これは何時かの始まりで。1
はい、お久しぶりの方はお久しぶりです(*^^*)
はじめましての方は、はじめましてです(*^^*)
まあ、知ってる方は早く他の書けと言うのでしょうが…もう少しお待ちください(^_^;)
僕の名前は御月月耀。
年は20歳で、職業は───自宅警備員?
何てふざけて言ってみると、両親に真顔で似たようなことを言ってみたら格闘術を勧められて我が両親に戦慄を覚えた事を思い出すのだけど…。
まあ、それは兎も角、僕が自宅警備員なる無職の代名詞?になっている理由なんて簡単で個では無く全で一つと数えられ、自分でやった事すら他人の功績にされ、やっていない事はやった事にされる、そんな社会が嫌になった、ただそれだけの理由。
これって頭の硬い人に言うと甘えだなんだって怒られる理由なわけだけど、本人にはとても重要な事で。
パワハラ、セクハラ酒のイッキ飲みの勧めや薬物への勧誘も大抵社会という名の枠組みに当てはめられた結果なんじゃないかと最近はテレビをみて思ったり。
そもそも日本は女性にあわせずに男性に仕事時間をあわせたから、こんな馬鹿みたいに休みがなかったりする風潮があるんだから阿呆な国何じゃないかって何時も疑問に思うんだよね。
だから自分が休むのは悪くない…
「何て今日も言い訳を重ねてみたりして…っと…ふぁ…ねむい…」
と、今日も無駄な言い訳をしてから目を開けて欠伸を一つ、引きこもりを始めて既に二年、全く切っていないため長くなってしまった髪を耳にかけながら目をこすり、時計を見ると…12時30分、既にお昼らしい。
取り敢えず顔でも洗おうかな、と思いながら立ち上がり不意に近くにあった鏡が目に入ってみて溜め息がでる。
「髪は別に切ってもいいのだけどお金、もったいないしなぁ…」
と、跳ねている所を多少手で解かしながら実に遺憾ながらも女性にしか見えない自分の容姿に溜め息を付きながら階段へ向かい下に下りると年々何かと失礼なレベルが上昇している気がする妹に遭遇した。
「あ、お姉ちゃ……じゃない、お兄ちゃんおはよう」
「ねえ、そろそろお姉ちゃんっていいかけるのやめない…?それと、こんにちはだよ、愚妹め」
こういう感じで僕の妹─御月火輪は僕が女性にみられている気がする何て悲しい現実を昔から鏡を見ないでいても認識せざる終えない発言をしてくるから地味に失礼だと思うんだ。
「いや、口調とか顔とか綺麗系の美人さんにしかお兄ちゃん見えないからね、寧ろお姉ちゃんじゃないのが私は可笑しいと思うんだよ!いや、寧ろお姉ちゃんじゃないからいいの…?」
「はあ…全くそんな変なこと言ってないで、何処か行くんじゃないの?」
と、変な理屈を真顔でたて始めた愚妹に誰が見ても何処かに出掛けようとしているのは明らかな服装をしているため指摘してあげると焦った感じで出掛けていった。
あのおはようと言う発言からして、寝坊でもしたんじゃないかと推察できるのだけど、どうでもいいことなので洗面台に行って顔を洗って自分の顔を見る。
「う~ん…やっぱり髪は切るべきなのかな …?」
何てまた微妙な所に言い訳のようなものを一つして、顔を拭き今度は朝食(昼食?)を食べにリビングへ向かう、両親─とはいえ父は単身赴任なのだけど─は共働きだったりするから、朝食は机に置いてあったりするので助かってはいるのだけど…机に置いてある手紙の僕を現す名称に苦笑する。
「月ちゃん、ねぇ…二十代の男性を表す言葉ではないと思うのだけど」
この呼ばれ方も仕方がないとはいえ最近地味に気にしていたりするけど、きっと文句を言ったら火輪と似たような事をいうのだろう、と何となくわかりきっているので苦笑してから手を合わせる。
「いただきます…」
これにかえってくる返事はないけれど、既になれてしまったし誰もいないなら口にださなくてもいいのだろうけど一応無職なのだからこう言う感謝は必要かな、と思っているから口にして数分ですぐに食べ終えて食器を洗う。
あ、こう言うと早食いしているように聞こえるだろうけど、動いていないから食べる量が少ないだけだよ?
まあ、それは兎も角食べ終わったからと言って何かやる事があるわけではないので何となくどうでもいいことを呟く。
「…さて、今日も無駄を楽しむとしましょう」
ちょっと言ってみただけだけど、ちょっと痛々しい気がするし本当に何をしようか考える。
引きこもってからの行動何てゲームかネットの徘徊かそれいがないなら無駄な思考か二度寝、三度寝か……考えてみると悲しくなってくるような生活な気がする…。
それは言いとして…そう言えば最後に外にでたのは二ヶ月くらい前だったのを思いだす。
今は夏休みにはまだ入ったばかりで、例年通り暑いのは家の中にいてもわかる事。
でも、何かする訳でもないのだし…。
「散歩にでも行こうかな…。そう言えば、アイスが残り少なかったし買いに行こう」
そうと決まれば即行動、服を着替えて髪を解かして帽子を被って財布と扇子を持って玄関へ。
靴を履いて扉を開けて、外にでるとやっぱり想像通りの雲一つない青空で、蝉が鳴きまくっていて気が滅入ってきたけどアイスのためだから、頑張ろう。
アイスは無くて困る事はあっても、あって困る事はあまりないのだから。
そう決意を新たに歩きだし、近所の学校の生徒だろう体育会系の人達の汗をかきながらも走り続けているその暑苦しい─とは言っても女子校なのでそれは言い過ぎかもだけど─光景に若干体感温度が上がった錯覚を覚えながらもお気に入りの扇子を扇ぎながらコンビニ手前の信号の所で足を止め、荒い息を吐きながら汗をハンカチで拭って少し休憩。
久しぶりの外出で、体力は落ちてるとは思っていたけど…これはちょっと酷いかな…?
