天空に舞うペガサス
ペガサスよ、月ばかり気にするな
もっと羽ばたいて大空
高く舞い上がり、キラキラ星に、冒険しなさい
必要ない程強く成長できた
時々、ふと振り向いた厳しさの奥
反感買ったにしろ、敵愾心抱いたにしろ、歯向かう
なんてしなかった
それなら傷付く方がまし
チューリップやヒマワリは、陸地を彩り華やかに咲いています
淤泥とは、淤も泥も泥田
ということで、蓮の花は高原陸地に咲くのではなく、どろどろの泥田に咲きます
しかし、泥の中に咲いても、蓮の花は、泥に染まらぬきれいな花を咲かせます
逆境が、糧になり
咲き誇る様は珍しい
奇麗に美しく
咲いているだろうか
近寄られるわけも眺められることもなく
いつまでも照らしてたい
見守りたい、敬服すべき未来に
何処にいてもいつになっても、切望している
たとえ、あなたに忘れ去られてしまっても
姫様が、あなたなだけに
嗚呼深層はなんて深いのだろうか
飛びたいよ 飛びたいよ
空に行ってみたいよ
静かな夜,きらびやかな
月あかりに,照らされながら
翼,はためかせ
空高く舞い上がろう
としている
ペガサスがいた。
バタッ バタッ バタッ
若干まだ細くて
短い翼を広げながら
空に体を浮かべよう
と,していました。
いつものように綺麗
な,お月さまに
見守られながら,翼をひろげていると
夜空のむこうに何か小さく遠くに
姿が,みえてきました。
接近してくると
美しい少女で 箒
に,またがっている様子で
遠くから,飛来してくる姿
が,みえてきました。
ゆっくりと,速度をあげ
ながら
ペガサスに近づいてきました。
距離に到達すると
ゆっくり降下してきました。
着地した少女がしばらく
ペガサスを眺めたあと
こう言いました。
「そんなに飛びたいですか?
どうしてあなたが
コントロールできないか
わからないのですか?
あなたに理性も才能を伸ばす意欲もないからです」
と、いわれていました。
ペガサスはキョトンと
しながら少女のはなしを
聞いていました。
あなたは格好いぃ
ボクは何故に空飛べない
「ボクも空を飛びたいのです,どうしたら飛べるようになれますか?」
ペガサスが聞くと
少女はこう答えた。
「あなたは飛べない
とおもいます,有るものが感情だけ,そんなことがなんの役に立つって言うのですか?
もっともっと頭を使って
考えて悩んでみたら
どうですか?」
ペガサスにそう言い放って少女は,浮かび上がらせて
空高く上昇させ
あっという間に
一気に,急加速させて
空の彼方へ,消え去って
いった。
このときペガサスは
感じ取れたような,何かが
気はしていた。
しかし,イメージは
浮かばなかったし、直ぐに湧かなかった。
「ボクには理性がない
才能を伸ばす意欲もない」
「ボクに有るものが感情だけ」
「あなたは飛べないとおもいます」
「そんなことがなんの役に立つって言うのですか?」
少女に言われた言葉の
“ひとことひとこと”が
ペガサスの脳裏に突き刺さってしまって離れない。
ペガサスは,あいつって
きっと,毒親にでも育て
られてたんだろうになって
おもってしまった。
あたしの名前は
「エレナ」形に表現出来ない情とか心とか必要も価値も役にも立た無いでしょ!!
説得力が無い生ぬるくってキモチ悪いだけの情とか心とか知らないけどバッサリ切り捨てればいいでしょ。
あたしはずっとそうやって生きてきたんだ。
時を止める魔法忘れるくらいの幸せな時は過ぎていく
十字に抱かれ空仰ぐ祈りの声などかき消されこの愛さえ魔術と呼ぶのなら憎しみの炎を放つがいい
この赤く燃ゆる火のような血の涙の理由を忘れるな死が我等にのしかかる
さあ見てごらん燃えるような空を
さあ忘れるな正義の炎を魅了する魔法に囚われた者の幸せな時は過ぎさりし
十字架に繋ぎ悪魔呼ぶ悪しき呪文を叫ぶ前に罪なる魔術に審判を
この聖なる炎を放つがいい道を外れ狂っている
賞金稼ぎ「おらぁ~腕巻くってそこに並べぇ~女共ぉ跪け
賞金稼ぎの群れは無情にも国の民衆四割以上にも及ぶ軍勢にまで増えていた。
魔女と呼ばれる人々にかけられた額が3人世帯にひと月程、裕福に暮らしを与える程の額であった。
その為,貧しい民衆共は争って魔女狩りを行った。
貧しい民衆「おいおい先にめっけたん俺だぞ~コイツら~!
