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第38話:階段に仕組まれた罠 ―女優・綾瀬ひかりを救え!


■Scene 1:韓国・釜山、鳴る国際電話


その日、私は事務所の応接間で書類整理をしていた。

外は雨。

キムチ鍋の香りが漂う中、私のスマホが鳴った。


「非通知……?」


受話器の向こうから、低くよく通る声がした。


「あなたが“凛奈さん”ですか。…助けてほしいんです。私の妻が、命を狙われています」


名乗ったのは、龍堂翔一りゅうどう しょういち

日本最大手のグローバル企業「龍堂グローバル」の若きカリスマ社長。

そして――彼の妻は、日本を代表する人気女優・**綾瀬ひかり(あやせ ひかり)**だった。



■Scene 2:国際依頼、動き出す


翔一の話によれば――


ひかりは現在、日本で映画の主演撮影の真っ最中。

だが、先週のスタジオで階段からの転落事故に遭った。


「事故ではありません。段差に細工がされていたと、内々に警察から知らされたんです」


そして何より、翔一が凛奈に依頼した理由はこうだった。


「あなたのことは、“黄金さん”から聞いています。

龍雷神の会長――私の恩人であり、あなたの…パトロンの一人でしょう?」


私は驚きつつも頷いた。

黄金おうごん――日韓芸能界の裏を知る重鎮で、私を探偵として陰ながら支えてくれた存在だ。


「私の妻を……真実で守ってください」



■Scene 3:東京・六本木、高層スタジオへ


私は日本に渡り、六本木の高層ビルにある映画撮影スタジオへと向かった。

そこで初めて、綾瀬ひかり本人と対面した。


「あなたが……キムチ探偵?」


彼女は、華やかな美貌の中に、どこか“怯え”を隠していた。


「正直、怖いんです。

ここ最近、靴が片方だけ無くなったり、楽屋に異物が入ってたり……

でも、スタッフはみんな信頼できる人たちで」


私は彼女の楽屋をくまなく調べた。

ドレッサーの下――一枚のメモが見つかった。


《光は罪を暴く。影は演者を罰する》

《二度目の階段は、最後の幕》


「これは……ただの嫌がらせじゃない」



■Scene 4:キムチで過去を視る


私はキムチを口にした。

すると視界が歪み――数日前の撮影風景へ。


カメラが回り、ひかりがステージに立つ中、背後で誰かが動いた。

階段にしゃがみこみ、工具で一段目を削る影――

それは、撮影助手の**風見裕也かざみ ゆうや**だった。


彼は、業界では“有能だが神経質”として知られるスタッフ。

翔一の会社が制作に出資し始めてから態度が変わったという。



■Scene 5:演出と復讐の狭間で


風見は、ひかりの主演が決まる以前、

自分の恋人だった女優が別映画で降板に追い込まれたことを恨んでいた。


「綾瀬ひかりがいなければ、あの子はまだ舞台に立っていた……!」


彼は静かに言った。


「俺が仕組んだのは、“偶然”の積み重ねだっただけだ。

転落も、道具の紛失も。罪にはならない。だけど、俺の演出は完璧だったろう?」


私は毅然と告げた。


「“演出”という言葉で、誰かの命を揺るがすなんて――

それは芸術じゃない。ただの暴力だよ」



■Scene 6:新たなスタートへ


事件は報道されず、業界関係者の間だけで処理された。

だが、翔一は私に静かに礼を言った。


「ありがとう。君のような人がいる限り、この世界も信じていい気がする」


そして、ひかりは私に一通の手紙を渡してくれた。


《凛奈さんへ。

あなたのような人に出会えてよかった。

これからも、誰かの光でいてください。 綾瀬ひかり》



エピローグ:そして再び――韓国へ


羽田空港に向かうタクシーの中、私は思い出していた。


“真実”とは、ときに人を救い、

ときに人を裁く。


だけどそれは、私の役目だ。


次なる事件の足音が、博多の夜から再び聞こえてくる――

30代の舞台女優が消えた中洲の闇へ。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

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