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第60話:糸魚川・フォッサマグナに消えた鼓動



■Scene 1:フォッサマグナと私

「……ここが、地球が裂けた場所……?」


新潟県糸魚川市。

そのフォッサマグナミュージアムは、大地の裂け目――本州の東西を分かつ“巨大断層”の展示で知られていた。


朴凛奈ぱく・りんなは、女優業と探偵業の休暇を兼ねて糸魚川へやってきた。だが、ただの休暇では終わらないことは、自分が一番よくわかっている。


「フォッサマグナ……日本が分かれているってこと、か。まるで人の心みたいだね」


興味深く展示を見学する凛奈の元へ、突然スタッフの悲鳴が響いた。


「誰か来てください!スタッフの美月みづきちゃんが……!」



■Scene 2:倒れたスタッフと奇妙な遺書

駆けつけたバックヤードでは、若い女性スタッフ・美月が意識を失って倒れていた。傍には震えるように残された紙。


『地層のように、わたしの心も、重く積み重なってしまった。』


自殺未遂か、それとも他殺未遂か――。

警察も駆けつけ、現場は騒然となった。


凛奈はそっとリュックからキムチを取り出し、ひと口――。


「見える……あの子、誰かと口論してた……館長室の前で?」



■Scene 3:日本海の風と“謙信信玄地蔵”

翌日、日本海展望台に立ち寄った凛奈は、冷たい潮風を受けながらも考えていた。


(あの遺書は……本物じゃない。あの子は誰かに仕組まれた)


その足で向かったのは、地元で“恋愛成就”と“勝運”の神様として知られる「謙信信玄地蔵」。

「人の裏切りを乗り越える強さ」を象徴するこの地蔵を前に、凛奈は囁くように言った。


「裏切り……か。やっぱり誰かがあの子を陥れようとしてるんだ」



■Scene 4:フォッサマグナの下にある“秘密”

凛奈は再び館に戻り、防犯カメラ映像を確認。

そこに映っていたのは――同僚の女性スタッフ・沙羅さら


美月の企画アイデアを横取りしようとし、口論の末に睡眠薬入りの飲み物を手渡していたのだ。


「沙羅さん。あなた、あの子の情熱を妬んでたんだね」


沙羅は泣き崩れた。


「だって……あの子ばっかり評価されて……悔しかったの!」



■Scene 5:へぎそばとコシヒカリの昼下がり

事件解決後、凛奈は地元の名店へ。


「ん~っ、へぎそばの喉ごし最高!コシヒカリのタレカツ丼、噛めば噛むほど甘い……!」


さらに、わっぱ飯に加え、笹団子の老舗「江口だんご」で店主に声をかけられた。


「嬢ちゃん、最近テレビに出てた子だろ? うちの笹団子、持ってきな!」


「ありがとうございます。……やっぱり、新潟の人、あったかいな」


※江口だんごは創業明治35年。餡入りヨモギ餅を笹の葉で包み、蒸して仕上げる新潟の伝統的な和菓子。そのこだわりは素材と製法――石臼・杵つき・後蒸しにまで及び、まさに「ふるさとの味」である。



■Scene 6:清津峡の風に包まれて

最後に凛奈は、清津峡とヒスイ海岸へ向かった。


峡谷に反響する水音、遠くに光る日本海の煌めき――

だが、そこにはもう“事件の香り”はなかった。


「次は……どこへ行こうか。まだ、旅は続くよ」


――凛奈は、新たな事件の予感を胸に、新潟の地を後にした。



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