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忌み嫌われる夜の令嬢ですが国家の中枢を担っています  作者: think


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24/87

レミゼラルムーン邸を訪問するサクリッド

「お嬢様、お客様がいらっしゃいました」


「あら?どなたかしら?」


執務室にて事務作業をしていると、ゼオンが執務室に訪れた。

彼は少し戸惑った様子を見せる。


「それが、異国連合のサクリッド殿でして……」


「訪ねて来るとは言っていたけれど、ずいぶんと早いご来訪ね。だけどなぜそんなに困惑しているのかしら?」


ゼオンにももしかしたら訪ねて来るかもと伝えておいたはずだけど?


「それがハオルシア様が偶然通りかかり、玄関ホールで不穏な雰囲気となってしまっているので……」


「もぉ……ハオルったら……すぐ行くわ。ただ着替えがあるので少し間を保たせてくれる?」


私は部屋着の水色ワンピースなので着替えなくてはならない。

はぁ……面倒くさいわね……

せっかく今日は着替える必要がなかったのに。


「難しいご注文ですが、尽力いたしましょう」


「あ、あとアイリスを呼んでね?」


「かしこまりました」


こうして私はアイリスと一緒に黒のドレスへ着替えることになった。

今日はそうね。

落ち着いたシルクにしましょうか。

……楽だし。


「……お嬢様?」


「何かしら?」


「面倒くさそうですね?」


相変わらず勘が良い子ね。


「さあ急ぎましょう?お客様をお待たせしてはならないからね」


「はぁい!綺麗にしちゃいますよ!」


なんとか誤魔化す私だった。




そうして着替えを終えた私が応接室に向かうと、扉の前でゼオンが待機していた。


「お待ちしておりました」


「ごめんなさいね。遅くなって」


「いえいえ」


「それで中ではどうなってるのかしら?」


「ハオルシア様が応対中ですが……」


「応対中と言えるような雰囲気じゃなさそうだけど……」


扉の隙間からは漆黒のモヤが流れているように見える。


「お通ししてから一切の話し声が聞こえておりません」


「まったく……入るわよ」


「かしこまりました」


ゼオンはそう言うと、扉をノックした。



「遅くなってすみません、サクリッド様」


「いえいえ、弟君と楽しく話させていただきました」


「そうですね、サクリッド殿」


向かい合って座っていた二人が立ち上がり、バチバチと視線が絡み合わせている。

どう見ても和やかな雰囲気という訳ではない。


「お座りなさってください。それで本日はどのようなご用件で?」


私はハオルの隣に座り着席を促すと、サクリッド様とハオルが同時に着席した。


「プレゼントを持って参りました」


「プレゼント?」


「はい。受け取っていただけると嬉しいのですが」


黒い包装紙に赤のリボンで包まれている長方形の箱を胸ポケットから取り出すと、テーブルの上に置いた。


「ありがたくいただきましょう」


なぜかハオルが受け取ろうとするが、


「弟君ではなく、ライラック様にですが?」


サクリッド様の手がハオルの腕を掴む。


「姉様にプレゼントなど百年早い!」


「はいはい。落ち着きなさいな」


私はハオルの背中を撫でるとハオルは大人しく座った。

それに対応してサクリッド様も手を離した。


「開けてみてもよろしいのですか?」


「ええ。もちろんですとも」


私は丁寧にリボンを解くと、包装紙の糊付けを剥がして開封していく。

すると白い箱が現れ、その蓋を開けると、黒い万年筆が姿を見せた。

蝶の金細工が美しく、一目で素晴らしいものだと分かる。


「このような素敵なものをいただいてもよろしいのですか?」


「はい。ライラック様も書類をたくさんお書きになると思い、選んでみました。なので使っていただければ幸いです」


「もちろん。使わせていただきます」


可愛らしいデザインだし、これは嬉しいわ。


「喜んでいただけたようで私も嬉しく思います」


ムスッとハオルがふくれているけど、太ももに手を乗せて押さえてある。

まるで犬のように我慢する弟がとてもおかしく思えてしまう。


「大変ありがとうございます。それとご用件はこちらのみですか?」


「いいえ。他にあと一つ」


柔和な表情を見せていたサクリッド様の顔が鋭くなる。


「デレリアット侯爵家と繋がっている者が判明しました」


それに対して私はニコリと微笑んだ。


「そちらのプレゼントも大変嬉しいですわ」


もう少しハオルには大人しくしてもらうことになりそうね。

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