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第68話:京・夢と謎と血縁と ―安川凛音、日韓の架け橋


■Scene01:渋谷のスクリーン、そしてあの声


韓国から一時帰国した私は、久々のオフ。とはいえ、女優としての撮影スケジュールの打ち合わせで訪れた渋谷。スクランブル交差点の大型ビジョンに流れていたのは、今や国民的アイドルグループGRT48・teamRのセンター「安川凛音」の新曲CMだった。


(あれ……? この子、見覚えがある)


私の記憶が間違っていなければ、彼女――凛音りんねは、成旼ソンミン叔母さんの娘。つまり、私のいとこ。すぐる叔父さんの次女であり、姉・霧亜、妹・祐美子と共に芸能一家の一員でもある。


「凛奈お姉ちゃん……?」


その声に振り向くと、渋谷MODI前に、マスクとキャップ姿の凛音が立っていた。


「り、凛音? なんでここに……」

「今日、ラジオの生放送終わったばかりで。休憩中に渋谷歩いてたら、まさか会えるとは思わなかったよ!」


■Scene02:久々のカフェトーク、女優とアイドルの距離感


2人は渋谷の裏通りにある小さなカフェに入った。カウンター席で隣り合い、あたたかいハーブティーを飲みながら、凛音は言った。


「実はね、最近ずっと思ってたの。私、韓国に住みたいなって」


「……やっぱり?」


私は微笑む。凛音は小さい頃からK-POPも韓国ドラマも大好きで、何より“自分のルーツ”に強く惹かれていた。


「私も今、釜山を拠点にしてるし、事務所もあるし、いつでも遊びにおいで。いや、住んでもいいよ。ママも大歓迎だと思う」


「本当? 凛奈お姉ちゃんがいるなら、安心かも……」


■Scene03:そして、事件はすぐ傍に


その時、カフェの前で突然叫び声が上がった。


「やめてぇぇええっ!」


2人が駆け出すと、老婦人がバッグを奪われたらしく、犯人の若い男が全力で逃げていく。周囲の誰も動けない中、凛奈は迷いなく――


「凛音、そこにいて!」


カバンから“特製キムチ”の瓶を取り出し、素早くひと口。


……瞬間、視界に過去の「逃走ルート」と「犯人の癖」が再現された。


「交差点を左、駐車場の隅! フェンスを超えるわよ!」


走り出し、犯人の背後を回り込むように先回り。ついには犯人の足元に落ちていた金具を利用して転倒させ、そのまま取り押さえた。


■Scene04:キムチ探偵とアイドルの血縁


「……やっぱり、噂どおりの“キムチ探偵”だったんだね」


警察への引き渡し後、凛音がぽつりと呟いた。


「テレビやネットでも見てたけど、こんなにカッコいいなんて……私も誰かの役に立てる人になりたいな」


「凛音も十分、たくさんの人を笑顔にしてるよ。でも、もし韓国に来るなら、一緒に探偵業の手伝いもお願いしちゃうかもね?」


2人は顔を見合わせて笑った。


渋谷の空は、夕焼け色に染まり始めていた。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

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