何てちょっと本気でどうしようか悩む問題ができたような気がするけれど、結局の所家からでなければ問題ないという結論がでた。
なので、僕は何事もなかったように横断歩道を渡って直ぐさまコンビニに入ってアイスの他に何か雑誌でもでてないかなぁ、と期待して本のコーナーを見てそもそも″ここ″で売っている物の殆どは欲しい物には当てはまらないのを思いだして回りの人にバレないように少し苦笑してから、本来の目的のアイスコーナーへ。
そこには一時流行った本当に美味しいのか理解できないコーンポタージュ味のアイス棒から有名所からマイナーな物までかなりの品揃えがあったのだけど…挑戦してもろくな事がないのは分かりきっている事なのだから、普通に目的のアイスを複数手に取り、会計を行った。
…………決して昔失敗したわけではないよ?
ま、まあ、それは兎も角、もう少し涼しかったら運動のために当初決めた通りに少し遠回りして散歩でも使用かと思ったのだけど…やっぱり引きこもりに耐えられるような暑さじゃないし、さあ、帰ろう─と、コンビニの自動ドアが開き足を一歩踏み出したところだった。
テンプレートとでも言うべき展開。
摩訶不思議現象の発生起源とでも言うべき身代わりの死亡展開。
信号が青に変わっているはずなのにトラック…ではないけれど、その車はブレーキを踏みきれていないのか凄まじいスピードで道路の白線の上を歩いていて呆然としている少女に向かって今にでもぶつかりそうな勢いで走って来ている。
………現実的に考えて僕が何もしなければ後味は悪いだけで不幸な事故又はひき逃げ事件として処理できてしまう内容だと思う。
回りには時間帯が時間帯だからこんな所にいる人間何てコンビニの中の店員とお客さんか、僕と今にも引かれそうな少女だけ。
妙に時間の流れがゆっくりになるような錯覚を覚えながらも、考える…考えてしまう。
こんな見知らぬ少女を助けるために僕が物語のように救いに行く事等できるわけがない。現実は物語のようにはできていない。
ここにいるのは正義のヒーローや主人公等ではなく、二ヶ月振りに外にでて少し歩いただけで息が上がるような貧弱な僕なのだから。
……とてもではないが助けられる要素がないと思う、運良く引かれる前に救出できたとしても僕は車を避けられずに死ぬだろう。
だから、僕は見捨てるしかない……見捨てるべきなのに…。
こんな事無視するべきだと思うのに、偽善的な行動だと思うのに…何で走りだそうとしているのだろう、僕は。
自分の行動が理解できないと感じたのは人生で二度目だ。
一度目は思い出したくもない悪夢を思い出すだけで、ある意味今の状況に陥ってしまった最大の理由だろうとは思うけど…。
僕は今の状況に陥ってしまったせいで引きこもってから、現実を見ずに引きこもり周囲との関係を家族以外全て捨て去ってしまった。
それからの人生は本当にストーリー何てものはなくて、さっき呟いたみたいに無駄でしかない繰り返しの日々で…。
だから、そんな状況に嫌気がさしたとか、人一人助けて死ねるならこんな惨めな生でも意味があったのかな何て思えるような、そんな身勝手な考えが体を動かしたのかもしれない…。
自分の理解できない行動の推測をしながらも、僕は走り続ける。
いや、後少しで少女の前にたどり着くため、もう考えても無駄かな…後三歩、二歩、一歩!
「危ない…よっと!」
「…え?きゃっ!?」
僕はたどり着いた瞬間、未だに呆然としている少女の腕を掴んで強引に車の進行方向から外すように転ばせてから、少しでも僕の生存確率を上げるように悪足掻きでもタイヤに向けて巻き込ませるようにアイスの袋を投げつけ…ようとして止めた。
だって、気休めにしかならない気がするから。
それは何故なら……
「トラックなら転生は定番だけど、スポーツカーならどうなるんだろうね?」
そんな下らない事を口にしてから、火輪とお母さんは悲しむかな?何て疑問を最後に
キキーッ…ドオーン!
─この時の選択を私は後悔したのか、しないのか。それは今でもわからないですが…─
こうして、僕、御月月耀はその短い人生に幕を閉じた
はずだったのだけど…。
回りには何もない白い空間。
例えるならテンプレートな異世界転生ものの場面そのものって感じかもしれない。
もしかしてさっきまでのは夢で、今も夢をみているのかな?何て思ったけど…さっきまでの─僕が死んだという現実は、久し振りに全力で走った事によるスタミナ切れの苦しみや、あの異常な暑さを思い出すと、現実としか思えない…と思う。
でも、こんな摩訶不思議な場所…いったいどこなんだろう?
そんな事を考えた瞬間─
「本当にすまんかったぁぁぁ!」
と、いきなり土下座の姿勢で目の前に現れて、天使みたいな翼をつけた美人な女性に頭を踏まれた同じく天使みたいな翼をつけたお爺さんが現れた。
…………は?
1話から消費してもあまり意味がないかもしれない伏線をいれてみましたが…果たして消費するまで何話かかるのでしょうか?