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第87話:東京湾の黒い水面 ―豪華クルーズ船殺人事件―


■Scene1:東京ベイ・ナイトクルーズへの招待


春の夜。

東京湾を周遊する最新鋭ラグジュアリー船〈エターナル・パール〉で、チャリティ・ガラが開かれる。

私は姉・信恵と共に“姉妹CM初共演”のPRゲストとして乗船していた。

レインボーブリッジをくぐる船上は、シャンデリアと生ジャズの音色で非日常に染まる。



■Scene2:遮断された甲板、悲鳴と転落


午後9時過ぎ。

甲板後方のスイート専用デッキで、ガタン!という異音。

客の女性が悲鳴を上げ、海面を指差す──

ライトが照らす先、海に浮かぶ男性。救助艇がすぐ降ろされるが、身体はすでに冷たかった。


身元はITベンチャーCEO・湯川崇司(38)。

このクルーズのメインスポンサーでもある大物だ。


船長はただちに非常連絡。東京湾岸署の臨時本部が艦内に設置される。

しかし陸から来る警察艇を待つ間、船は海上で“事実上の密室”と化した。



■Scene3:VIPルームに残る不自然な痕跡


私は現場に居合わせた湾岸署刑事・永田淳とスイートを確認する。

・バルコニーの手すりネジ1本が“仮締め”

・室内テーブルにワイン2客、乾杯の形跡

・ノートPCはパスワードが破られ、開発中の暗号資産資料が削除済み


永田「故意に落としたか、脅迫で飛び降りさせたか……」

私は静かにうなずき、手荷物のキムチ瓶を握った。



■Scene4:ギャレーで発動、赤い記憶フラッシュ


深夜0時。ギャレー(厨房)の隅でひと口。

舌を刺す辛味とともに視界が滲む──


◇23:45 バルコニー

湯川と向かい合う男。艶のあるタキシードだが、胸元に“船務課バッジ”。

「証拠のデータはもらった。消えたくなけりゃサインしろ」

「ふざけるな……!」湯川が突き飛ばす。

男は手すりネジを回し、わざと緩め──

湯川の足元にワインをこぼし、滑らせた──転落。


男の袖には“使用人用白手袋と赤ワインの染み”。



■Scene5:仮面の裏 —偽スタッフの正体—


私はビュッフェ会場で“船務課バッジ”の男を探す。

ステーキライブキッチンで裏方を装う人物を発見し、永田刑事と取り押さえる。


男の正体は元VCファンドマネージャー桐生智成(35)。

湯川CEOの裏切りで巨額の損失を負い、復讐を計画。

“船務課バッジ”と制服は当日バイトの若手スタッフから買収してすり替えたものだった。


桐生「ヤツは俺と部下を切って巨万の富を独占した。謝罪すらなかった!」

凛奈「でも命で償わせたら、あなたも富も未来も失うだけ」



■Scene6:夜明けの東京湾、姉妹インタビュー


夜明け前、乗客は晴れて解放。

メディアは私と信恵にマイクを向ける。


記者「最後に救助現場に同行したのはお2人とか?」

信恵「妹の冷静さに助けられました。私はただの俳優ですけど……」

私は笑って返す。

「俳優も探偵も、人の心を信じる仕事ですから」



■Scene7:静かな甲板、キムチと決意


朝焼けに包まれたデッキ。

私は残ったキムチをひと口。潮風が辛味を和らげる。


「さあ、次はどの海で真実を探そうか」


スマホに通知──


件名:北海道函館 旧同潤会アパートで怪火現象


「北の潮風も、悪くないね」

私は唇を拭い、朝陽へ歩き出した。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

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