アレス国家は民衆の軍勢に武装の貸し与えと抵抗する魔女に殺害の許可までだしていた。
女「あたし達がいったい何したって言うんだ何も悪いことなどしていない。
男「お前達が生存するだけで悪なのだ
俺は誰にでも優しい、此所で死なせてやろうほらよっグサッ
少女「ぐぅぇふっ
捕らえられた者は収容所に連行され、生きた儘十字の木に磔にされ火を放つ
燃え盛る中、祈りの声も悲痛の叫びも天には昇らない燃え盛る炎と烟がジワジワと身を包む
老婆「ひぃ~やめてけれぇ~やめてけれぇ
見張りの男「悔い改めよ 悔い改めよ
悪しき者に聖なる鉄槌を
災い齎す汝の名は罪人
聖なる炎よ浄め焼き尽くせ 我等神に従うのみ
逃れさせられることができると
信じていた者達も、
たとえ子供であっても商人に引き渡す決心をした。
狼藉を働く海賊や山賊に裏側では、奴隷として売り払われたりもしていた。
海賊A「なんだコイツぅ顔よくみてみっ,ばばあじゃねぇかぁ~?
海賊B「ぎゃっはっは~オメぇばばあと夜やっぢまったんがぁ~
海賊C「もういらねぇから海に捨てちまおうぜぃっ引き渡すんでも面倒だあ
女性「あわわぁっ
海賊C「前からお前のお家は海だっちぃっなん茶ってぇおらぁよぉっ~ポッチャン
この様な殺伐とした光景は日々、写しだされていたのでした。
エレナ パパが今から言うことをしっかり聞いておきなさい!!
もしも,パパとママが奴らに捕まってしまってもエレナは悲しんでたらイケないよ!!
悲しむ暇があるなら逃げなさい!!
もしも,エレナが捕まってしまったのならパパはママを連れて逃げるから!!
国家が民衆を交えた権力による大量なる虐殺,人身売買から逃れる為に
一人の男が立ち上がった。
彼の名は「エルレーンハワード」
エルレーンは二年間毎日商人達の情報など元に
研究に研究を重ね尽くし
民衆達の動き,食糧調達手段、
森林に射し込む月光の位置
隣国までの移動経路が示されている地図も作製していた。
エルレーンの狙いは隣国に亡命して
アレス国家に対する大規模な革命を起こし
連合国を動かし
再び平和な祖国を取り戻す実現に向けさせるためであった。
エルレーンは亡命を希望された民達を引き連れて
テント生活を長期に渡り
しながら
日が沈むのを待った
月の光だけで移動を始めるために
エルレーン「今夜が正念場だ、この先の道は狭く
霧で視界も狭い上に道の脇は深い谷になってやがる
踏み外せば確実に命は無い皆が列を乱さぬようにして先へ進む必要がある!
一列に並び私が手探り
でこの先にある木にこの縄を縛ってくるから
それを蔦ってゆっくり歩いて進むのだ」
エルレーンには守る
べく愛する二人の家族もいた。
魔女の血を引く妻,
「フィリア」と3歳の可愛いい「エレナ」がいた。
エルレーン「フィリア 今夜歩く道はまだまだ長い
無理をするんじゃない!!
エレナ 今夜はパパが抱っこしよう」
いいんだ 無理をするんじゃない!!
