば良い。

 かくしてプロパガンダ戦争の時代は終わった。代わりに最新の戦争は、畑の水争い。古来より続く食料の奪い合いにまで、戦争のあり方が戻った。


 TPPなどで途上国の貿易自由化を強要。アメリカ国内の大規模農業で作られた安価な農作物を輸入させる。すると農家は生活できなくなり、農業は壊滅。自給自足の手段を潰す。

 抵抗するようなら、アメリカ企業が特許を持つ遺伝子組み替作物の花粉が流出し、勝手に繁殖しているとして訴訟を起こす。


 聞き分けがないようなら、遺伝子組み替え作物の種苗輸出を差し止めても構わない。遺伝子組み換え作物は本来ならば、一世代のみで新たに種を残せないよう操作が行われている。輸出を差し止めれば、息の根を止めるのは容易い。

 反政府ゲリラに武器支援。穀倉地帯を焼くという手もある。


 生産力がなくなれば当然、飢餓が増える。するとアメリカは人道的な食糧支援を行う。飢えた国は支援がなければ生きてゆけない。かくしてアメリカのいいなりになる国が増え、アメリカは国連での発言力を大きくした。

 と共にアメリカの穀物メジャーが大いに潤った。

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