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【第15話】タイ②~パタヤ・バンコク~

~主な登場人物~


小峰慎志(こみねしんじ)

主人公。埼玉の所沢市にあるアパートに住んでいる27歳の青年。

仕事も恋愛も上手くいかず、思い通りにいかない人生に嫌気がさしていた。

そんな時、”海外を旅して巡る”という幼い頃の夢を思い出す。

後悔ばかりの過去、不安な未来、閉塞感漂う今の生活。

そういった、あらゆるしがらみを一度忘れて、海外へ旅に出る決意する。

挿絵(By みてみん)




【パタヤ】

内陸の方を観光してきたので、次は海へ行ってみたい。

というわけで、ネットで調べた結果、今度はバンコクを南へ。

かつて米軍の保養所として開発されたビーチリゾート、パタヤを目指す。

移動手段はバスを選んだ。

バスステーションで「パタヤ!パタヤ!」と連呼して乗車券が買え、乗り場も教えてもらえた。

みんな親切だ。


バスは冷房が効きすぎて寒いくらいだった。

国王様らしき人物の写真があり、他でも見かけたので、国民は崇拝してるんだなぁって思ったり。

そしてバスに揺られ続けてパタヤに到着。


「わーい!海だー!」

水平線まで広がる海を見て浮かれるも、それは一時だけだった。

海に入ってる人がいない。

海に近づいてみると…これは期待していたのと違う!

海の色が灰色で、イメージしていた南国の透き通った色とは異なった。


パタヤのビーチが想像と違い、見た目が綺麗でない事に落胆しつつ…。

ここから行ける範囲で綺麗な海が見られる場所を宿でネット検索したところ、

ラン島、サメット島、シーチャン島がヒット。

一番アクセスしやすいラン島への上陸を決意した(#^^#)


ラン島の観光当日。

乗船して乗客がみんな浮き具をつけるから、沈没の危険があるのか!?とか思った。

全然そんなことはなく、装着が義務付けられているようだ。

すぐそばを通り過ぎる高速ボート。

すぐにラン島まで行けるけど運賃がこの船の10倍くらいした。

高速ボートに乗ってる人が見えたけど、海水が飛び散りまくって大変そうだった。


ラン島に到着して感動する。

期待していた透き通るようなオーシャンブルー。

これぞ期待していた南国の美しい海!

シュノーケリングしてる人が至る所にいた。


船を降りる時に操縦席が見えたのだが…。

白のタンクトップにトランクス、裸足といった姿でスマホでゲームをしている若者が座っていた。

こりゃ、怖い。

浮き具もつけたくなる。


改めてかき氷のブルーハワイみたいに綺麗な色をした海を眺める。

海原はまるでガラス破片を一面に撒いたようなキラキラで、陽光を受けて輝いている。


こんなロケーションだから、観光客はみんな浮かれていた。

僕も例外なく浮かれた。

はしゃいで喉が渇いていたのでコーラを買ってぐいぐい!

本土の3倍くらいの値段したけど、3倍美味しい!

