表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

82/120

第73話:テルメ金沢の残像 ―祖母の記憶と“時間旅行者”の噂―


■Scene1:釜山・探偵事務所の午後

釜山の事務所。撮影の合間に戻った私は、祖母 夏栄ハヨンの帳簿整理を手伝いながら切り出した。

「おばあちゃん、“三宅愛”さんって覚えてる?」

――黄金グループ〈龍雷神〉社長の母で、かつてトップアイドルから女優へ転身した人物。


祖母は首を傾げる。

「テルメ金沢で女将役をした時にストーカー騒ぎ…? うーん、記憶にないねえ」


私は愛さんを直接訪ねることを決意。まずは社長の黄金に電話を入れた。

「愛さんにお会いして、当時の出来事を聞き取りしたいんです」

「もちろん。母も喜ぶはずだ」



■Scene2:東京郊外・三宅邸への訪問

一週間後。杉並区の閑静な住宅街に佇む和洋折衷の邸宅――三宅家。

迎えてくれたのは、90歳とは思えぬ気品を湛えた三宅愛と、双子の孫 つむぎれん


愛「あら、あなたが“時間旅行の探偵娘さん”ね?」

凛奈「祖母がお世話になったとか…いえ、おばあちゃん本人は覚えていなくて」


茶の間に通されると、紬が淹れた緑茶と手作りわらび餅が並ぶ。

紬「アイドル活動の合間にお菓子作りも覚えたんです」

蓮「僕は大学で経営学を専攻中。将来は龍雷神を継ぐ予定で」



■Scene3:30年前のテルメ金沢――愛の回想

愛はゆっくりと語り出した。

・当時ドラマの特別ロケで女将役を務めた。

・撮影後半、見知らぬ男が連日ロビーや裏庭に現れ、部屋の外で長時間立ち尽くしていた。

・スタッフに相談するも証拠がなく、警察も決定打を掴めず。


愛「そこに現れたのが“キムチ時間旅行者の少女”。白いワンピースに大きな瞳――夏栄さんよ。

一口キムチを食べ、ふっと倒れたかと思うと、目覚めてすぐ犯人の居場所を言い当てた」


凛奈(やっぱりおばあちゃん…!)



■Scene4:キムチと驚きの瞬間

許可を得て、私は携帯していた祖母直伝のキムチを口に含む。

紬と蓮、愛が息をのむ中、私の意識は30年前のテルメ金沢へ。


*薄暗い中庭。物陰に潜む男。愛がひとり夜風に当たる瞬間を狙っていた。

*男は熱狂的なファンで、愛を「芸能界から連れ出す」妄執に囚われていた。


夢から醒め、私はゆっくりと口を開いた。

「愛さん、あの男は逮捕後に強制入院となりました。もう亡くなられています。安心してください」


愛は深く頷き、長く張っていた肩の力をようやく下ろした。



■Scene5:静かな夜、祖母への報告

釜山へ戻る夜。祖母に電話を入れた。

「おばあちゃん、心配しなくていいよ。全部わかった」

祖母の声はほっと安堵の色を帯びていた。


私はソファに横になり、事件ではない“記憶の旅”を終えた余韻に浸る。

窓の外には釜山港の灯り。


「――キムチは、ただ辛いだけじゃない。

 時間を超え、人の心の“重石”をそっと外す味なんだね」



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