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時空 まほろ詩集 言の葉の魔法たち

蒼い花

昨年に続き書いてみました。

寒空の薄い蒼の様な花


蒼い花


冷静沈着な君の


黒髪によく()える


君は冷めた目で


振り袖を見下ろした


薄い水色を基調とした振り袖


君の嫌いな母親の形見の着物


僕は


その様子をソッとカメラにおさめる


すると


氷柱(つらら)よりも冷たい


君の視線が飛んでくる


「何勝手に撮ってるわけ?」


僕は敢えて何も答えない


僕は知っているから


君は


その振り袖を着るのを


何よりも楽しみにしてた


けれど


それを待たずに(やまい)で母親は


急逝(きゅうせい)してしまった


「約束だったのに」


涙で暮れる君をそっと抱き締めた


その一年後の今日


晴れて成人式を迎える君


僕は晴れがましい気持ちで君を見つめる


本当は写真に何枚も収めたい


そして君のお母さんのお墓の前で自慢したい


「将来の、僕の花嫁さんにしたいんです」と


そうも言いたい


それは君にはまだ秘密だ


振袖を静かに見つめる君には


まだ秘密だ


「素敵だよ」


僕は言う


そしてシャッターをまた切った


君はふいっと明後日を向く


その目には涙が光っていたのを


僕は知らないふりをして


その手をそっと握ったのだった




お読み下さり、本当にありがとうございます。

成人の日を迎えた、成人の皆さん。

本当におめでとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言]  成人式、行かなかったですけど(笑)  女性にとって、着物を着る機会。  今では、すくないぶん、思い入れがあるものですよね。
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