表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/62

第2話:姉・信恵の恋と幽霊ホテル事件


■ Scene1:深夜のゲストハウスに、謎の足音


釜山・海雲台ヘウンデ

観光客にも人気の静かなエリアにある、築30年の木造ゲストハウス。風情があり、どこか懐かしい空気を纏ったその建物は、凛奈の母・梵夜ソヨンの親族が所有している。


その一室。夜中の2時過ぎ、姉・信恵シネはベッドから身体を起こした。


――ギィ……ギシィ……


どこからか、廊下をゆっくりと歩くような音が聞こえていた。しかもその足音は、決まって“2時15分”に現れる。


「……また、来た」


信恵はスマホのライトを点け、恐る恐るドアの外に顔を出す。だがそこには誰もいない。ただ古びた床だけが、わずかにきしんでいた。


「さすがに変だよね、これ……」


そんな彼女の様子を、天井の通気口からじっと見ている影があった。



■ Scene2:凛奈、出動。姉の恋と過去の影


翌日、凛奈は探偵事務所でパンケーキにキムチをのせていた。


「……これはこれでアリ。アリかも。アリ、かな」


「凛奈!お姉ちゃんが来てるわよ!」


ミンジュが叫ぶと同時に、姉・信恵が部屋に飛び込んできた。目の下にはクマ、頬には寝不足の跡、そして手には“除霊グッズセット”が。


「ねぇ、凛奈……ゲストハウスに“霊”いるかも……」


「……またか……。じゃ、現場行くか。キムチ持って」


信恵がふと顔を赤らめて言う。


「あ、でも……ちょっと恥ずかしいんだけど……“幽霊の時間”と“好きな人”が重なってて……」


「ん? 好きな人……?」


「そう。ゲストハウスに泊まってる外国人の青年。毎晩2時すぎにトイレに起きるの、たまたま見てて……それと同じ時間に足音が聞こえるようになって……」


凛奈の目が鋭く光る。


「……じゃあ、どっちかが幽霊、ってこと?」


「やめてよぉ!」



■ Scene3:深夜2時15分、凛奈が見た“幽霊”


その夜、凛奈はゲストハウスに潜入していた。屋根裏の収納スペースで、音も立てずに張り込み。


時計の針が2時15分を指した瞬間──


ギィ……ギシ……ギィ……


足音が聞こえた。


凛奈はすかさず、タッパーからキムチを取り出して口に入れる。


「行くよ、キムチ時空!」


視界が赤く染まり、空気が変わった。

そこは3日前の夜。凛奈は透けるような存在となって廊下を走る。


足音の正体を目撃したその瞬間──目に飛び込んできたのは、“青年”ではなかった。


彼はゲストのふりをしていた盗撮犯だったのだ。


「くっ……何やってんだよ、こいつ……! しかもお姉ちゃんの部屋の前で……」


そして凛奈は、スマホでその映像を記録する。


“時空跳躍 残り30秒”


赤い光が彼女を包み、凛奈は現代に戻された。



■ Scene4:録音と映像で犯人を特定せよ!


事務所に戻った凛奈は、録画映像を姉に見せた。


「この人……泊まってる“ジョン”って名乗ってた人?」


「うん……間違いない。でも……そんな……あの人、幽霊なんかじゃ……」


「幽霊じゃない。現行犯だよ、これ。盗撮魔」


凛奈はその場で警察に通報し、証拠映像と録音データを提出した。


数時間後、ジョンはゲストハウスで身柄を拘束された。彼は過去にも複数の宿泊施設で盗撮行為を繰り返していたという。


信恵は涙ぐみながら、凛奈に頭を下げた。


「ありがとう……本当に、助かった。まさか、幽霊じゃなくて……“本物のクズ”だったなんて」


「まあ、恋も事件も、見た目じゃわかんないってことだね。で、お礼の夕飯は?」


「……キムチ鍋。たっぷり辛いやつ」


「最高!」



■ Scene5:エピローグ


事件解決後、凛奈は屋上で夜風に当たっていた。


「……ねぇ、ばあちゃん。私、ちゃんと“キムチ探偵”できてるかな?」


風の中、どこかからキムチの香りが漂ってきた。


遠く市場で食材を売る祖母・夏栄の笑い声が、微かに聞こえた気がした。


「……明日はもっと辛い事件、来い!」


そして凛奈は、キムチ鍋を背に今日も叫ぶ。


「キムチ探偵★凛奈、出動完了!」



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