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氷河期無双のエトセトラ―逆襲の日本ダンジョン化計画―  作者: ご飯食べたい
日本迷宮化計画〜日本をダンジョンにしてしまえ!〜
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スレ番9の『神様はう◯こしない』

 氷河期世代の同胞たちには、俺の安寧のため、多少の痛みは分かち合ってもらう方向で話はまとまった。

 まぁ、もっぱら俺の中でだが……

 痛くても効果はバツグンだから、それで許して欲しい。

 痛いけど……大事だから二度言った。


 お詫びと言ってはなんだが、最初に選べる他の希望スキル候補はスレで聞いておこう。

 俺もめーちゃんもある程度、アニメや漫画、ラノベは履修してるけど、スレ住民には俺たちより詳しい奴らがたくさんいそうだからな。


 そういえばめーちゃん、今日から初期設定で選択可能なステータス画面の作成に使う元のゲームソフト読み込むって言ってたっけ。


「そういえば、これからゲームソフト読み込むの?」


「そのつもりだよ」 


 元に戻るための障害に頭を悩ませ、他の氷河期世代に目眩ましになってもらおうと考えたりしてたから、なんだかんだでめーちゃんが抱きついたままだった。

 けど考えもまとまったし、これ以上は本格的に俺の息子が滾りかねないので、めーちゃんとは距離を置かねば……


 俺は、ずっと抱きついているめーちゃんの腕を外した。


「むー、ずっとくっついていたいのにぃ」


 めーちゃんが距離を取った俺に再度くっつこうと腕を伸ばしてくるが、俺は既のところでササッと避ける。


 んー、若い体って素晴らしい!


「リュっちゃんの、意地悪ぅ」


 めーちゃんが上目遣いなジト目で俺を睨んでくる。美少女っていうのはジト目すら可愛いんだよなぁ。

 しかも美少女の上目遣いって破壊力バツグンなんだよ。


 普通のがやったら、媚びてるみたいな嫌らしさを感じるんだけど、めーちゃんだと別のイヤらしさを感じる訳で……


 あー少し物理的に距離置いたから、イロイロ落ち着いたと思ったのに、また湧き出てくる俺の白いリビドー。


「と、とにかく、俺、リビング行ってるからね!」


 多分、はたから見たら、俺は落ち着かない様子なんだろうなぁ……


 めーちゃんが昨日、『ご飯いらない』って言ってなかったら、精神を落ち着かせるために張り切ってブランチ作ってた自信がある。


 この体で過ごすのは確定済みだし、これからの事……主に俺の欲望の処理に関しては真剣に考えねば。

 

 俺がリビングに移動したから遅れる事数分、めーちゃんもリビングへやって来る。


「それじゃ、始めよっかな」


 めーちゃんはそう言うと、俺が昨日ゲームソフトを手に取った。


 ははーん……アレを額に乗せてコ◯ーロボット方式で読み取るんだな。もう何度かアレを食らってる俺には分かる。


 そう思っていたのに、めーちゃんはゲームソフトをテーブルの上に置くと、近くにあったウェットティシュでソフトの表紙を軽く拭く。


 ん? 中古だから直接額に付けるのに、抵抗感があったのかな?


 俺がそう考えていたら、今度は昨日俺が渡したソースせんべいの袋を開け、その中から1枚取り出し、おもむろにゲームソフトの上に乗せた。


 よく見れば、ソースせんべいの表面にびっしり黒い文字が浮き出ている。

 めーちゃんはソフトに乗ってけていたソースせんべいの上に、更に新たなソースせんべいを乗せた。

 すると又しても瞬く間にソースせんべいから、文字が浮かび上がる。


 結局、一袋分のソースせんべいをゲームソフトの上に乗せるまで、それは繰り返されるのだった。


 まずゲームソフトの上に、ソースせんべい乗っけるのもおかしいし、乗っけたソースせんべいから文字が浮き出るのは、もっとおかしい。


 と、思っていたら、めーちゃんは文字入りソースせんべいを手に取り、何の躊躇もなく食べ始める。

 1枚、また1枚結構な量のソースせんべいを黙々と食べ続け、10分程度で全てを食べ切った。


「ふぅ、リュっちゃん。ゴメンだけどお茶欲しいな、口の中がパサパサだよぅ。ソフトの内容を取り込む方法としては手軽でいいんだけど、口の中の水分全部持ってかれるのが玉に瑕だよね〜」


「あ、ああ……」


 俺は冷蔵庫から麦茶を取り出し、コップに注ぐとめーちゃんに渡す。


「ありがとう、リュっちゃん」


 美味しそうに麦茶を飲むめーちゃんを見ながら、一連の出来事について、ある結論を導き出した。


 これ暗◯パンじゃん!


 めーちゃんの大好きな御大が考えたシークレットツールの中でも、そこそこの知名度を誇るヤツ。

 本やノートの上に乗せると内容がパンに移って、食べると内容が暗記出来るというアレ。

 受験勉強中にあったらいいのにと……と一度は思ったあのアイテムだ。


 あれ? だけど、暗◯パンって、確か体外に排出したら記憶した内容全部忘れるんじゃなかったんじゃないか?