充分な付加価値がのっかってた('ω')♪


しかしやはり日差しが強いので日陰で休んでいる人もいる。

うつ伏せでブラジャーしていない女性を見るとおおっ!てなる。

この炎天下で身体を焼いてる人も猛者もいた。

島にはビーチが幾つもあって、アジア人の多いビーチとか白人の多いビーチとか。

そういう人種の好みに影響する要素が、ビーチごとにあるのかなあと疑問に思ったり。


銃が撃てる店があったので、記念に銃も撃ってきた。

22口径のハンドガン、一番安かったコースをセレクト。

それでも5弾で600B、観光客向けの価格だ。

撃った時の衝撃に最初は驚いたが、ある程度はコントロール出来たと思う。

最後に的の紙を貰うと、ちゃんと全弾分の穴が開いていた。


島にはレンタルバイク店があり、レンタル料金も一日300Bと格安。

青い空、青い海に囲まれた島内でのツーリングは格別だった。

島を巡り、さまざまなビーチでシュノーケリングや、売店で軽食を買っては食べた。

夢のような時間だった。


良い面ばかり表に出ている島だけど、負の側面もツーリング中に発見した。

広い空き地に大量のゴミの山。その一帯でむせるような悪臭。

観光客が押し寄せて経済効果があった反面、これは問題だ。

楽園の代償…考えさせられる。



パタヤではパークタワーという塔へも行った。

地上175m、展望デッキからパタヤを一望できる。

僕が訪れた時、観光客の姿が見えず、人がいなくて経営を心配してしまった。

維持管理の為に国から幾らか補助金が支払われているのかもしれない。

従業員もドリンクを飲んでスマホを弄っている。

このガバガバでゆるい感じ。


タワー屋上から地上に戻る時はめっちゃ楽に行ける。

塔屋外から地上に張られたワイヤーを伝って降りるアトラクションがあるのだ。

僕も体験してみたが、ワイヤーを伝って降りる速度がすごい遅い。

下を見ると背筋が凍る光景で、早くしてくれ~!って心の中で叫んだ( ゜Д゜)



時々、異国の地で一人旅という状況に心細く思った事が何度かあった。

しかし、この時にはそういったメンタルを脱していた。

僕が暮らしている日本とはまったく違う、タイの人々の暮らしというか、感覚というか。

感化されすぎると日本社会でやっていけなさそう、そんな心配も少々…(;^ω^)


夕焼けを見て、切なさとは違う儚さを感じた(´ω`)

一日の終わり、全てには終わりがあるのだという事実。

当たり前だけど、それは大切なこと。

アニメぼのぼので、そんな話があったような、なかったような…。


暗くなり、夜がやってくるとウォーキングストリートが賑わい始める。

カオサンロードのように活気に満ちているが、こっちはアダルティな雰囲気がある。

至る所で薄着の女性がキャッチしている。


歩行者天国では、プロレスの試合が見れたり、

道路を隔てて、野菜炒めをフライパンでキャッチするパフォーマンスなどがあり、

歩いているだけで楽しかった(*‘∀‘)


ゴーゴーバーらしき店も沢山ある。

事前にネットでよく見かけていたタイ代表の夜の風物。

面白見たさでゴーゴーバーに潜入してみた。

ここでは好みの女性がいたらお金を払ってお持ち帰りをして…

イヤーン♡アーン♡な事をする、というシステム。

男性オンリーの娯楽かと思いきや、同性愛者、女性用のゴーゴーボーイもあるというから驚き( ゜Д゜)

テーブルの上でセクシーに踊る女性たちを見ていたら、仕切ってるおばさんにに”誰か指名しなさい”みたいな事を言われた。

いくらか聞いてみたら”全て込みで4000B”って言われて、そんなお金払えませーん('ω')


路上で”面白いショーがたったの350Bで見れるぞ!”と言われたから、

ついていったらえらい目に遭った(;^ω^)

そこではステージの女性が性器にボールを入れたり、性器からの風でろうそくの火を消したりと…

カオスなショーを見せられてポカーン…( ゜Д゜)

とにかく女性の割れ目を酷使するパフォーマンスは、見ていてこちらの股間が痛くなってくる!

割れ目からバナナの欠片を発射して観客に当てるパフォーマンスで、一発ぼくの顔に当たった…(; ・`д・´)

なんかヌルヌルしてた。

チップも執拗に求められるし、怖ろしい混沌を味わった。



挿絵(By みてみん)



【バンコク再び】

バンコク、外気温35℃…。

とにかく暑い。

外にいると何もしなくても汗が噴き出してくる。

常夏の国である。


しかし、暑い暑い!言ってると、急に雲行きが怪しくなり…

ドッババババババー!!って凄い雨が降ったりする。

天候は感情の起伏が激しい僕みたいだ…(;^ω^)

突然のスコールで近くのコンビニによく避難した。

セブンイレブンが至る所に点在しているので日本を身近に感じる。

寄ったついでに、日本のお菓子が恋しくなり、よくコアラのマーチを買って食べた。


お菓子を含め、日本食は売店で売っていたり、日本食店も見かける。

しかし、値段が高い…(; ・`д・´)

