スレ番42の東雲色の起動
オレがステータス画面のベースに選んだのは、証券会社の株式取引ページだった。
手酷く裏切られてから、あのお方に出会うまで、オレを支えてくれていた株式投資。
デフォルト設定やオリジナル設定を使うことも考えたが、やはりこれ以外には考えられなかったのだ。
どんなベースよりもオレにとって、これが一番上手く扱えるステータス画面だと思ったのだ。
オレはスマホに証券会社の株式取引ページを映して、読み込ませると、プログレスバーが現れステータス画面内部で処理が進んでいく。
待つこと数分バーが消え、オレ専用のステータス画面が映し出された。
オレ専用ステータス画面は2分割されており、PCなどで通常アドレスが表示される位置に、片方は「対本人」、もう片方は「対他人」と表記されている。
ただし、ステータス画面が全体的に暗いグレーで、真ん中にはこう記載されていた。
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現状では使用者の能力値不足のため、ステータス画面を起動できません。起動するには、いくつかのステータス項目をロックする必要があります。ロックしたい項目に触れてください
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どうやらステータスUIが作成出来るとは言っても、何でも無制限に作成出来る訳ではないようだ。
作成出来る内容は本人の能力値などによって変わってくるらしい。
そういえば、あのお方が以前、意思力の強さがスキル取得に影響するし、氷河期世代にはそれらにバフがかかるとも仰っていた。
多分、ステータスUI付与に関しても、これが適用されるんだろうな。多種多様な能力を使うには本人の器もそれなりに必要なんじゃないかと予想。
で、現状のオレではステータスUI側が調整したUIを全部実装するには、器が足りないということか……
正直、しばらくは独りなのと、あのお方以外とは積極的に付き合う予定もないので、ステータスUIの「対他人」はいらないな。
オレは対他人の項目に触れ、そのステータス表記をアンロックする。
すると2分割されていた画面が対本人の項目だけになり、対他人の項目はステータス画面上に鍵のアイコンが表記され、窓が小さくなった。
これ「≡」マークの中に入るのかな?
オレがアンロックした小窓を指で動かし、画面右下にある「≡」の上に重ねると、小窓が吸い込まれていく。
これで少し画面がスッキリしたな。
残った対本人と書かれたステータス窓はといえば、暗いグレーだったのが明かりがともり、色も透明になった。
明るくなったことで、読めなかった詳細も確認出来るようになった。
ステータス画面内は主に3種類の内容で構成され、内容ごとに大・中・小の枠で区切られている。
大枠が「対本人」
中枠が「スキル全般」
小枠はそもそも最初から最初からロックがかかっていて、見ることができない。
うーん、1つの画面に違う内容が表記されてるのは使い勝手悪いな。
これは内容別に窓を分けた方が見やすいか……
そう思い、中枠の項目を指でなぞり四角く囲むと、左下にある「NO CHOICE」と表示中の窓に内容を移した。小枠の項目も、同じようにする。
これでステータス画面上には一番大きく表記されている項目だけが表示されるようになった。
内容は①〜⑥まで左から順番にこんな感じだ。そして、画面の右下に余力EXPの項目がある。
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①能力値名
②現在値
③投資EXP
④戦闘実績値
⑤現在評価EXP
⑥現在EXP損益
余力EXP
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こんな項目が株式投資ツールのPFのように表記されている。
そして新しくポップアップウィンドウが現れ、こう説明が書かれていた。
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PF「対本人:個別能力値投資」は使用者の能力値を銘柄化して、余力EXPを任意の能力値に投資することで、能力を強化します。
各項目の説明は以下の通りです。
①能力値名……対象として選んだ任意の能力値名
②現在値……現在の能力値
③投資EXP……①に対しどれだけEXPを投資しているかを示す数値。必要最低EXPは②✕100
④戦闘実績値……戦闘においてどれだけ優れた戦い方をしたかを示した値、購入直後は②=④
⑤現在EXP損益……リアルタイムでのEXP損益
⑥現在評価EXP……④✕③の値
PFに①を加えることを購入、PFから①を外すことを売却といいます。
この購入、売却は戦闘中しかできません。ただし戦闘中であれば任意のタイミングで売買出来ます。
強制的に売買されることはありません。
また能力値を売却した場合、能力値は売却時の数値で固定されると共に、売却時の⑥の数値が余力EXPに戻されます。
余力EXPについて。
能力値を購入すると購入時点での②×③の値分EXPは拘束され余力EXPが減少し、売却すると売却時点での⑥の値分、余力EXPへと戻ります。
余力EXPは敵を倒すと取得できます。
その際に獲得できる余力EXPは敵が保持している経験値の半分となります。
残り半分はレベルアップへと使用されます。
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なるほど、こんな感じで株式投資ツールがステータスに反映されたのか。うん、大体の仕様が理解出来た。
株式投資における銘柄がオレ自身の能力値で、株式市場が戦闘ってことで間違いないだろう。
株式売買は原則的には取引時間中しかできないから、能力値の購入、売却も戦闘中にしか出来ない仕様になっているってことか。
戦闘実績値っていう項目は、株式投資には馴染みがない言葉だな。
株価の場合は誰かと競ることで値上がりするが、銘柄が自分の能力値だと競りようがないから、代わりにこの要素が加わった感じか……
で、実績値が上がると、購入した能力値もその分上がって、売却時に購入時の能力値との差分利益ないし損益が出る仕組みってことだろう。
現在EXP損益の項目があるのは分かりやすいな。
戦闘実績値だけ検証が必要だけど、あとは何とかなりそうだ。
余力EXPは投資でいう現金余力に近い。
投資においては、現金余力を追加でどれだけ投入できるかが大事になってくる。
もちろん追加投入なしで、成功してる人もいるにはいるが、基本は余力があるに越したことはない。
と、なってくると取得経験値の半分がレベルアップに吸われるのは地味に痛いな。
能力値は「対本人:個別能力値投資」で伸ばせるから、レベルアップする意味は、スキルポイントを手に入れるためのみになる。
余力EXPの仕様に関しては弄れるなら弄りたいな。直接余力EXPでスキルポイント買えれば、それが一番いいのだが……
少し確認するか。
オレは「スキル全般」の項目を振り分けた小窓を開いてみるのだった。