 しかも、パンじゃなくて、なにゆえソースせんべいなんだ?


「あのさ、めーちゃん、それって暗◯パン的なものだよね?」


「やっぱり分かる? さすがリュっちゃん!」


「多分、日本人の結構な人数分かると思うよ。でも何でソースせんべい?」


「別にパンでもいいんだけど、1枚で読み込める内容量がソースせんべいの方が多いからね」


 パンでも試した事あるんだな、めーちゃん。


 確かに表面積は食パンよりソースせんべいに軍配上がるし、パンより満腹にならないか……なるほど。


「でも、アレってトイレ行ったら、食べた分の記憶、全部忘れるんじゃなかったっけ?」


 そう、そこだよ。折角食べたのに排泄したら、水の泡な設定だった気がする。


「え? う◯こしたら忘れちゃうってこといってる?」


「可愛い女の子が、『う◯こ』なんて言っちゃダメェ!」


 別の意味で破壊力が強すぎる。


「えへへ〜、もうリュっちゃんってばぁ、アタシのこと可愛くて、綺麗で、優しくって、好きで好きで仕方ないなんて思ってくれてるの〜?」


 めーちゃんが、『う◯こ』から離れてくれるなら、何でもいいから! 

 発言内容は全く頭に入ってこないが、とりあえず『う◯こ』からは遠ざかったみたいで、ひと安心。

 でも、俺の疑問には何の答えも出てないんだよなぁ。


「でさ、結局のところはどうなってるの?」


「ん? 神さまは『う◯こ』しないから大丈夫!」


 通じてない、俺の思いは全く通じてない! 

 しかも美少女の『う◯こ』発言よりも、衝撃な事実がめーちゃんの口から語られた。


「『う◯こ』しないの?」


 なるだけ、その言葉は口にしないように気をつけていたんだけど、あまりの予想外の事実に、俺は思わずその言葉『う◯こ』を口にしてしまった。 


「そうだよ! 神様、『う◯こ』、しない!」


 なに故そこで片言になる? そんな疑問を持ちつつも、めーちゃんが詳しく話してくれた。 


 そもそも神様は食材から栄養を摂らないとのこと。しかし『神様は何も食べなくても生きていける』って訳でもなく、食事も必要なのそうだ。


 じゃあ『神様は食事の何から栄養を摂るのか?』って言う疑問が生まれる。


 めーちゃんが言うには、食材をそのまま食べる場合は食材が持つ『気』と言うものを栄養にする。


 お供え物で栄養を摂る場合は、お供え物を供えた人の祈りの念がお供え物に宿るので、その『念』そのものを栄養とするそうだ。


 そして料理で栄養を摂る場合は、作った人が食べる人に対して込めた『思い』が栄養になる。


 なので神様の味覚の判断基準と言うのは、食材の質とか料理人の技量より、食事が出来上がるまでに込められた思いや念に重きが置かれるそうだ。


 めーちゃん曰く食材の質や技量が、料理の味に全く影響しなくもないが、それよりは思いや念の方が重要で、味覚への影響度合いとしては、食材・技量3割に対し、気・念・思い7割くらいとの事。


 神様は『気』『念』『思い』を持つ食材なり料理なり、そのものを体内で吸収する。なので人間のように栄養吸収時に残りカスは発生せず、結果として排泄物も出ないと言う。


 そう言えば、めーちゃんは事ある事に、俺の作ったものは何でも美味しいと言っていたが、それは比喩表現でも何でもなく、文字通りの意味だった。


 そりゃあ、めーちゃんに美味しいと思って欲しいなぁと、思って料理しているのだ。

 そんな味覚をしているなら、めーちゃんにとって、俺の食事は美味になるだろう。


 ちなみに、ソースせんべいの味は? と言うと、ほぼ無味で食感だけがボソボソしてるそうだ。

 ああ、多分機械で作ってるから、人間的な思念がほぼなくて、食材としてもあまり『気』が内包されていないんだろうなぁ……


「アタシこの家に来てから一回もトイレ行ってないでしょ?」


 そう言えば……めーちゃんが家に来てから数日が経過したけど、一回もトイレ行った記憶がないな。

 人間なら数日一緒にいれば何度かお手洗いに立つ様子が見受けらるはずなのに……


 めーちゃん、本当に人間じゃないんだなぁ……


 もう何度目かになる、めーちゃんが人間じゃないと言う事実を思い知らされる。

 俺にとっては大事な存在なんだけどね。

 大事な存在だからこそ、若返った肉体が、めーちゃんの体、仕草、存在そのものに過敏に反応して困るんだけどさ。


 でもトイレいかないってことは、めーちゃんと暮らす上でトイレだけは、俺だけの空間でサンクチュアリってことか!


 よかった、何とか心置きなく自宅で俺の欲望解放できそうだな……若返った肉体でどうやってめーちゃんと一緒に暮らして行こうかと思ったけど、何とか算段がついて本当によかった。

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