スレ番9の『お洋服は必要です』
服を買おうと言ったものの困った、非常に困った。
まず俺は生まれてこの方、おしゃれか否かでなんて選択基準で、服を選んだ事などない。
更に問題なのは、めーちゃんの外見年齢が女子中高生であると言うことだ。
もし、めーちゃんが男子なら、何となく無難な洋服と言うのを選べるとは思うんだ。
だけどこの年頃の世間一般的な女子が、どんな感性で何を可愛いとしてるのかが、全く持って分からない。
しかも、めーちゃんの時は40年前で止まってる。可愛いの感性があの時代のままってこともあり得る。
なので、めーちゃんの可愛いで服を選んだ場合、現代の感性で言うとダサいって結果になりかねない。しかも俺じゃその判定が出来ないのが、更に問題なんだ。
こう言う時、一番いいのは女子に人気のあるブランドを調べて、そこのショップに行って店員にアドバイスもらいつつ、何着か選ぶ事。
ただこれには少しだけハードルがあって、そういう店に行く場合、最低限ポイントを抑えた服装で行かないと、店員も親身になってくれない場合が多いんだよなぁ。
昔、正月親戚の集まりで、お年玉をもらい、従兄弟たちとブランドの店に買い物に行こうって事になったから、普段着で行こうとしたんだよ。
そしたら従兄弟たちに止められたんだよな。ブランドの店に行くには、それなりの格好しないと恥ずかしいって。
なんかその店の色というか、格みたいなものがあるんだそうだ。
結局、その従兄弟から服を借りてブランドの店に行ったんだけど、当時の俺からすると商品が滅茶苦茶高くって、結局何も買わずに帰ってきたっけなぁ。
その時は店員が色々話かけてきたけど、後日1人で普段着で行ってみたら、『いらっしゃいませ』は言ってくれたけど、全く相手にされなかったんだよな。
従兄弟たちの言ってた事はこう言う事かと、納得したのはよい思い出だ。
まぁ、めーちゃんの場合、顔面ポテンシャルあるから、店員さんも親身に相談に乗ってくれると思うけどさ。
あと外出着だけでなくて、近所のスーパーに行くレベルの普段着も買わなくちゃならないから、ブランドの服だけ買うわけにも行かないんだよな。
横ではめーちゃんが期待に満ちた目で俺を見つめていた。ワクワクという擬音が出てるくらい期待に満ち溢れている。
うーん、期待が痛い。
ファッションに素養のない俺が1人で悩んでいても、解決の糸口は見つかるはずもない。
こう言う時は素直にネットを頼ろう。
俺は『おしゃれ初心者 女子』と検索し、片っ端からサイトで調べることにした。
ふむふむ、どうやら服のシルエットには大まかに『A』『I』『X』ラインがあって、ラインを作る事を心がければ、そこまで外したファッションにはならないようだ。
色も初心者のうちはモノトーンでまとめれば、大外しはしないみたいだな。
カバンとかは別の色にすると『差し色』になるとの事。
なるほど、アクセントみたいなものか……とは言っても、ダメだ、内容の半分も入ってこねぇ。
おっ、このサイトは載ってるコーディネートの紹介文クリックすると、購入できるのか! これは便利。
「この辺りを普段着で購入しようと思ってるんだけど、めーちゃん的にはどうかな?」
「リュっちゃんがアタシが着て、似合うって思う服なら、何でもいいよ」
「めーちゃんは可愛いから、服のチョイスを大外ししてなければ、何でも似合っちゃうと俺は思うんだよ。だから選択肢多くて困るんだよね」
リュっちゃんがアタシを可愛いって……とか、服何でも似合うって……とか呟いてるけど、めーちゃんが可愛いなんてのは普通の事なのに、どうしたんだろうな、めーちゃん。
「じゃあ、一式買っちゃうね。でも、サイズってどうしようかなぁ」
ウエスト回りのサイズならSだと思うけど、出てるところは出てるから、Lサイズになるのかな?
「そこは気にしなくていいよ。神力注げば、ぴったりサイズになるし、念じただけで服の切り替えも出来るし」
えっ、そんな事も出来るの?
俺と接しているめーちゃんって昔から変わってないから、めーちゃんが神さまだって事、ついつい忘れちゃうけど、定期的に爆弾落としてくるんだよな。
そんな事を思いつつ服の注文を終えた。あとは届くのを待つだけ。
服の注文は終えた。だけど人間に必要なのは服だけじゃないのだ。
下着も必要なんだよ……当然ながら。
でも下着を俺が注文するのは無理だよ。実務的には出来るよ、でも精神的には絶対無理だって!




