スレ番9に何が起こったか『能力把握は大事です』
本日2話目の更新です
とはいえ俺に政治や経済の面で、氷河期世代発生の元凶や冷遇してる奴らへの、『ざまぁ』を敢行出来る知識はない。
俺にある知識は一般的な知識と、ちょっとオタクに寄った知識だけだ。
一般的な知識に基づいた『ざまぁ』はどうしても血生臭くなるし、多分ざまぁ対象者のほうがそう言った類の知識は持ってるだろう。
と、なると、オタク寄りの知識を活用して『ざまぁ』にする事になるよなぁ。
今でこそクールジャパンとか持て囃されて、社会的地位も高くなったけど、俺らが10代の頃はオタク=人権必要なしって位には扱いが酷かった。
昔に比べて政治家や経済人もマンガアニメ好きな人は増えたけど、未だにそっち方面の知識や認識が浅い人も多い。
そう言った奴らからしたら、昔貶めてた物に『ざまぁ』されるのって屈辱的なはずだ。
とりあえず、俺はめーちゃんにどれくらいの事が出来るのか確認してみることにした。
「めーちゃんって、人間世界の物理法則とかって変えられる?」
「どの程度かにもよるかな。引力を下から上にするってなると、結構骨が折れるけど。それより簡単な物理法則変更なら問題ないと思う」
おおう……めーちゃん、思ってた以上にハイスペックだ。
とはいえ万有引力法則改変が俺の考えてる事柄より簡単かが不明過ぎる。
そう俺が『ざまぁ』として思いついたのは、現代ファンタジーとしては定番の現実世界+ダンジョンの世界だ。
氷河期世代に他世代にはひっくり返すのが難しい位の潜在能力を与え、他世代が悔しがるような世界にしたいのだ。
もし政府が再び氷河期世代をいいように扱おうものなら、氷河期世代が自衛出来る位の力は与えたい。
それでも国家反逆罪とか適用しようとするなら、その時は仕方ないので、めーちゃんに断じてもらおう。
ただなぁ……力を持った氷河期世代が虐げられた反動で傲慢になって、傍若無人になる人たちも出てくるだろうし、その辺をどうすればいいかっていう将来的な問題もある。
あと氷河期世代でも人間性が下劣な奴に力は極力与えたくないし、逆もまた然り。
まあ、今から考えても仕方ないか……
「それと、めーちゃん、人間世界にダンジョンって作れる?」
「ダンジョン?」
「うーん、迷宮って言った方が分かるかな?」
「リュっちゃん、ちょっと分からないかも。修行中は人間世界の情報から隔離されてたからなぁ……」
めーちゃんが申し訳なさそうに呟く。
「うーん、ドラ◯エに出てくる洞窟や塔みたいな奴なんだけど」
めーちゃんと遊んでいた頃にも存在していた、国民的RPGのタイトルを挙げて言い直してみた。
「家にピコピコなかったから、名前だけは聞いたことあるけど、実物は見たことがないんだよね……分からなくて本当にゴメン」
そういや、めーちゃん家ってお祖母ちゃんと2人暮らしだったっけ。
年寄りって家庭用ゲーム機をピコピコと言いがちだもんなぁ……お祖母ちゃんが言ってたの移っちゃってるのかな。
俺がめーちゃんのピコピコにほっこりしてる横で、めーちゃんはズーンと言う効果音が似合う位に目に見えて落ち込んでいた。
「いや知ってるか確認しただけだからね、気にしないでよ。知らないなら、俺もっと具体的な説明するしさ」
マズい、良かれと思って追加説明してみたけど、状況が悪化してる。
俺はあの手この手で、必死にめーちゃんを慰めた。
慰めの効果があったかは定かでないが、めーちゃんが何とか浮上したようだ。
「リュっちゃんから説明されるのも捨てがたいけど、ここは効率性重視でいかせてもらおうと思います!」
右の拳をグーに握り、腕を高く突き上げ、力強くそう言う。
そしてめーちゃんはクルリと俺に向き直り、俺に近づくと両手で俺の頬を包み込んだ。
唐突な行動に驚いた俺が身動きが取れないでいると、どんどんめーちゃんの顔が更に俺の顔に近づいて来る。
20センチ、10センチ、5センチと近づいてくるめーちゃんの顔。
5センチまで近づいてくると、極上の美少女であるめーちゃんの息づかいや唇の瑞々しさが、俺の五感全てを刺激する。
耳の後ろで心臓音が鳴り響いて、首の後ろがジリジリと焼けるように締め付けられる。
4センチ、3センチ、2センチ……もう俺が唇を突き出せば口付け出来るくらいの距離にめーちゃんの唇がある。
口付けされる?! 女性に免疫がない俺でも、ここまであからさまなら予想出来る。
この予想、ギャンブルで言うなら本命予想だ。
なぜかこの年まで、女性に縁のなかった俺にとってはファーストキス……どうしてキスされる事になったのか全く分からないが、ここまで近づかれたら、もう逃げられないし、覚悟するしかないのだろう。
俺は観念して目を瞑った。
そして待つこと数十秒、予想していた感触が俺の唇に訪れる事はなかった。
代わりに額に唇より少し固い感触が……ん、あれ? 俺は目をうっすら開けてみる。
そこにはめーちゃん目を瞑っためーちゃんのドアップがあるが、キスされるというよりも、親が子どもの熱を額で測る様子に近かった。
至近距離の美少女の目を瞑った姿はこれはこれで来るものがある。
ドキドキというかソワソワというか、めーちゃんのドアップに何だかいたたまれなくなり、俺は慌てて再度目を閉じた。
「ニシシ、リュっちゃん知識ありがとー。おかげで完全に理解出来た」
俺が目を閉じてから数秒、めーちゃんの額が俺から離れる。
思わず自分の額に手を当ててみる。心なしか熱を持ってる気がする。
「これでも神さまだからね、額を合わせれば、知識の共有もお手のものなんだよ!」
「コ◯ーロボットみたい」
「ニシシー、あのアニメ大好きだったから、頑張って習得したんだー」
えっ、まさかのあっちがオリジナルだった。
よく異世界転生系の話で『魔法は発想力とイメージが大事』って設定あるけど、まさか神さまにもそれが適用されてるとは思わなかったよ。
「それはそうと、リュっちゃんの知識共有して、どんな事したいか大まかに分かったよー。結果からいえば全然出来るよー、余裕のよっちゃん」
「余裕で出来るのかー……めーちゃん、凄いなぁ」
めーちゃんの発言に俺はそういうしかなかった。