フィリア 皆の前では
エレナに私をパパと呼ばせてはならない。
連合軍を動かし革命という言葉を世に残す。
クーデターを先行き起こし命を落とす覚悟もできた。
皆には亡命するとしか伝えて無い。
エレナを先で戦犯者の娘にしたくは無いだろ。
エレナを頼む。
愈々明日には隣国とアレスの国境付近に位置する地点に到達する
其処で充分な休息をとろう。
不足している食糧になる物と水も草も薬になる木も其所で手に入れられる予定だ。
その後の行動はまた示唆
します」
エルレーンの方からずっと
エレナに近づく
ことは無かった。
ただ漫然と計画
どおりに移動すること
だけ考え実行していた。
フィリアはエレナを背負って毎晩険しい山道を歩いたりしていた為
疲労から腰を痛めてしまっていたのだが
エルレーンは人前で
フィリアに声をかける
ことは
それからは無かった。
その為,心ある人達が
交代でエレナを背負って歩いてくれたりもした。
エルレーン「さぁ到着だ此所でたっぷりと休息だ」
エルレーン「フィリア、エレナすまない。
この先もずっと共に暮らすことができない。
これからはじめることは世界を相手にする大規模なプロジェクトになる。
愛しているから離れなければならない。
わかってくれ」
山賊A「ゲッヘッヘェー見ろよ水飲んでる無防備丸出しな二人ぃ魔女だぞアイツらぁ
腕に刻印が見えるだろぉ ゲェッフゥー!
アレスに引き渡しゃぁ金になんぞぉー!
山賊B「おぉっ賞金の群れに遭遇したってやつかぁ他にもいるんだろうよぉ兄貴ぃ!
山賊A「おぉー!奴らとっ捕まえてぇ売り飛ばしゃーこっ汚ねぇ本職からも暫く足洗えるっちゅう話だぜぇぃ!
山賊B「やっと運がまわって来やがったってこったなぁ兄貴ぃ二人で山分けだぁ兄貴ぃ。
山賊A…「よぉお姉ちゃん達ぃちょっと待ちなよぉ!!
フィリア「なん、なんですか
あなた達、だ 、誰か来て
下さい!だ 誰かぁ!
た 助けて下さい!
エ、エレナ逃げなさい!
こ…子供だけは逃がしてあげて お願いします!
山賊B「ちぃっちっちぃっそれだと悪いけどオイラ達もごはん食べらんなくなっちゃうんだぉねぇ!
山賊A「おぉー、お前もたまにゃ言うじゃねぇのってことでぇ
顔は少しだけこいつは不細工で息も臭い声も汚いだけどもぉー!
まぁ優ちいオジチャン
達だから
一緒にぃお散歩でもしよかぁいろんな事も
教えてやるからよぅ!
お友達のとこにも案内してもらおかなゲヘヘぇぇ!」
山賊B「あ兄貴ぃ顔は少しだけオイラの不細工
で息も臭い声も汚い
だけどもぉーは余計かもよぉ兄貴のもだよ!」
その時 山賊達の背後からエルレーンの姿が現れた刹那
「無防備丸出し二人それがきさまらの方からかな、ゴートゥーヘル毅!!
親として子供
に渡すべく
こと
過去では
無く
未来へと
繋ぐもの
切っ掛け
そして今をも
先では
過去とよぶ!!」
山賊2人の喉は鋭いナイフを握りしめたエルレーンによって背後から掻き切られ血を噴いた
その後2人を容赦なく刺し殺し
エルレーン「目を逸らせぇ!
エルレーンは返り血を浴びた儘深い穴を掘って2人の山賊を葬った
エルレーン「見てしまったのなら仕方あるまいが
なるべく早く忘れなさい
それと
単独で行動するなんざ
許可した覚えないだろ!
危険なんだぞ
言ってること解るかい!
次から気をつけなさい!」
エルレーン「国境の先は隣国ジーサス
我々は確実に前へ進んでいる
治安悪いがアレス独裁国
魔女狩りに比べたら平和で豊な暮らしができる国だ」
フィリア「貴方はどうなされるのですか
もう私達は一緒には」
エルレーン「フィリアよ私はこの命燃え
尽くすまで
我々が信じてきた
こと貫くため
こそここまでやってこれたと信じている
世界は丸い
世界の中心は視点を変えるだけで誰もが中心にくるようにできている
実におもしろいではないか」
エルレーン「愈々国境を越えれば隣国ジーサス
成功すれば明日の今頃は屋根の下で、温かいスープでも飲んで、寝袋の上から草かけて寝るのでは無くベッドの中で気持ち良く眠っているだろう。
ただその前に最後の難関がある。
国境の検問所に見張りがいるのは見えるか、入れ代わる瞬間を見計らって我々は地下水路に潜って隣国へ離脱を試みる。
チャンスは一度きりだ
(同志一同一意専心)
私の合図と民達よ、一気に駆け抜けるぞー!
