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序章
ザーザー、ザーザー。雨が激しく降りしきる。辺りは雨でよく見えない。
「パパ、パパ。起きてよ。また寝た振りなんでしょ?」
少年は泣きながら胸の部分が欠損してしまっている父親に問いかけた。父親はふと笑みを浮かべ
「母さんを頼む…な。」
そう言って息を引き取った。
「何で?何でパパは死んじゃったの?ねぇ?村長どうして?答えてよ・・・。答えろよ。」
少年は泣いて叫んだ。喉が張り裂けんばかりの大声で叫んだ。村長は優しく少年を抱きしめ口を開いた。
「お主の父上はお主のため、お主の母上のため、村のために命をかけて戦ってくれた。そのお陰でこの村は救われた。」
少年はただただ泣き続けるだけだった。