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 ローカリズムの拡散に危機感を抱いた全米映画組合は、議会へのロビー活動によってアメリカの危機を訴える。

 大統領主導による国際社会への、ハリウッド映画の販拡運動が行われることになった。


 まずは海外における、従来の戦略を大規模化させた。

 例えば「賄賂[ペイオラ]」だ。地元放送局に「これが今のヒット作品だよ」と説明するように依頼する。するとラジオでは「ヒット作」の楽曲ばかりが流され、テレビでは「ヒット作」の話題ばかりになる。

 その時はもちろん、仲介業者へ業務を丸投げすることにより、自分たちの手は汚さない。バレるとステルスマーケティングとして非難されるからだ。


 ヒット作の放映権が欲しいと頼まれたら、凡作とセットの一括契約を行わせる。すると、その放送局で流れるのはハリウッド映画ばかりになる。

 一方で他国の意欲作が発表されそうになったら、ハリウッド内でカルテルを行い、人気作の放映開始を、その意欲作にぶつける。そして話題が出て、人気にならないよう潰してしまうのだ。

 もちろんステルスマーケティングやカルテルなど、これらの経済活動は反競争的であるとして、アメリカ国内では違法になる。だが海外で行う分には関係ない。


 またスクリーンクォーター制度を敷いている国に対して、大統領を通して市場開放するよう圧力をかけた。

 スクリーンクォーター制度とは、自国メディアが潰されてしまわないよう、海外コンテンツの放映数を制限する法律だ。日本でも一時期は行われていた。

 メディア弱小国が保護の自由化など行えば、あとはハリウッドに国の市場を食い荒らされるしかない。あまりに力量差のある者同士の自由化開放は、結果的に不平等な搾取にしかならない。


 ハリウッドはこれらダーティーなテクニックも活用して、グローバル市場でのシェアを奪ってきた成功体験がある。今度も通用するはずだった。だが活動の効果は思わしくなかった。

 日本でのスクリーンクォーターがなぜ、早々に解除されたか。インドと同じだ。コンテンツの自給自足が質と量ともに、成り立っていたからだ。

 そしてローカリズムで世界中に物語はあふれている。今さら、どこも市場開放は問題にならなかった。


 唐突に国連が、ポルノ規制が充分でないと日本を名指しに非難した。

 しばらくするとコンテンツ貿易において日本ばかりが優位で不平等だと非難する。

 コンテンツは外交の武器となりつつあった。

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