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世界一の人口を持つ中国とパートナーシップを結び、経済発展を目論んだアメリカ。だが中国では異変が起こっていた。
国産傑作映画が出てきたというのに、当の自国政府から潰された恨みから。若者の間で民主化運動が日に日にエスカレート。鎮圧しようとする軍との間で、とうとう内乱に近い状態になっていた。
混乱に乗じてロシア王国はチベット=ウィグルに武器や資金を援助、独立を促す。東南アジア各国では協調して中国に奪われた国境地帯を取り戻そうと、軍隊を侵攻。インドも国境近くに軍の大部隊を駐留。
四方から攻められ中国軍が手薄になった隙に、チベット=ウィグルは独立を宣言。そして内乱の末に中国の一都市も、中国共産党からの離脱を宣言。中国政府は南北のふたつに分裂。広大な中国は最終的にチベット=ウィグルも加えると、みっつに分断してしまった。
戦乱の中国はアメリカにとって、パートナーとしての価値を喪失。競うように外資企業は撤退した。アメリカの後ろ盾を失い、中国自然と国際社会での発言力も小さくなり、無茶な海洋進出ができなくなる。
この頃、中国系からのロビー活動を受けていた議員が、こぞって選挙で失敗している。
オーストラリアはコンテンツ貿易で唯一、中国コンテンツを多く輸入している国だったが。中国崩壊と共に共産党幹部を始めとする華僑が大量流入。しかし中国コンテンツによって、中国人への印象を操作されていたので、移民や難民の流入を止めるのが遅れてしまった。
オーストラリア全土にチャイナタウンが林立し、治安は悪化。原住民アボリジニを追放して建国されたオーストラリアだったが。今度は中国難民が自分たちを逆に追放しようと衝突が起こった。
日本にも難民が押し寄せたが、スポーツ大会でのテロ事件以来、入国審査は厳しくなっている。違法入国者には片端から国外退去で対処していた。
アメリカは人道的でないと批判するも。移民で痛い目を見たヨーロッパからは、あまり強い非難が出なかった。
それでもジワジワと日本国内に日本人以外の住人は増えていった。




