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第69話:眠る探偵と目覚める助手 ―双子俳優誘拐事件―


■Scene1:探偵事務所、初夏の午後


釜山の中心街。蒸し暑い午後の日差しが事務所の窓を照らす。

エアコンの効いた室内で、GRT48の安川凛音は、真剣な表情で資料を読んでいた。


「すごいな…本当に、探偵業と女優を両立してるんだ、凛奈さん…」


そのとき、目の前の机に座る凛奈が、ひときれのキムチを口にした瞬間――


「……っ」


凛奈の身体が、カクンと傾ぎ、机に突っ伏した。


「えっ……!? ちょ、ちょっと!? 凛奈さん!? ねぇ、凛奈さ…! うわ、本当に寝てる!」


凛音は慌てて肩を揺すったが、凛奈はまるで眠るように動かない。


「ウソでしょ……これが“能力発動中”……?」


しかしその間、凛奈の意識はすでに――“過去”と“現在”の2つの事件の中へ。



■Scene2:韓国・ソウル、誘拐事件の渦中


小さなモーテルの一室。

日本人俳優・早瀬翔一(25)がベッドに縛られている。


「なんで俺が……韓国に来ただけで……」


現場には“偽造されたマネージャーの依頼メール”と、“消えた通訳者”。


一方、凛奈は1980年代の韓国にタイムリープし、過去の同様の手口の犯人の手がかりを探していた。


「この犯人、まさか……“手口”だけを引き継いでる?」


キムチの中に混じる微かな記憶から、凛奈はある女性の影――通訳者の正体に迫っていく。



■Scene3:日本・東京、俳優の双子の謎


東京・某テレビ局の控室。

韓国人俳優のユン・ジュンファ(26)が、突如姿を消した。


控室には、誰も触れていないはずの差し入れと、メッセージカードが。


『兄さんの分も頑張れ』


凛奈はこのカードを読み、キムチを口に――

目の前に浮かんだのは、10年前、日韓合作ドラマの撮影所で泣く双子の少年たち。


「……あなたたち、本当は双子だったのね」


兄は韓国籍、弟は日本籍。顔も全く似ていない“二卵性双生児”。

だが、2人とも有名な俳優としてデビューし、日韓の架け橋とされていた。


犯人は“嫉妬に満ちたかつての共演俳優”。

「“どっちかだけが光を浴びるなんて、許せなかった”」という動機で2人を拉致したのだった。



■Scene4:探偵事務所・再びの覚醒


「う……ん」


凛奈がゆっくりと目を開けると、凛音がじっと心配そうにのぞき込んでいた。


「やっと起きた……ホントに寝るんだ、あのキムチ食べると」


「ごめんね、驚かせた。でも……2つ、解決できたよ。日韓の俳優誘拐事件」


凛音はまだ信じられないような顔で、凛奈を見た。


「ねえ、私……助手にしてもらえる?」


「もちろん。今日から“眠る探偵”と“目覚めて支える助手”ってことで」


2人は笑い合い、凛音はそっと手帳に書いた。


『私の探偵としての第一歩、凛奈さんと共に。』



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