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第33話:五稜郭の涙 ―消えた俳優と失われた記憶―


ご覧いただき、ありがとうございます!

今回の舞台は、冬の北海道・札幌、そして函館・五稜郭。


夜のすすきので消えた若手俳優。

その行き先は、星形の城――五稜郭。

雪に覆われた星の砦で、彼は“過去”と再び向き合います。


◆ 五稜郭とは?

五稜郭は、函館に現存する日本初の西洋式星形要塞。

江戸時代末期、箱館奉行所の防衛のために築かれ、

幕末の「箱館戦争」で榎本武揚や土方歳三ら旧幕府軍が最後の戦いを繰り広げた地です。

今もなお、五稜郭の星型の堀と石垣は「時代の終わり」と「新たな始まり」を象徴しています。


そんな歴史の星に、

現代の若き俳優と少女の“記憶”が重なったとき、

過去と現在が静かに交差します。


・すすきのの夜に消えた俳優

・五稜郭で凍える心

・記憶を失った少女との再会

・冬の雪原に描かれる“星の軌跡”


探偵・朴凛奈が、今回は「人を救う」ためだけに動きます。

キムチの力も、謎解きも控えめに――

ただ、人の心と心をつなぐために。


静かな旅のひとときを、

冬の北海道の風とともに、感じていただけたら幸いです。


それでは、どうぞ――

雪の星・五稜郭へ。


■Scene 1:雪の街、すすきのにて


北海道・札幌。

私は女優の撮影仕事を終えた足で、すすきののホテルにチェックインした。

すると一本の電話が鳴る。


「……もしもし?」


「凛奈さんですか? 突然すみません。弟が……俳優の**佐伯煌翔さえき こうしょう**が、行方不明なんです」


電話の主は、煌翔の姉。

彼は今、若手ながら注目を集めていた俳優だった。


「昨日、ドラマの撮影で小樽に行くと言ったきり、音信不通で……。最後の目撃は、すすきのの居酒屋なんです」



■Scene 2:雪の夜に消えた“瞳”


居酒屋の店主から話を聞くと、煌翔は一人で酒を飲み、

何度もスマホを見てはため息をついていたという。


残されたメモには、ひとこと。


《五稜郭……君が待ってる気がする》


彼はなぜ函館へ?

私は急遽、函館行きの特急「北斗」に乗り込んだ。


車窓から見える雪原。

私はキムチを口にした――

すると、煌翔の過去の“痛み”が流れ込んでくる。



■Scene 3:五稜郭での再会


五稜郭タワーの下、ひと気の少ない展望デッキ。

そこに、毛布にくるまりうずくまる煌翔の姿があった。


「……君、誰?」


「佐伯煌翔さんですね? お姉さんが心配してます」


彼の目は、虚ろだった。

そして、こう呟いた。


「……君に似た子がいたんだ。昔、五稜郭で出会った。

名前は――椿ほのか。中学生の時に付き合ってた。でも……別れたんだ。俺が悪くてさ」


煌翔は、記憶の中で生きていた。

そして、その“ほのか”が数日前、記憶障害で入院していたことも判明した。



■Scene 4:涙の中のメッセージ


私は病院を訪ねた。

椿ほのかは一部の記憶を失っていたが、

煌翔の名前を聞くと、小さく口を開いた。


「……寒い雪の日、五稜郭で“さよなら”って言った……気がする」


彼女の手元には、雪の中で拾われたという紙切れが。


《ほのかへ また会えたら、謝りたい。俺の全てを》


私はその紙を煌翔に手渡した。

彼はそれを見て、ただ静かに涙を流した。



■Scene 5:札幌に戻る二人


数日後、札幌に戻った煌翔とほのかは、病院の中庭で再会した。


「……ごめん、あの時は逃げた。仕事が怖くて、責任も重くて」


「私も……ずっと、謝りたかった。記憶、全部戻ったわけじゃないけど……でも、あの日の雪だけは、忘れてない」


凛奈はその様子を遠くから見守り、スマホに手帳アプリで記す。


《五稜郭は、ただの星形じゃない。想いを抱えて、交差する“記憶の星”なんだ》



エピローグ:休息の時間へ


東京行きのフライトに乗る前、私は小さなスーパーでキムチを買った。

家族に土産を、とフルーツも追加。


今回はこれで、一区切り。


私の旅はまだ続くけど――

一度、休憩しよう。

釜山に戻って、父の店の味噌汁を飲みながら。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。


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