今だー行くぞぉー!!」
うぉぉぉおぉぉぁぁぁあぁぁぁぅぅぅぅぁぁあぁぁっっっっ!!!!!
こうして一人として犠牲をだすこと無く隣国ジーサスへと地下水路に身を潜めながら全員が離脱に成功した。
エルレーン「皆よ 本当に良くやったぞ。我々は独裁国から離脱し、亡命することができた!!
さあ残りの人生大いに楽しむなりすきにしてくれたらいいぞー!此れで我々にも人権が与えられる!!
最後にジーサスを案内して此所で離別しよう盟友達に幸あることを心より願う」
エルレーンは肩の力が抜けた様に欠伸をしながら皆に伝えた。
エルレーン「ここはジーサス
荒くれ者や怠け者は多いが財政的に裕福な国で物価は安く女性でも満足な収益を得ることができる。
他国との貿易にも優れていてアレスの金も銀貨に換金すれば使うことができる。
我々の言葉も通じ食料品から雑貨まで様々な物が安く売られている。
まずはホテルを予約して仕事に就いて家を借りることから始めると良いだろう
北の方には近づかない方が良さそうだ内戦地域に隣接する山間僻地
があるという噂を聞いたことがある」
エルレーン「フィリア
ここにある金で此処のホテルでエレナと生活を
物価が安いこの国なら此丈あればふた月ぐらいならなんとか、暮らしに充ててくれ
仕事に就いて家を借りることができれば生活も
此丈しか残せなかった
すまない
前にもはなしたが我々はここで別れだ
パパはお前達の愛すべき未来を何処に居ても願いつづけてる たとえお前達が忘れ去ってもだ
エレナ立派に成長しなさい
フィリア「判りません
そんなの判りませんそんなの
何いってるんですか
あなた頭おかしいですか
何故?亡命できたのに家族を捨てて離れなければならない家族に対して責任は?
わたしはあなたの考えが
わからない、いい加減にして!
エルレーン「いつの日か祖国は自由と平等を取戻すそのためだ」
2人を振り切ってエルレーンは立ち去った
青い空の彼方流れる雲に心寄せれば
遥か故郷思い浮かべるたとえどんなに日々が辛くても
嘆かないで活かしてく
再び優しい瞳に包まれて生きる勇気に満ちてゆく
微笑むことができる愛を抱いて生まれてきた我々も
皆天使だったと語り継ぐ
世界へ伝えべくすべてで誓う
エルレーン「これでいいんだ
寝床探しと資金調達とデマ流しのためと頭がごちゃごちゃになるぜ~
さて、まずは適当な女に吹き込んでそれからだなっ!」
エルレーン「やぁ そこのセクシーガール
私と一緒に飲まないか?
踊れるし1杯ならおごるぜ」
若い女性「はぁーッ あたしに気安く話しかけんじゃねぇここにいて踊れないやつのほうがダサ過ぎ~!」
エルレーン「ちぃっ
ゲス野郎みたいにいいやがって~!
上手くいかねぇもんだな
こいつが1番苦労になりそうだふぅ~ッ!
マナー知らんなぁ女だ!」
そして数ヶ月が過ぎ去り
フィリアとエレナは漸く
ジーサスでの新しい暮らしに慣れてきた頃
フィリアは街に出て花屋の仕事に就くことができた。
花屋の仕事は大好きで花の香りに包まれていた。
フィリア「あらっ 奇麗で香りの強い花に限ってすぐに枯れてしまうなんて
奇麗に咲く迄こんなに時間掛かったのに咲いたらすぐに枯れてしまうのね
なんだか私の家族みたい」
そう呟くとフィリアの瞳から涙がこぼれ落ちた。
仕事終え戻るまでエレナは1人ホテルでお留守番
エレナはよく同じ夢を見ていた。
エレナ エレナ
エルレーンが夢の中に時々出て来てエレナの名前を呼んでいた。
小さいながらもエレナは一度だけ抱っこしてくれた時の優しいパパの顔をしっかりと覚えていたのだった。
そんな毎日を過ごしていたある日のこと
ドンドンッ
ドンドンッ
ドアを開けて下さい!
入国者管理法令に関する事でルーム名簿の調査を行っているのですが
此方のお部屋のご契約者様であるエルレーンハワードさんは不在ですか?
書類をドアに挟んでおきますので目を通しておいて下さいよ!