スレ番9の『下着も必要です!』
【オーバーキル】悲報、めーちゃんに下着の概念がなかった件【ヤメて!俺氏のHPはもう0よ!】
頭の中にそんなスレタイがババンっと思い浮かぶくらいには、衝撃的なその事実に俺は頭を抱える。
発覚したのは俺が意を決して、下着はめーちゃんに選んで欲しい事を伝えた時だった。
「下着ってなに?」
めーちゃんがそう答えた際、めーちゃん冗談言っちゃってまぁ、俺をからかってるのかな……なんて呑気に思っていたんだよ。
だから、なるべく俺のライフが減らない言い回しで、下着の意味をめーちゃんに伝えたんだ。
俺が焦ってるの見たいのかなって思ったから、めーちゃんの魂胆に乗るまいと、出来るだけ冷静を装ってさ。
「服の下に着るヤツだよ」
「服の下に着るなら、それは服じゃないの?」
そうしたら、そんな風に答えが返ってきたんだ。
で、色々聞いて行くうちに本当に下着を知らないって事が分かった。
服の下に着るヤツ……それが俺の下着に対する説明の限界ギリギリなんだよ。
それで分かってもらえない場合、俺にはもう説明する術が残っていない。
しかし現代人にはネットと言う強力な武器がある。
俺は先ほども頼った現代人の武器に『下着とは』と打ち込む。そうすると武器は数秒も経たずに最適解を提供してくれるのだ。
ありがとう、ネットよ。
ありがとう、検索エンジンよ。
そして、めーちゃんにそれを読んでもらえれば、ミッションコンプリートって訳である。
「えっ、保護なら結界で覆えばよくない?」
めーちゃんが下着の検索結果を見て、直後に発した感想がそれだった。
「いやいやいや、人間は結界張れないからね! それにここ、ここ見て! 病気とかから守るって書いてあるでしょ?」
「そこ守らないと人間って病気になるの? 脆すぎない?」
「絶対病気になるわけじゃないけど、着てた方が病気になりにくいって話で! それに保温とかの役割も……」
「神さまだから、そういうの全部結界で済むし。そういえば、この直接の刺激ってどういう事? それにファッションって書いてあるけど、下着って人によって好みがあるものなの?」
検索結果の説明文の内容で、一番触れられたくなかった箇所に、めーちゃんが容赦なく触れてきやがった!
いやもうね、精神的に追い詰められてるから、口調も乱れてくるってもんだ。
「いや、まあ……その」
情けない事に歳を重ねた男の余裕など一切ない。そんなの答えられる訳ないじゃん。
『ピー』や◯◯は『ズッキューン』でもあるから敏感で、専用の布で覆ってないと刺激が●●なんてさ。
「アタシに下着1人で買えっていうのに、説明出来ないってどういうことなの? リュっちゃん?」
めーちゃんの口調から本当に純粋に疑問なんだろうというのは見て取れる。
とは言っても48年間彼女なし魔法使いな俺には、下着の概念がない美少女に、下着について上手く説明するのは途轍もなくハードルが高いんだよ!
「と・に・か・く、下着はめーちゃん1人で選んで!」
俺は再会してから、初めてめーちゃんに対して大きい声を張り上げた。
初めてめーちゃんに向けて張り上げる大声が、危険を知らせるとかじゃなくて、こんな事だなんて……
「むー、カチンときた。絶対、リュっちゃんから説明受けるもん」
そう言うと、俺の肩をめーちゃんが自分の両手で押さえつける。
あ、コ◯ーロボットか! 2回もされていれば察しもつく。
ヤバいヤバいヤバい、今までとは別の意味でヤバい。
俺の尊厳的な意味でヤバい。
逃げなきゃ! 俺はめーちゃんの腕を振り解こうと動いた。
「!!」
動こうとはした。しかし体が全く動かない。
「リュっちゃん、逃・げ・ちゃ・ダ・メ」
あ、これ俺が言ったさっきの『と・に・か・く』に対しての意趣返しだ。
コ◯ーロボットから逃げられない、俺はそう悟りちょっとだけ現実逃避した。
「リュっちゃんが下着について、何を考えてるのか知るの楽しみだなぁ~」
めーちゃんはその言葉と同時に、額を俺のそれとくっつける。
俺に出来るのは、なるだけ頭の中の下着の情報に、俺の好みが反映しないようにすることだけだった。