日本食は帰国まで我慢するか。

とにかく安くて衛生的で美味しい飯屋はどこだろう。

更にそこが涼しければ、なおさらありがたい。

そうして遂に見つけたのが…


複合商業施設「ターミナル21!!」

ここは快適な場所だった。

フードコートやゲームコーナーに連日通った。

ラウンジなどで日本から持ってきた本を全部読み終えてしまう程ここで時間を潰した。

バンコクのオアシス!

心のオアシス!!

タイは物価も安いし、日本より緩い雰囲気があって居心地が良い。

ついついバンコクに長居してしまうのであった('ω')


バンコクの事をネット検索していると、結構出てくる風俗事情。

日本じゃ出来ないような事がここバンコクでは出来る、しかも安価で!

これを楽しまずにはバンコクは語れない…的な記事が多い多い。

実際、現地で日本人と出会い、絡む機会があったのだが、男が一人旅でタイに来る理由はそれしかないと断言された。


しかし安価とはいえ風俗娯楽は貧乏バックパッカーの僕にとっては充分高額。

何より僕は未だに深い関係になった女性に裏切られたダメージを抱えており、そういう行為にネガティブだった。

なので現地で少しだけ仲良くなった日本人男性と、そういう場所の手前まで冷やかしで行ってみる事になった…('ω';)


飲み屋、雑貨屋、ゴーゴーバーが乱立するバッポン通り&ソイカウボーイ。

印象的だったのがバカラという店。

テーブルの上でミニスカートを着た女性たちが踊っているわけだが、テーブルの表面が鏡になっていて、女性を下のアングルから覗けるわけだけど、

…女性たちはまさかのノーパン( ゜Д゜)!?


次に訪れたのは駅からすぐ近くのプロンポン通りにマッサージ屋さんが並ぶソイ。

スタイルの良い小麦肌のクレオパトラみたいな女性が二人…プロンポン姉妹。

ドラクエ4のマーニャとミネアみたいな。

妹さんの方は物静かな佇まいで、控えめな笑みがむしろ強力な女性的魅力を放っていた。

お姉さんの方はバイクのスロットルを回す仕草をみせて「ブンブン!」とノリノリだった。

端麗な容姿で、1500Bであんなことやこんなことが!?

こりゃ金持ちの中国人、韓国人、日本人が風俗街にやって来るわけだ…(;^ω^)

後悔はしていない…。うぬぅ…。


他にもロイヤルガーデンホテルやテーメーカフェなど。

女性と観光客が値段交渉などをする場面が印象的だった。

けっこう日本人多い。



毛色はだいぶ違うが、現地で知り合った日本人から観光でシリアート博物館を勧められた。

行ってみたけど…しばらく食事できないくらい衝撃的だった。

とにもかくにも、色々と紹介してくれた彼には感謝している。



そんなこんなでバンコクに長居していたある日、酷い目にあった。

水鉄砲を持った人たちが街中に溢れかえっている。

そう、まさに年に一度の水かけ祭り!

とんでもない時期と重なってしまった…(*´Д`)


あちらこちらで水のかけあいバトル勃発…( ゜Д゜)

ギャー!!って感じで宿に辿り着く前に被弾!被弾!

とにかく不特定多数の人から水をかけられまくる。

(人によって、水をかけても良いか聞いてきたり、空気を読んでくれる)


鬼ごっこのように逃げながら宿に戻って状態確認すると全身びしょぬれ。

旅の写真をいっぱい撮ったデジカメも水没したみたいになり、壊れて大ショック!

旅に出て初めてのガチ泣き…(:_;)

幸いなことにデータの入ったSDカードは無事だった。

しかしカメラは買いなおすこととなり、バンコクで買ったデジカメ代がタイで使った一番高い買い物となった。


タイは本当にカオスな国だ。

早く次の国へ行けと言われてるのかも。

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