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第71話:大阪の涙と再起 ―女優たちの約束―



今回の舞台は大阪・梅田。

釜山から離れたこの街で、凛奈は芸能界の光と影に出会います。


夢を追う世界の中にも、傷ついた心は存在する――

それでも、誰かが手を差し伸べれば、もう一度立ち上がれるはず。


沢山の評価やいいね、コメントをお待ちしています。

この物語の先に、どんな未来が待っているのか。

ぜひ皆さまも想像しながら読んでくださいね。



■Scene01:再会の大阪、心の影


大阪・梅田のカフェ。

ガラス越しに街を眺めながら、私は凛音と待ち合わせをしていた。


「凛奈ちゃーん!」


少し走って駆け寄ってきた凛音。その隣には、目鼻立ちの整った美人がもう一人――


「はじめまして、鏡柚莉愛かがみ・ゆりあです。凛音とは期は違うけど、同じグループで仲良くさせてもらってて」


にこやかに挨拶する柚莉愛。しかし、その声にどこか陰りがある。


「実は……私の双子の姉、千帆ちほが、数日前から部屋に引きこもってるの。仕事にも出られない状態で……」


「凛音の親戚だって聞いて、藁にもすがる気持ちでお願いに来たの」


■Scene02:静かな部屋の中で


千帆の部屋はカーテンが閉め切られ、空気が重たかった。

柚莉愛が声をかけても反応はない。


私がそっと扉の前で名を呼ぶと、しばらくして小さく返事があった。


「……わたし、もうダメなの」


「どうして?」


「……だって、あの二人が……ずっと私の衣装を隠したり、メイク道具を捨てたり、噂を流したり……」


千帆の震える声に、私は静かに鞄を開いた。


――そして、キムチを一口。


■Scene03:キムチが見せた“過去”


一瞬、世界が滲む。

私の視界に、控室で2人の若手女優が千帆に冷たい視線を向け、陰口を叩いている光景が浮かび上がった。


「……あなたって、演技だけは上手いんだよね。でも、そんなに目立っていいと思ってるの?」


「鏡千帆のファンが増えてる? それ、事務所的にはどうかと思うよ?」


悪意のないフリをして、じわじわと削るような言葉。

これが千帆を追い詰めていた――


■Scene04:真実の対峙


後日。私はその2人の女優を呼び出し、真実を突きつけた。


「あなたたちのしたことは、いじめ以外の何ものでもない」


2人は顔を青ざめさせたまま、ポツリと告げた。


「もう、引退します……。こんなことをした自分たちには、女優を名乗る資格なんて……」


私は言った。


「それが“けじめ”だというなら、あなたたちの判断を否定はしない。でも、千帆さんを責めることは二度としないと約束して」


■Scene05:記者会見、涙の報告


数日後、都内某所。


記者のフラッシュが眩しい中、私はマイクの前に立った。


「本日、所属女優の一部において、不適切な言動があったことを確認いたしました。しかし、当人たちは深く反省し、被害を受けた女優との間で和解が成立しております」


「今後も互いに女優業を全うし、切磋琢磨していく所存です」


会見を終えたあと、2人の事務所の社長とマネージャーは頭を下げた。


「凛奈さん… ありがとうございます。この件は私たちの監督不足です」


「……これからは、タレントたちが安心して活動できるようにします」


私はただ頷き、静かにその場を後にした。


■Scene06:千帆、ふたたび舞台へ


後日――


「お姉ちゃん、衣装だよ!」


柚莉愛の声に応じて、千帆が控室の鏡の前に立っていた。

彼女の表情には、少しだけ自信が戻っていた。


「……舞台、頑張るね」


「うん、見に行くよ」


私は扉の外から、その姿を見届けていた。


――未来は、いつだって演じ直せる。

その舞台に、立つ勇気さえあれば。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!


夢を叶える世界にも、孤独や葛藤はつきものです。

それでも、人は誰かの一言で救われ、もう一度舞台に立てる。


もしこの物語に少しでも「よかった」と思っていただけたら――


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その応援が、次の章を書き進める大きな力になります。

「次の事件はどうなるんだろう?」と思った方は、ぜひブックマークをして、続きをお待ちください。


皆さまの応援がある限り、物語はまだまだ続きます。

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