第84話:青い海の涙 ―瀬戸内の小島で起きた失踪事件―
■Scene1:穏やかな島、消えた少女
瀬戸内海に浮かぶ小さな島、『蒼島』。
私はこの島に住む知人の依頼を受け、船で島へ渡った。
透き通った海が広がり、時間が止まったような静かな風景。しかし、この美しい島で、一人の少女が消えていた。
「凛奈さん、お願いです……娘を見つけてください」
涙を流す母親は、島の宿を営む佐藤祥子(42)。
娘・夏海(なつみ、17歳)は数日前から忽然と姿を消した。
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■Scene2:島の過去と隠された秘密
島を探索すると、小さな港近くの古びた船小屋が気になった。
私はキムチを口に含む――。
視界が歪み、過去が蘇る。
夜の船小屋に夏海がいて、ある男性と激しく口論している。
「島を出て行きたい!都会で自由に暮らしたいの!」
「それは許さん!」
男性は、祥子さんの兄で夏海の叔父・隆治。
彼は夏海が島を離れることを、どうしても許せない様子だった。
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■Scene3:叔父の告白、そして真実の行方
私は隆治に会い、直接問いかけた。
「夏海ちゃんを、どこへ隠したの?」
隆治は静かにうなだれた。
「隠してなんかいない。ただ、俺は夏海を引き止めようとした。でも、あの夜、夏海は自分で船に乗って島を出ていったんだ」
真実は誘拐ではなく、自らの意志での失踪だった。
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■Scene4:瀬戸内の再会、そして家族の和解
私は夏海が都会で暮らす友人宅を突き止めた。
そこには元気だが不安そうな夏海がいた。
「私はただ、自分の人生を選びたかっただけ。でも、母さんに迷惑をかけてしまって……」
「一緒に戻ろう。話せば、きっと分かり合えるよ」
数日後、夏海は母と再会。島の風の中で二人は涙を流しながら抱き合った。
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■Scene5:青い海、涙の先にある希望
島を去る朝、祥子さんは私の手を握って言った。
「凛奈さん、本当にありがとう。娘と一緒に前を向いて生きていきます」
蒼島の波が静かに打ち寄せる。
美しい瀬戸内の青い海に、涙がひとつ落ちたような気がした。
私は笑顔で船に乗り込んだ。
「さて、次はどんな謎が待ってるかな?」
私のスマホには、阪神甲子園球場での奇妙な事件の知らせが届いていた――。
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