表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

53/119

第45話:スターと闇の契約 ―セビョクを取り戻せ!―


皆さま、お盆休みはどのように過ごされていますか?

家族と団欒したり、故人を偲んだり、あるいは久しぶりに帰省したり。

そんな“再会”の季節に、ひとつの物語をお届けします。


それは――消えたひとりの俳優と、彼を救うため闇に挑んだ、ひとりの探偵の記録。

“真実を喰う女”、キムチ探偵・朴凛奈。

彼女が再び立ち向かうのは、“芸能界の黒幕”と呼ばれる巨大な影だった。


■Scene 1:消えたセビョク、その後


釜山に戻ってからの凛奈は、主演ドラマ『時の楼閣』の撮影と探偵業を並行してこなしていた。

しかし兄・泰亨の言葉が、ずっと頭に残っていた。


「セビョク、引退って言ってたけど……あれは、本心じゃなかったと思う」


ある日、釜山港で行われたチャリティイベントにて、私は偶然「LUZEN」ファンの大学生から聞かされた。


「セビョクさん、最後に誰かと揉めてたらしいですよ。すっごく怖い顔の人たちと……」

「その人たち、どこかの芸能事務所の関係者みたいでした」


私はセビョクの事務所「TRIANGLE」へ向かった。

事務所内は静かだったが、応接室で渡された“契約書”に、ある文言があった。


《俳優チョン・セビョクの芸能活動全権を、サードパーティ企業『NEON LINE ENTERTAINMENT』へ移譲》

「これ……ただの事務所移籍じゃない」


その企業は、過去に薬物斡旋とスキャンダル隠蔽に関与した疑惑のある“芸能界の黒幕企業”だった。



■Scene 2:秘密契約と、母の忠告


母・梵夜ボン・ソヨンも、かつてその企業からスカウトされた過去があった。


「凛奈、あそこはダメよ。あの人たちは……“表”で契約して、“裏”で人を壊していく」

「それでも、私は探偵だから、救わなきゃ」


兄・泰亨は、「LUZEN」時代に撮られたというセビョクと幹部の密談映像を極秘で送ってくれた。


「助けたいって言ったら、“契約違反なら、家族ごと潰す”って言われた」

「そんなの……家族じゃない。“脅し”だよ」



■Scene 3:再び、キムチの力で


私は自宅の地下にあるキムチ冷蔵庫から、自作の“黒ニンニク入り激辛キムチ”を取り出した。

セビョクが最後に姿を見せたとされる「南浦洞ナンポドン」のカフェにて一口――


視界が歪み、時間が遡る。


カフェの奥で、セビョクがスマホの画面を見て震えていた。


「これ以上、妹に何かしたら……!」

「君の妹、まだ高校生だったね? 芸能界って、怖いよ?」


裏企業は、セビョクの家族を人質に取り、彼を黙らせていた。



■Scene 4:隠れ家の突き止めと、共演者の協力


私はセビョクが現在監禁されている可能性がある建物を、旧市街の倉庫から絞り込み、

ドラマの共演者であり元アイドル出身の俳優・ユン・ミヌに相談した。


「俺もかつて、似たようなことがあったんだ。絶対に放っておけない」

「ありがとう、ミヌさん」


ミヌが持っていた旧所属事務所の関係者から情報を引き出し、ついに――

セビョクは釜山郊外の廃倉庫内に、極秘に“管理”されていることが判明。


私は現地警察と連携し、突入のタイミングで再びキムチを食べる。


「今度は、“未来”が見えるキムチ。発酵しすぎてるかもしれないけどね……!」



■Scene 5:奪還、そして涙の告白


倉庫に突入。

鎖で繋がれたような状態のセビョクは、私の顔を見るなり泣き崩れた。


「凛奈……君が来てくれるって、信じてた」


彼を救出した直後、彼はこう言った。


「あの人たち、次は君を狙うって言ってたよ。……君の“キムチ”のことも知ってるって」


私は静かにうなずいた。


「それでも、止まらない。だって私は、“真実を喰う女”だから」



■ラスト:闇を暴いた夜に


事件は非公開のまま処理され、セビョクは国外に移住。

凛奈は再び、女優と探偵の二つの顔を抱えて釜山の夜を歩く。


だがその夜、スマホが震える。

表示された名前は――姉・信恵。


「凛奈……お願い。助けてほしい。

今度は……“あの子たち”が誘拐されたの」



芸能界の裏側で交わされる契約、名声と引き換えに失われるもの。

凛奈が向き合ったのは“表”と“裏”が交錯する世界でした。


しかし、彼女が信じるのは――

「ひとつでも多くの真実を、誰かに届けること」。


それは、私たち読者も同じかもしれません。

お盆という“記憶”と“再会”の季節に、この物語があなたの心に少しでも届いたなら嬉しいです。


次回、「姉・信恵編」へと続きます。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます!


もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